2008/06/28

ソニー社長 中鉢氏の意外な一面

先日、ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)の創立20周年記念シンポジウムに行きました。CSLはコンピュータサイエンスに関する研究を行う場として1988年2月に設立されました。所長は元慶應義塾大学教授の所 眞理雄氏です。

シンポジウムではソニーの社長 中鉢良治氏が1時間ほど講演しました。私は中鉢さんの講演を聞くのは初めてです。非常に面白い方だと感じました。
講演では学生の頃の話がありました。第一次石油ショックの頃、中鉢さんは東北大学大学院の学生で、工学研究科博士課程にいました。当時は学生運動が盛んで、マル経が流行っていたのです。今でいう産学連携なんてけしからんと言われていました。学を企業という資本主義の手先が汚すとはなにごとだ、という時代だったのです。

私は中鉢氏が何を話すのか、興味深く聞いていました。彼は修士のときに結婚したといいます。しばらく、奥さんのご実家に住んでいたそうです。
「今だから、言いますけど、いやでいやでしょうがなかったんですよ」
早く家を出たいと思っていた。そんな中、博士号を取りソニーに内定が決まりました。ソニーなら横浜に工場がある。これで仙台から抜けられる。わくわくして入社しました。ところが、言い渡された配属先は仙台です。しかも、同期では中鉢さん一人だけでした。なぜ、自分だけが仙台に残らなくてはならないのだ? 実は、担当教授が「中鉢君はまだ若いし、これから物入りだし。じっくり研究させてあげたいから、自宅から通ったほうがいいだろうと」
教授はソニーの人事部長と旧知の知り合いだったので、言ったようです。

「この時、私は産学連携は良くないと思いました」
 などと、冗談めいて言っていました。もちろん、産学連携が悪いと言っているわけではありません。講演では産官学連携の重要性をアピールしていました。が、そのときは「やられた」と思ったそうです。

そのほか、朝日新聞の夕刊に出ていた夏目漱石の話などが続きます。結局、最後の5分になり、
「随分時間がおしてまいりましたが、今日の本題です」
 と言うではないですか。そこで初めて「21世紀の科学と技術」という講演のテーマが出てきました。中鉢さんは思いのほか、面白い人でチャーミングな人だなって思いました。これが私の6月に得た大きな収穫です。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。