経営者の多くは、従業員の失敗に対してパニッシュしない組織が望ましいと言います。私もその考えに賛成です。しかし、実現には人事評価制度について工夫が必要です。少なくとも、減点評価は適さないでしょう。前回、私はこちらのブログで、従業員の評価はポイント制にしたらどうか、という話を書きました。ポイント制は加点評価の最たるものです。加えて、ラジオ体操のハンコのような手軽さもあります。カードがハンコで一杯になったら褒美がもらえる点も、評価結果と報酬の関係をわかりやすくしています。
しかしながら、ポイント制を実施するにあたり2つ注意点があります。一つはポイント制には部門特性の問題が出てくるのです。企業の中にはルーチンワークに従事している部署があります。ここでは目の前のことをミスしないで、時間内に効率よく進めていくことが大切になります。すると、加点よりも減点のほうが評価しやすくなります。例えば、ハンバーガーショップで、マニュアル通りに作業をしている人に対して、ハンバーガーを一つ作る毎に「良くできた」と声をかけ、ハンコを押すのはおかしなことでしょう。むしろ、遅刻した、服装が汚い、手洗いを怠ったなど、減点する要素のほうが目に付きやすいのです。ルーチンワークは褒めるのが難しく、パニッシュのチャンスが多くなります。
もう一つはハンコが少ない人に対する処遇をどうするのか、という問題があります。生産現場ではとかく、しっかりと仕事する人としない人に分かれがちです。優秀な人はたくさんハンコがもらえてうれしいものです。しかし、たいして仕事をしない人も必ず出ます。カードにハンコが埋まっていかない人を、そのまま放置しても良いのか。放置したとしても、ハンコが少ない人なりに考え、ハンコをたくさんもらおうとして気働きをするようになるのか。処遇をどうするのか、意見が分かれるところです。評価方法はいろいろあります。が、いずれにしろ、評価は絶対評価にならないのです。ポイント制も相対評価の域を出ず、ベストとは言えないかもしれません。それでも、褒めたことが形に残る点など、現行制度と比べるとベターなのではないかと思います。(岩崎 卓也)
2008/07/22
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