2008/04/23

XBRLで何が変わるのか

2008年3月、『XBRLの衝撃―日欧米40数カ国550余機関が推し進める世界標準』(花堂靖仁/ダイヤモンド社:著)を刊行しました。XBRLというのは、extensible business reporting language:XMLベースの財務情報記述言語で、2007年6月号「2007年のパワー・コンセプト(中)」などでも紹介しました。

企業の財務諸表をご覧になりたいとき、どうしていますか。人によってはホームページのIR情報からPDF形式のものを入手しているでしょう。
現在、4000以上もの会社が上場していますが、財務分析をするにあたり、ソフトウエアによるデータ解析は頻繁に行われているわけではありません。技術的には可能ですが、手間を考慮したら作業として見合わないと考えられています。この手間の部分ですが、XBRLに全部が切り替われば、時間を短縮できるようになります。

XBRLにより、情報のハンドリングコストを激減させることが可能になります。情報の取引コストが下がるのです。以前から言われている話ですが、これに伴い新しい産業が出てくることが予想されます。現在、株式データを出版社や新聞社が提供しています。さらには、ストラテジストが分析し、レポートを配布しています。これが、XBRLの登場によって、グーグルやヤフーなどが財務分析を無料で提供する可能性も出てくるのです。

情報の価格が大幅に下がることにより、アナリストの優劣が出てくることも予想されます。アナリストは業界の歴史に詳しく、経験も豊富です。そうでないと、業界のキープレーヤーとなる企業の事業内容、今後の見通しについて、適正なレポートを書けないと言われてきました。情報の加工や分析が簡単になれば、企業のOBなど数字情報に詳しい人たちがアナリストよりも正確で企業にとって厳しいレポートを出してくるようになるかもしれません。レポートは今は有償ですが、無償になっていくでしょう。そうなったときに、企業のIRの手法も変わってくることが予想されます。

以上のことが予想されていますが、XBRLはまだ端緒についたばかりです。とはいえ、ワコールでは内部統制システムとXBRLを効果的に組み合わせて進めているといいます。
『XBRLの衝撃―日欧米40数カ国550余機関が推し進める世界標準』は企業の会計、経理、財務、IR担当者などが読む本ではありますが、一般的な知識をつけるという意味でお読みいただいても面白いと思います。XBRLは勉強したことがあるが、うろ覚えだという方、今さら人に聞けないとおっしゃる方にもおすすめします。(岩崎 卓也)

---------------------*
▽一冊からお求めになれます。2008年5月号(4月10日発売)
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059690508
▽バックナンバー 2007年6月号
http://www.dhbr.net/magazine/backnumber/200706.html
posted by ダイヤモンド社 at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。