2008/05/17

もう一つのテーマ

今号、2008年6月号『逆転の人材開発論』は、女性の活用のほか、もう一つテーマがあります。それは中高年の活用です。定年延長について取り組んでいる企業はありますが、すみずみまでに浸透している状態だとはいえません。「当社は実施しています」という企業の中には、社員をふるいにかけて、一部にしか定年延長を適用していないケースもあります。

年齢が高くなると所得が高くなり、生活水準を下げることが難しくなります。私が思うに、中高年は責任を重くするのではなく専門性を発揮できる仕事で活用したらよいのではないでしょうか。中高年の場合、気候が厳しく、体力的に負担がかかるような地域で働くことは無理かもしれません。が、グローバル化などの仕事に携わったら、交渉の場面で面白いことができるのではないでしょうか。できる人はたくさんいます。もっと使ったほうがいいでしょう、近所を散歩させている場合ではありません。もちろん、中高年の活用に取り組むのならば、人事制度を実情に合わせて変えなければいけません。

今回の特集で、女性と中高年の活用について触れたのは、社会の流れとして少子化の傾向が背景にあるからです。時折、人口が減ることにはメリットがある。人口が減ってもかまわない、という意見を語る人もいます。でも、私は人口が減るリスクは決して小さなものではないと思っています。人口が減れば、市場がなくなる、少なくとも日本の国内市場が小さくなるのです。日本は、輸出でまかなっているのはGDPの10パーセントしかありません。国内市場が小さくなるのは、国の経済力が下がるということです。お金が循環しない、つまり消費が途絶えることです。人口が減るのは衰退への道を意味します。

商品や良質なサービスは小さい経済圏は素通りして行ってしまいます。日本でしか作れない、日本にしかないもので、どこの国でも欲しがっている物があれば別です。例えば、石油を持っていればよいのですが、日本にはありません。やはり、私は人口が減るのはよろしくないと思います。深刻なことです。社会システムを維持することだけではなく、市場としての魅力が下がっていくのです。そういう意味で、少子化は由々しき問題であるのです。(岩崎 卓也)
---------------------*
▽一冊からお求めになれます。2008年6月号(5月10日発売)
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059690608
posted by ダイヤモンド社 at 02:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。