次号、2008年8月号は「協力する組織」というコンセプトで特集を組みます。協力はさまざまな言葉で表現されてきました。たとえば、コラボレーション、チームワーク、そのほか、クロスファンクショナルチームなどがあります。なぜ協力するのか。協力は現状を改革するようなアイデア、技術、オペーレーションにつながるところに意味があると思います。つまり、組織として成長していくために、一人の力よりも多人数の智恵が集まったほうが良いということです。
最近、集団的知性(Collective Intelligence、集合知)を使った取り組みを耳にします。ハリウッドではどの映画が当たるのか、専門家と一般の人たちを比較して予測するようなことがあるそうです。
N(母数)を多くしていく中で、もっと良いアイデアが出てくるのではないかと考える人もいます。協力に関する研究はありますが、まだ結果は多く出ていません。ビジネス雑誌、書籍でも協力をテーマにしたものは数として少ないといっていいでしょう。次号のように協力を大きく取り上げることは意外とチャレンジングだったと思っています。
協力はことのほか難しい。中間管理職以上の方の中には、実感されている人が多いと思います。理由はたくさんあります。
もともと、企業はアダム・スミスのピンの製造の話に始まるように、分業で成り立っています。ピラミッド組織の上に向かって、出世をしていく形になります。ふるいにかけられていくわけですから、成功した場合、誰が成功したのかということが話に出てきます。皆はチームのおかげです、と言いますが、誰かが最終的な褒美にあずかるのです。そのチームが社内で勝って優位に立つということは、誰かが劣位に立つことになります。部門間の協力が必要だとはいえ、見えざる敵を助することになると、他部門との協力は難しくなります。
また、組織の中で、相性の問題はそんなに昔ほど今は重要な要素ではないと思いますが、そういうこともあります。
これまで、企業は協力の難しさに対して、逃げてきたのではないでしょうか。目的の前にチームメンバーは皆平等なんだ、職位も経験も関係ない、と言いながらごまかしていた部分があると思います。自由にアイデアを話し合って、優れたアイデアを採用していく。わかりやすいのですが、現実にはそのプロセスを作るのはむずかしいのです。
当たり前のことですが、ビジネスの世界はエンピリカルとシチュエーショナルです。経験があるということは大きなパワーになります。社内でも一セクションで物事が解決するわけではないので、社内的な交渉力も必要になってきます。そういったときに、経験の浅い人が自由に発言ができたとしても、採用される可能性は相対的には低くなってしまいます。協力をすることは本当に難しい。総論賛成で、各論の部分でぶつかり合うテーマだと思います。その中で、次号では協力することをテーマにした論文をいくつか紹介します。(岩崎 卓也)
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2008年8月号は7月10日(木)発売予定です。
2008/07/05
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