前回、ソニーCSLのシンポジウムで講演したソニー社長 中鉢さんについて書きました。このシンポジウムでは、ほかにソニーCSLに所属する北野宏明氏、茂木健一郎氏などがパネルディスカッションに登場しました。
北野宏明さんは弊社刊行『したたかな生命』(共著)の著者でもあります。なかでも印象に残ったのは、製薬業界の話です。現在、製薬メーカーの多くは新薬開発にかかる投資を2倍に増やしているといいます。他方、新薬開発で創薬が生まれるのは1/2になったそうです。1/4、効率が悪くなっているのです。
製薬業界には2010年問題があります。大型医薬品の特許が切れ、医薬品メーカーの利益が減ってしまうと懸念されています。しかも、R&Dの回収率が悪くなったという現状があります。今、CSLでは創薬をLinuxのようなオープンイノベーションの形で開発しようと取り組んでいるといいます。全く新しい開発のスタイルを試みているようです。
茂木健一郎さんも登場しました。茂木さんの話も面白かったです。鏡に映る自分の姿を自分だと認識できるかどうか。もちろん、人間はできます。が、イヌやネコはできません。多くの動物の中で、自分だと認識できる動物はそんなに多くないそうです。脳科学は面白いですね。できれば、いつかDHBRでも脳に関する特集を組みたいと思いました。
話は変わりますが、脳の話といえば、2008年3月号に「一流人材のつくり方」という論文があります。この論文では、「女性はチェスが弱い」という説を覆すことになる実験をしています。女性は空間把握ができないから地図が読めない、チェスで勝てないなどと言う人がいます。この論文では、執筆者が自分の娘にチェスを徹底的に教え込みました。その結果、娘は3人とも女性チェス・プレーヤー世界ランキングで10位以内に入ったといいます。男女で脳は違うといわれています。が、本当はそんなに大きく変わらないのかもしれない。私はこの論文を読んでそう感じました。(岩崎 卓也)
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http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059690308
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2008/07/02
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