次号(2008年12月号)の特集は「優位」の教訓です。企業の無形のアドバンテージをテーマに、シスコ、トヨタ、ピクサーなど、7社の企業を紹介します。私がもっとも腑に落ちたのは、「IDEO:デザイン・シンキング」です。IDEOはクライアントに名だたるグローバル企業が何百社も名を連ねている会社です。この論文ではCEOのティム・ブラウンがデザイン・シンキング(デザイン思考)について解説しています。彼は有名なデザイナーで、作品はMoMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネント・コレクションになっていると聞いています。
「デザイン思考」というのは、前回の記事でも少し触れましたが、部分と全体の調和を図っていくことだといえます。結果、異分野の人たちによる真の意味でコラボレーションを実現させ、イノベーションを生み出していくこともできるのです。IDEOは自動車から携帯サービスまで、何から何までデザインします。対象はシステム、サービスなど、形のないものにまで及びます。それこそ、医療機関の段取りなどの業務についてもデザインします。ユニークなデザインを提供している点が特徴です。しかも、単なるスタイリングだけでなく、デザインにより多種多様なイノベーション・プロジェクトを成功に導いているのです。
IDEOのティム・ブラウンの部下にトム・ケリーという人がいます。著書として『発想する会社!世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』(早川書房刊)が発刊されています。15年くらい前、トム・ケリー氏に日本で会ったことがあります。まだIDEOはあまり知られてなく、イデオなどと呼ぶ人もいた時代でした。彼はスタンフォード大学を卒業しており、非常に知性のある人だという印象を受けたのを覚えています。
「IDEO:デザイン・シンキング」で述べられている「部分最適を部分最適に終わらせない。そのためには、全体感を持って部分を見る」という点は非常に重要なことだと思います。それには、部分と全体の関係をどのタイミングで考えるか、ということがポイントになってきます。最近はコラボレーションという言葉を耳にする機会が増えました。協力とはたやすいものだという印象を受けますが、真の意味でのコラボレーションを実現させること。そして、イノベーションを生み出すことは決して容易ではありません。IDEOの「デザイン思考」はその点で参考になる思考法なのではないか、と私は感じました。(岩崎 卓也)
---------------------------*
▽今号〈2008年12月号〉はこちらからどうぞ
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059691208
2008/11/07
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのTrackBack URL
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。
