2009/01/16

集合天才としてのリーダーシップ

未来のリーダーに不可欠な能力として、ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授は「背後から指揮する」「集合天才としてのリーダーシップ」という概念について語りました。前回、こちらのブログでは「背後から指揮する」ことを解説しました。今回は「集合天才」について紹介します。集合天才は原文ではcollective geniusですが、これはドリームチームを作れといっているわけではありません。「集団として天才になる」とは、優秀な人材だけを集めて天才集団を作ることではありません。凡才が10人集まって、10人の集団として天才であればいい。このように考えます。

集合天才とは、松下幸之助氏の「凡夫の力で偉業を成し遂げる」組織という言葉に通底する部分があります。また、あえていうのなら、チームマネジメントに似たような概念でもあります。が、実現するには大変難しいものがあるのではないでしょうか。よくいわれることですが、組織には健全なる批判精神と相互依存が必要です。チームの他メンバーの長所と短所を理解し認めあう中で、初めてコラボレーションは成功します。

個々の専門家が集まることで多様性がもたらされ、互いが異なる個であることを認め合う。さらに、認め合うだけでなく、緊張関係が必要であって、おかしいことは「おかしい」と言える。このような組織でなくては「集合天才」は実現しないでしょう。加えて、結束力を強くするため、チームミッションが共有化されていることが必要です。一つのミッションのため、お互いの得意な分野を提供し、他人の弱い部分を補完する、というような状況である必要もあります。日本人は概してグループ・ワークは得意です。が、単なる「仲良し」が集まったワーキング・グループと集合天才は別のものです。

とくに、「われわれは集合天才である」と口で言ってみたとしても、世の中からみたらパフォーマンスが低いケースもあるでしょう。たとえば、地区大会で優勝し、自信をつけたチームでも、全国レベルでは一回戦で負けてしまう程度の実力しかない、ということはよくあります。集合天才としてのリーダーシップは未来のリーダーに不可欠な能力ではあります。が、難しい。本物の集合天才を実現したと思い込み、単なる自己満足に陥ってしまいそうな概念でもあります。(岩崎 卓也)

------------*
▽2009年2月号はこちらから
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059690209
posted by ダイヤモンド社 at 06:35| Comment(0) | TrackBack(1) | 記事
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。

「集合天才」を作りたい。。。
Excerpt: DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー2009年2月号「集合天才としてのリーダーシップ」が掲載されている。(らしい)「凡才が10人集まって、10人の集団として天才であればいい。」との考えは、凡
Weblog: Da-matsu EVERYWHERE
Tracked: 2009-01-19 15:56