2009/01/13

これから必要とされるリーダーシップのタイプ

先回、リーダーシップ論の金科玉条を疑ってみることについて書きました。今の時代、正しいとされているものを疑ってみることが大切です。その前提には、時代とともに変化していくリーダーシップのスタイルを観察し、理解しておく必要があります。では、これから先の半世紀でリーダーシップの性質はどのように変わっていくのでしょうか。今号(2009年2月号)の「未来のリーダーシップ」では、今後ますます必要とされるリーダーのタイプについて触れています。語っているのはハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授です。彼女はハーバード・ビジネススクール幹部研修コースの担当教授です。また、リーダーシップ理論と実学の溝を埋めることを目的としたプログラムも担当しています。新興国に関心を抱き、南アフリカ、インド、アラブ首長国連邦、アルゼンチンなどを回り、現地でのリーダーシップを調査、観察しています。

「未来のリーダーシップ」はヒル氏に対するハーバード・ビジネス・レビュー シニア・エディターによるインタビュー記事という形をとっています。そこでヒル氏は二つ、興味深いことを言っています。一つは彼女が提唱する概念である「羊飼い型のリーダーシップ」についてです。一般的にリーダーというものは前に立って指揮をとるスタイルが主です。しかし、羊飼いは背後から指揮を取ります。先頭をいくのは別の人物です。たとえば、橋がかかっていない川に直面したなら、橋を架けることを得意とする人が先頭をとります。場面に応じて、先頭が変わっていくのです。リーダーはどんな場面に対しても万能である必要はありません。ただし、集団をまとめていく人は常に必要になります。まとめていく役割をリーダーが担うわけです。

羊飼いは羊の群れの後ろに立ち、羊が進路から外れたり、危険な場所に出ようとしたときに、羊を杖で小突いたり、急かしたりして群れに戻します。必要に応じて牧羊犬を走らせ、羊を目的地に誘導するようにもします。これが背後から指揮をとるリーダーシップのスタイルです。もちろん、組織を構成するメンバーのタイプによっては、リーダーが先頭に立ったほうが上手くいくケースもあるでしょう。

彼女が「羊飼い型のリーダーシップ」という概念を見出したのはネルソン・マンデラ氏の本を読んだことがきっかけだったといいます。ヒル氏の研究は南アフリカ以外にも及び、インタビューではイスラム金融の話などについても触れています。

ヒル氏は羊飼い型のほか、もう一つ未来のリーダーシップのスタイルとして、「集合天才」について語っています。こちらは次回紹介します。(岩崎 卓也)

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▽2009年2月号はこちらから
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059690209
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羊飼い型リーダーシップ
Excerpt: 先頭に立つばかりがリーダーシップではない。羊飼いを見てごらん。
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Tracked: 2009-01-15 07:02