2008/09/12

動機付け理論の限界

今号(2008年10月号)では「新しい動機づけ理論」という論文を掲載しています。随分前から、私は動機付け理論には限界があると感じていました。よく言われることですが、組織の中では2:6:2、2:8という関係が出てきます。優秀なハイパフォーマーだけで集団を作っても、2:8の比率でハイパフォーマーとローパフォーマーに分かれていきます。全員がモチベーションを高め戦力化しているような「全員が働き蜂」の組織は存在しないのです。このことは、動機付け理論はどこかに限界があることを示しているのではないでしょうか。ものすごく動機付けられている人ですら、自分と同じようなハイパフォーマーだけを集めた組織に入ると、働かなくなることもあるのです。

もちろん、今号の「新しい動機づけ理論」を全て否定するわけではありません。動機付け理論やコーチングは全てをそのまま受け入れてはならないことを意識した上で、読むことが必要だと私は思います。この論文では新しい理論が提唱されており、知っておく価値はあります。具体的な目新しい内容とは次のようになります。
この論文はモチベーションには「欲動」が大きく関係しているといいます。ここでいう欲動とは、英語で言うdriveで、具体的には「獲得」「絆」「理解」「防御」の四種類があります。この点は、従来の動機付け理論と比べて、新しい部分だといえます。また、この4つがどのような要素で左右され、これらをどのように満たせばいいのかが書かれています。具体的に企業での報奨制度、企業文化、職務設計などについて、どのようなてこ入れが良いのか、といったことが解説されています。

この4つの欲動すべてに対処すれば、社員達の能力を引き出し、業績の拡大につながる。これがこの論文の骨子です。また、社員のモチベーションには組織だけでなく、上司という要素が大きいこともこの論文では言っています。確かに、一対一の中で、人間は動機付けられるということが言えます。が、組織の中では、本当にそれだけで動機付けられるのか、というのが私の疑問です。繰り返しになりますが、動機付け理論は役に立つ部分もありますが、金科玉条ではないことを前提に読む必要があります。

次回は、これに関連してコーチングについて、触れたいと思います。(岩崎 卓也)

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▽今号〈2008年10月号〉はこちらからどうぞ
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059691008
posted by ダイヤモンド社 at 23:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 記事
この記事へのコメント
楽しく拝読させていただきました。

マズローの欲求段階説
マクレガーのX理論Y理論
ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)
マクレランドの欲求理論
目標設定理論

これらの理論は、ちょっとクラシックすぎるような気がする。
新しい、動機付け理論が必要だと思うよ。
Posted by 山崎健一 at 2008年10月14日 14:47
山崎健一様、

コメント、ありがとうございます。
確かに、新しい理論の必要性は感じます。
もちろん、それは古い理論を一通り学んだ上でのことですが。

ことに、動機付け理論に関しては、
こちらの記事で岩崎が指摘しているように、
役に立つこともあるが、限界がある、
ということなのでしょうね。
Posted by スタッフ at 2008年10月17日 06:56
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