次号(2009年12月号)の特集は「生誕100周年記念 ドラッカーの思考」です。その中の『日本人固有の特性を考える』には、前回お伝えしましたが、ドラッカーの日本画コレクションの一部と、『日本画のなかの日本人』という論稿を掲載しています。
ドラッカーがなぜ日本に注目したのか、この特集のテーマを突きつめていくと、その過程で日本人のpolarityにドラッカーが着目したことがわかります。これまで、こちらのブログではポーターをはじめ、「DHBR」に掲載された論文を多数紹介してきました。そこで語られる理論の多くは、アメリカのアカデニズム主導のもと、フレームワークを構築したため、概して「二元論」であります。少なくとも、「完全合理性」という前提のもと、理論が成り立っているのが特徴の一つです。
経営学者であるポーターは経済学からスタートしています。コトラーはサムエルソンの弟子であり、最初に書いた論文は日本では発行されていませんが、マーケティングマネジメントではなく統計学です。つまり、私たちが金科玉条のようにあがめている経営理論は、完全合理性が前提になって構成されている側面があります。
その一方で、日本の経営というのは、二元論ではない部分があります。日本をあらわすのに、「日本的協調」といった言葉があるように、日本人はチームの中の構成員として行動するとみられています。その中、ドラッカーは縄文式土器などにあらわれている日本の際立った個性に興味を覚えます。つまり、「協調性」と「個性」のどちらか一方だけではなく、両方が日本にはある。こういった両極性は縄文土器だけでなく、日本人が描く水墨画にも表れていますし、同じように、議会における政治家の発言や家庭での教育、そのほかいたるところで耳にする「本音と建前」など、アメリカの二元論では説明できない「両極性」が日本にはあります。『日本画のなかの日本人』を読むと、ドラッカーが日本の両極性に興味を覚えたことがつかめます。
さらに、もっとドラッカーを掘り下げて読んでいくなら、ナチスによって発禁処分となったドラッカーの処女作『フリードリッヒ・ユリウス・シュタール:保守的政治論と歴史的発展』を読み進めていくといいと思います。そこでは、ドラッカーの経営への思想に触れられ、よりドラッカーへの理解が深まるのではないでしょうか。次号では、ドラッカーの幻の処女作も、翻訳を本邦初掲載します。(岩崎 卓也)
--------------------------------*
次号(2009年12月号)の発売は11月10日の予定です。
追記:
▽ご購入はこちらから
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059691209
2009/11/06
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのTrackBack URL
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。





