次号(2009年2月号)の「新任マネジャーの成功条件と失敗要因」は示唆に富んだ論文だといっていいでしょう。執筆したのはジョン・J・ガバロ ハーバード・ビジネススクール 名誉教授です。同スクールにはリーダーシップ論の大御所であるジョン・コッターがおり、ガバロはコッターの共同研究者でもあります。
この論文はかれこれ四半世紀前に書かれたものです。組織で働いていると、昇進や転職、新規事業の立ち上げなどにより、新しく別組織のマネジャーになる時があります。そのなかには、成功する人もいれば、失敗する人もいます。その成敗を分けるものは何でしょうか。この論文では失敗した人、成功した人、それぞれの共通点について調べています。
成否を分けるのは必ずしも能力やスキルではないようです。
新任マネジャーのプロセスとして、「組織になじむ」「内部を把握する」「新しい組織につくり変える」「これまでの取り組みを総括する」「さらなる改善に取り組む」の5つのステップがあります。成否の要因となるのは「新しくマネジャーになる前までの仕事上の経験」「人間関係能力」などが深く関係します。たとえば、単に部下だけでなく上司との人間関係であるボスマネジメントの上手さが大きく影響するなど、ガバロは具体的な6つの事項について解説しています。
この論文は昇進昇格や他部門への赴任のときに参考になることが多く共感できる内容になっています。しかも、それだけではありません。この論文に書かれていることは転職したときにも適用できるのではないかと私は思いました。2007年1月号に「GE出身者でも失敗する時」という論文があります。前の職場ではスタープレーヤーだった人が新しい転職先でなぜ失敗してしまうのかという研究です。結論からいうと、環境が能力を左右するということになります。新しい環境で古い環境と同じやり方をすすめて成功することは難しいのです。ガバロもほぼ同じことを書いています。
転校生が「早くみんなに認められたい」という気持ちがはやって、すぐ手柄をとりにいってしまうことがたまにあります。これは異動のときも同じだと思います。この論文は異動という視点で読むと、なるほど功を急ぐと仕損じるのだ、ということが読み取れます。これをもっと翻してみると、仕事は1人の力でやるものではない、というところに行き着くと思います。
コッターは言いました。「権限は会社がその人に与えたものではなく、周囲によって認められて初めて行使できるものなのだ」と。次号の「新任マネジャーの成功条件と失敗要因」は自身の仕事を振り返って、あてはめて考えみるとおもしろい論文だといえます。(岩崎 卓也)
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2009年2月号は1月10日発売予定です。
《追記》
▽2009年2月号はこちらから
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059690209
2009/01/09
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