2009/04/24

訴求ポイントの優先順位

私は数カ月前にiPhoneを購入しました。iPhoneは使いづらいのではないか。もっと使いやすいスマートフォンが出れば、たくさん売れてヒット商品になるのではないか、とたずねられたことがあります。確かに、iPhoneはタッチパネルに触れて文字を入力するので、まごつくこともあります。メールを打つ際、ミスタッチすることもよくあります。が、意外と慣れるのにそんなに時間はかかりませんでした。むしろ、以前こちらのブログで紹介した「テンキーの2個打ち」、このほうが年齢的にいっても馴染めず厳しいものがあります。

日本では、携帯電話から親指一本でテンキーを打って、メールを送ることが珍しくはありません。欧米のビジネスマンの間で、BlackBerry(ブラックベリー)が広く使われるようになり、メールに関する欧米での事情は多少変わってきています。が、海外では日本のようなテンキーの文化はあまりないようです。約7年前、プラハでミンツバーグ夫妻と食事したとき、私が日本では携帯電話から片手でメールを打つことがよくあるという話をしました。当時、携帯電話会社でマーケティングマネジャーの仕事をされていた奥様は「私たちにとって、そのようなことはありえません」とおっしゃっていたことが印象的です。

日本では携帯電話の機能が高く、メールを出すのも携帯電話で充分です。スマートフォンが使いやすくなったとしても、大きな魅力になるかは断定できません。日本人はキーボードを打つということに、こだわりがほとんどないのです。だから、多少使いづらくてもすぐ慣れてしまうし、より使いやすい商品に対して感じる魅力はそう高くはないと私は思います。

ところで、「キーボードを打つ」に関していえば、日本語ワードプロセッサ専用機のOASYS(オアシス)は親指シフトキーボードを採用してきました。かつて、私の周りにも親指シフトに慣れ親しんでいる人が多数いました。が、そのうち、パソコン上のワードで文書を作成するようになり、親指シフトを利用する機会が減りました。明らかに、親指シフトのほうが早く打てるといった優れている点が多数あると私は思っています。が、利用者は親指シフトでなければ文書を作成できないかというとそうではありません。結局、最初は使いにくいと感じたものでも慣れてしまえば支障がなくなります。iPhoneも使いづらいところはありましたが、私にとっては大きな支障にはなりませんでした。

話は最初に戻り、新製品の訴求ポイントとして、スマートフォンには使いやすさよりも、もっと優先順位の高い事項があると私は感じています。たとえ、調査結果では「使いやすいこと」が商品を選ぶ上で重要ポイントだと出たとしても、鵜呑みにすると優先順位を間違うことになりかねません。今号のテーマである不況に絡めていえば、この些細な優先順位の間違いが致命傷とはいわないけれど、業績の足を引っ張ることになりかねません。今、消費者の商品を購入するかどうか、その判断基準は厳しくなっています。選択肢が狭まり、二社択一になっていくときに、訴求ポイントの優先順位をミスすることは失敗確率を確実に高めていくのでしょう。(岩崎 卓也)

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posted by ダイヤモンド社 at 06:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 記事
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Re: ※大好きパソコン(@テストブログ)他2件
Excerpt: 昔を取り戻すことはできないけれど。http://trysihotest.sees
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Tracked: 2009-04-26 22:28