2008/09/27

日本の研究者の底力

日本はイノベーションが足りないと言われていますが、必ずしもそうではないと思うときがあります。日本は青色発光ダイオードやプリウスを開発した国です。ノーベル賞では、物理学賞の湯川秀樹氏、江崎玲於奈氏、化学賞の田中耕一氏など、近隣のアジア諸国と比べると、圧倒的に多く受賞しています。ノーベル賞受賞者数がゼロ、あるいはゼロに近い国も少なくありません。そう思うと、日本はイノベーションという点で優れた国だといってよいでしょう。

「日本の教育は間違っている」という声を耳にすることが良くあります。しかし、本当に間違っているかどうかはわからないものです。例えば、日本人の数学能力が下がっているという指摘があります。確かに、平均値は下がっているのでしょう。でも、平均値は下がっていても、傑出している人の数が減っているとは限らないのです。増えている可能性もあるのです。単に平均値だけを見て、判断するのは危険な部分もあります。

日本の教育は間違っているから教育制度を見直す。このとき、大切になってくるのは、今の研究者の規律や文化はそんなに悪いものではない、という視点を加味することではないでしょうか。日本のイノベーション能力が低いとか、教育が間違っているといった考えのもと、改善を進めると、今までの良いものまでが壊されてしまうのではないかと私は思っています。

もちろん、課題がまったくないわけではありません。例えば、マーケティングとテクノロジーのギャップの問題などがあります。アップルは携帯型デジタル音楽プレーヤーiPodを発売し、ヒットさせました。でも、発売時の日本企業にはiPodのような携帯型デジタル音楽プレーヤーを開発する技術力がなかったかというと、そうではありません。技術が皆が使える商品につながらなかったのです。

日本には優れた技術がたくさんあります。例えば、日本は環境技術の先進国でもあります。環境技術を輸出して、社会に貢献できる可能性が多くあります。ただ、自社技術を使って、ビジネスに展開し、勝負するところは弱いのかもしれません。もっと、企業は自社技術をより広く発信すれば良いのではないでしょうか。世界に日本の技術が広げていくことにも注力が必要なのではないか、と思います。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 00:16| Comment(2) | TrackBack(1) | 記事
この記事へのコメント
同感です。日本の教育は優れたところがたくさんあります。ただ 応用力と発想と想像力が少しだけずれているのではないでしょうか。私はアメリカに在住していますが 純日本人で大学まで日本に住んでいました。海外での学位所得 また就労経験を通じて 日本人は 外国人のような大胆な発想でなくても同じくらい素晴らしい面白い視点から様々なアイデアを考えることができると思いました。ただ難点なのは それを日本の企業で技術応用から製品まで組み立てる場合 日本では需要と供給により採算がとれず せっかくのアイデアも日の目をみることなく ボツになってしまっている可能性が大ということでしょう。あくまでも想像ですが 実際に様々な世界の人たちと仕事をし、また共に勉強し ふと そう思うのです。私は日本の田舎で育ったので ニューヨークで一度にあれだけの人種と出会い共通の英語で勉強し仕事をし苦楽を共にし びっくりすることもたくさんありましたが みな 肌の色など違っても 同じなんだと改めて実感しました。日本人に足りないのは アイデア、発想や知恵を日本だけでなくもっと大きな世界的需要と供給を視野にいれての多角的な分析による製品化への努力なのではないでしょうか。。。
Posted by michan at 2008年09月30日 10:29
michanさん、

コメントをいただきありがとうございます。
海外での体験談を興味深く読みました。
貴重な体験をお話いただき感謝です。
Posted by スタッフ at 2008年10月01日 00:24
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