次号の2008年7月号、「組織で女性の力を生かす ジェンダーフリーの論点」では、7名の女性の提言を掲載します。その中の一つがベネッセコーポレーション取締役副会長 内永ゆか子氏の「女性が組織のリーダーとなるための条件」です。その中で内永さんは女性はマジョリティである男性達が築いてきた組織のパワー・ポリティクスを理解したほうが良いとおっしゃっています。みずからもポリティカルに、そのカルチャーに上手に乗ることで、仕事が円滑にまわり、より大きな仕事を任せてもらえることを認識しておこうともおっしゃっています。
これからはもっと実力社会になっていくでしょう。これまでのように役員になったら「上がり」といった人生は待っていないのです。昔は、あぐらをかいていても、学歴などの条件があれば、ベルトコンベアに乗るように役員まで行けた時代もありました。今は違います。やりたいことや望むことがあるのなら、その実現のためにポジションと権力が必要であるということを強く認識すべき点は男女ともに共通していることかもしれません。
一方、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 石倉洋子氏は『「組織の怠惰」が女性活用を阻んでいる』の中で、企業は女性の専門性を生かし、組織のビジネスのドライビングフォースとして女性をもっと活用していかなければならない、とおっしゃっています。私は石倉さんのおっしゃることも一つの選択肢としてあるのではないか、と思います。
男性の意思決定のプロセスは予定調和的です。Aさんの顔を見て、BさんのCさんの顔を見て、なるべくそれぞれの利害を壊さないように調整しつつ、上手くまとめるといった手法をとることがよくあります。この方法では新しい習慣やイノベーションは起こってこないでしょう。従来のものに疑問を抱くことが全くない組織は健全とはいえません。従来あるものをひっくり返す、一石を投じる役割は女性が向いているかもしれません。原稿では、「ドン・キホーテ」という言葉を使っています。インテリジェンスを備えたドン・キホーテです。
もちろん、女性が一石を投じる場合は、単に発言するだけではなく、責任を持つことが前提にあります。他方、意思決定の最後は腕力だから、ポジションが必要だという意見にもうなずけます。次号の「ジェンダーフリーの論点」のコーナーはそれぞれの意見があり、読み手にとって興味深い内容になったのではないかと思っています。(岩崎 卓也)
2008/05/07
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