2008/05/24

中高年の人材流動化

十数年以上も前のことになりますが、三菱電機がゴールデン・プランというものを導入しました。これは会社が労働組合と一緒になって作ったものです。45歳からリタイアメントの準備をしましょう、といった趣旨で設立されました。なぜ準備が必要かというと、会社人間として育った人の中には知識が偏ってしまうケースが少なくないからです。年金のことや、退職金のことなどに関して、会社任せにしており、ほとんど知識がない人もいます。老後に備えるなら、45歳くらいに始めないと間に合わない、ということが設立の背景にあったようです。

当時、ゴールデン・プランは非常に画期的だと言われ、他社もならって始めました。導入から時が経ち、今の社会状況に合わせ、ゴールデン・プランの内容にも変化はあったと認識しています。が、多くはファイナンシャル部門も含めて、今でも当時と変わらず、福利厚生の一環として続いている部分があると思います。

定年に備えるということは、経済的な問題に備えることが大きな課題としてあります。金融のリテラシーを高めていくのは悪いことではありません。でも、それだけで備えたというのは無理があります。大前研一さんが講演などでよく話すことですが、今は国が国民を守りきれない状態にある。とするならば、中高年のときに、会社をやめてもいい、通用するスキルのトレーニングをやるべきではないか、と私は思います。

会社にとっても、中高年が退職するとなるとキーマンを失うことにもなります。でも、悪いことだけではありません。固定費が減るかもしれない。だから、もっと中高年の人材の流動化が進むような状況にしてもいいのではないか、と思うときがあります。会社の中のトレーにングシステムは最後に役員になることを目指すためのものという位置づけになっている企業があります。企業はふるいの目を細かくする、といったことに注力するのをやめても良いのではないでしょうか。
もちろん、必ずやめなければならないということではありません。それだけではなくて外にどんどん出て行ってもらえるようなトレーにングをしてもよいのではないか、ということです。

人材が外に出るとなると、人材教育のリスクが増し、ROIが下がってしまうことになります。2008年6月号に「人材マネジメント失われた50年」という論文がありますが、こちらでは、〈実は、人材育成手法のほとんどが、半世紀前に開発されたもので、いずれも、確実性の高い環境に適した組織人を育成する手法である。〉と述べています。また、人材開発への投資のROIを改善することにも触れています。この論文についての詳細は次回、こちらのブログでお伝えします。〈岩崎 卓也〉
posted by ダイヤモンド社 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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