先日、女性の執行役員はなぜ増えないのか、ということについて書かれた論文を目にしました。こちらは2007年度のマッキンゼー賞受賞論文です。増えない理由は、グラスシーリング(ガラスの天井、目に見えないバリアー)と言われている問題だけではないようです。日本の主だった会社50社の役員一覧を見ました。家電などのメーカーの場合、女性の名前が載っている企業は少ないといわざるを得ませんでした。もちろん、女性がトップになったメーカーもあります。が、役員欄に女性の名が載っている企業はサービス業などが多く、メーカーは少ない傾向があるようです。
ただし、私が経営者などのトップに話をうかがった限りでは、企業は女性を役員に出したいという希望はあるのです。男女雇用機会均等法にともない女性総合職がつくられました。しかし、その後、育成、キャリアパス、その他福利厚生などについて、未整備な点があり、結局、女性役員を出しても、次が続かないような土壌ができてしまったのです。大手メーカーの多くは女性の執行役員、マネジャーを増やそうと、教育に力を入れる動きも見られました。でも、昭和のツケとでもいうべきでしょうか。急にミドルの女性を鍛えて、将来シニアにしていこうとしても、すぐには無理な部分もあります。
例えば、社内の人脈や人を動かす力はすぐに着くわけではありません。さらには、結婚した女性が働く上には子育ての問題が出てきます。子育て、ベビーシッターの問題などはお金で解決できるものもあります。お金があれば、ベビーシッターの手厚いサービスが受けられる。子育てに関する行政が充実しているエリアに住めるのです。そうすれば、残業や休日出勤をして、能力をいかんなく発揮しつつ、子育てでもできるでしょう。ただし、これは相当な金額が必要で、誰でもがまかないきれるわけではありません。
職種によって、女性が活躍できるものと、過去の負の遺産を抱え女性を台頭させられない産業に分かれていると感じました。産業はモザイクで一色でみると難しい問題があります。女性執行役員の問題は、職種による差異という意味合いも含んでいるのだ、とも思いました。
さらにいえば、経済的な余裕により、解決できる問題が増えるのは確かですが、しかしながら、女性執行役員が少ない現状に対して、社会的背景を考えると、単純にお金だけで解決できる問題だけではないものもあるのだなと気づかされます。そんなに、物事は単純ではないのだとも思いました。(岩崎 卓也)
2008/03/05
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michanさんご指摘の通りの部分も確かにあると思いながらコメントを拝読しました。
女性が働く上で、お金があれば解決することは多くあると思います。
その一方で、お金以外の部分、つまり企業のサポートや家族の理解など、
さまざまなことが絡み、例えば子どもが風邪をひきやすいかどうかでさえ、育児と仕事の両立に影響することもあります。
こちらのブログで時折指摘している通り、複雑で多様化している事情に対応して、杓子定規ではない制度を作っていくことが重要なのでしょうね。