「平成19年版 高齢社会白書」によると、2055年には平均寿命が男性83.67年、女性90.34年となり、女性の平均寿命は90年を超えると見込まれています。夫が定年退職し、かつ60歳を超える夫婦の場合、女性は日々何をしているのでしょうか。女性のほうが社会性があり、参加したコミュニティに打ち込めるといわれています。しかし、これはすべての女性にあてはまるとは言えません。
男性のなかには、会社勤めに没頭し社会との接点が少なくなる人もいます。働く女性が増えた現在、これはワーキングウーマンにも同じことがいえるのではないでしょうか。男性ビジネスパーソンと同様に、女性は長く会社務めをするほど、地域とのつながりが持ちづらいケースが多く出てきます。女性にとって、定年後の男性が抱えている問題は対岸の火事ではなくなりつつあるのです。
『「豊かなる衰退」と日本の戦略』(弊社刊)という本があります。著者は横山禎徳(よこやま・よしのり)さん、マッキンゼーに約30年勤めた方で、ディレクター(シニア・パートナー)、東京支社長にもなった方です。この本には次のようなことが書かれています。少子化というのは西欧諸国で経験していることなので、対策について西欧諸国に学ぶことはあるでしょう。しかし、超高齢社会に世界で最初に突入したのは日本です。65歳以上の老齢人口が総人口の21%以上を占める超高齢社会。ここに潜んでいる問題は前例がないものなのです。従って、アメリカに範を求めてはいけない。自分達で考えなくてはいけない、ということになります。
横山先生はこの著書の後、『アメリカと比べない日本』という本を書かれています。この本でも、超高齢社会における課題は自分達で考え解決しなければならないと言及しています。日本が範を示す番です。最近聞いたのですが、そういう能力のことをアジェンダ・セッティング能力というそうです。課題設定能力というものが、今、問われているのです。もはや、他国の問題を分析し、なぞっていく能力だけでは乗り切れなくなっているのです。そういう意味もあり、今月号は中高年の問題、女性の問題を特集として組みました。この二つの問題はある種重なるものがあります。別々に議論するのではなく、両方に通じる最大公約数のようなものを言う必要があるのかもしれない。今回の特集を組んだ結果、そう感じました。(岩崎 卓也)
2008/05/30
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのTrackBack URL
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。
