2008/09/03

女性のキャリアと長く勤めること

前回の「日経 丸の内キャリア塾」の続きになりますが、インタビューでは「女性のキャリアについて、具体的にどうしたら良いのか」という質問がありました。回答としては「長く勤めるということ」が第一にあげられます。ジョブホッピングを否定はしませんが、その道で通用する一人前になるには、長く勤めないと難しいのではないでしょうか。

その一方で、キャリアアップというと、学歴をつける、資格を取ることを思い浮かべる方も少なくないと思います。が、私は資格や学歴がその方のパフォーマンスを決めるものではないと思っています。前にも書きましたが、日本と欧米では、MBAの価値が異なります。欧米の大学ではリベラルアーツをしっかりと教えます。その点、日本は専門教育重視です。リベラルアーツに関する議論はさておき、日本は専門教育が充実しているので、商学部や経済学部、経営学部といった学部で学ぶ内容は、ビジネススクールと大きな差が出ない部分もあります。文学部など、ビジネスとは縁遠い学部出身者がMBAを取ることには意味があると思います。が、商学部や経済学部、経営学部卒で、英語が話せれば、海外留学と比べて習得する知識は大きく差が出ないともいえます。

資格も同様です。資格がないと法的に仕事をすることが許されないものもあります。が、キャリア・デベロップメントの観点でいうと、資格があっても実務を経験しないと、本当の意味での仕事はできないでしょう。MBAや資格を取ることについて否定はしませんが、それでキャリアが約束されたという幻想を抱くのはもうやめましょう、と言いたいのです。結局、企業に長く勤めて、腰を落ち着けて働くことが大切だ、というところに結論がいきます。

ならば、途中で会社を辞めてしまったら、もうキャリアを伸ばすことはできないのでしょうか。前回も触れましたが、そうではありません。40歳過ぎて、ゼロベースからキャリアを作っていくことは可能です。日本は超高齢社会に突入しました。2050年、女性の平均寿命は90歳を超えます。25歳の方にとって、90歳までの間には65年もの時間があります。人生90年だとすると、45歳になってやっと半分まで来たことになります。70歳まで働くなら、人生の半分の地点である45歳でも、あと25年働く時間があります。人生全体を眺めるなら、20代は懸命に働き、30代は仕事を離れ子育てに専念し、40代で元の職場に戻るといった選択肢があってもいいと思います。

あるいは、極端な話、今まで積み上げてきたことをリセットして、もう一度最初からやり直しても、意外と楽しい人生が送れるかもしれません。可能性はたくさんあるはずです。超高齢社会では、これまでとは違ったキャリアの伸ばし方が出てくるのではないか、と私は思います。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 02:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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