2008/08/15

グーグルの強みは目新しさとは限らない

前回まで、こちらのブログでは、今号(2008年9月号)に掲載した組織能力とIT投資に関する論文を二本紹介しました。これらの論文を受ける形で、「グーグル:革新し続ける組織」「新生銀行:事業戦略とITの融合」、グーグルと新生銀行に関する論文、二本を掲載しています。

「グーグル:革新し続ける組織」ではグーグルが高成長を実現しているその強みについて書かれています。一般的に、グーグルの高成長は検索技術やITインフラにあると語られることが多いのですが、それ以外の事項について触れています。
執筆者はバブソン・カレッジのトーマス・H・ダベンポート教授とバラ・アイヤー准教授のお二人です。ダベンポート教授はITマネジメントの大御所と言われている人です。この論文は周辺取材で書いたものです。が、グーグルインサイトと言うほどではないものの、私の印象ではきちんと調べて書いている、と感じました。

結論としてはグーグルの強みはやはり組織文化にあるのではないか、と私は読みました。21世紀の新しい企業モデルだと言われているグーグルですが、この論文を読むと意外と特別なことはしていないことに気づきます。例えば、デジタル社員提案制度がありますが、これはかつて日本で盛んに行われていたTQCの提案制度にITを利用して実現させているとも取れます。
ファクトベースで分析する。これはコンサルティングファームではあたり前の事項です。

グーグルの組織文化に失敗をどんどん奨励する、というものがあります。これも3Mでは70年代から実行されていました。失敗に寛容な組織がいかにイノベーティブなものを発明しうるか。これはすでに証明されています。
グーグルが提供するサービスは斬新で画期的なものが多くあります。他方、アプローチの仕方、実行の手段、行動については突き詰めると目新しいものだとは言い切れません。でも、グーグルは着実に効果のあることを実行している組織なのだと思いました。効果が期待できる、あらゆるものごとを実行し、整合性をとりながら進めている。ここに強みがあるのだと、この論文から読み取れます。(岩崎 卓也)

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posted by ダイヤモンド社 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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