2008/05/21

2007年度マッキンゼー賞受賞論文

今号、2008年6月号の特集にある「なぜ女性リーダーが少ないのか」という論文は2007年度マッキンゼー賞を受賞したものです。ノースウェスタン大学 心理学部 教授のアリス・H・イーグリー氏とウェルズリー・カレッジ 心理学部 客員准教授のリンダ・L・カーリ氏が執筆しています。

以前こちらのブログで、日本には女性管理職が少ない。比して、アメリカでは40%以上を占めていることを紹介しました。しかし、そのアメリカでも、執行役員クラスになるととたんに数が減るといいます。この論文では女性がトップにはなれないのは「ガラスの天井(グラス・シーリング)」が原因ではなく「キャリアの迷宮」が問題だといっています。

「ガラスの天井」というのはグラス・シーリング、ガラスでできている透明な天井という意味です。ウォール・ストリート・ジャーナルがおよそ20年前に紹介した言葉です。女性にはある時期から目に見えないグラス・シーリングがあって、ある程度社会的地位が上がると、それ以上はあがれないというのです。しかし、この論文ではそうではなくて、「女性のキャリアが上に行けなくなるのは途中のプロセスに問題があるのだ」と主張しています。キャリアの迷宮とは偏見の名残や女性リーダーへの反発などがあります。詳しく解説しています。

ところで、高い地位に登っていく女性の中には、過酷な30代前半を過ごしている人が多くいます。今月号『「組織の怠惰」が女性活用を阻んでいる』の石倉洋子さんはもともともマッキンゼーで働いていた方です。それは大変な生活をされていたと思います。P&Gも同じです。
また、20代のときに、失敗をどれくらい経験したか。これが自身のスキルをポータブルにする側面もあります。ポータブルなスキルは育児休暇の後、職場に戻ったとしても、陳腐化しないといいます。しばらく離れていた職場は変化していますが、すぐにキャッチアップできる、戻れるのです。

「なぜ女性リーダーが少ないのか」に話を戻しますが、こちらの論文では女性リーダーの比率を高めるにはどのような施策が有効か。現状を分析したうえで、12の対策を提案しています。意識の問題から具体的な改革点まで、さまざまなアイデアが書かれています。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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