2008/03/05

メーカーは女性執行役員を増やしたい

先日、女性の執行役員はなぜ増えないのか、ということについて書かれた論文を目にしました。こちらは2007年度のマッキンゼー賞受賞論文です。増えない理由は、グラスシーリング(ガラスの天井、目に見えないバリアー)と言われている問題だけではないようです。日本の主だった会社50社の役員一覧を見ました。家電などのメーカーの場合、女性の名前が載っている企業は少ないといわざるを得ませんでした。もちろん、女性がトップになったメーカーもあります。が、役員欄に女性の名が載っている企業はサービス業などが多く、メーカーは少ない傾向があるようです。

ただし、私が経営者などのトップに話をうかがった限りでは、企業は女性を役員に出したいという希望はあるのです。男女雇用機会均等法にともない女性総合職がつくられました。しかし、その後、育成、キャリアパス、その他福利厚生などについて、未整備な点があり、結局、女性役員を出しても、次が続かないような土壌ができてしまったのです。大手メーカーの多くは女性の執行役員、マネジャーを増やそうと、教育に力を入れる動きも見られました。でも、昭和のツケとでもいうべきでしょうか。急にミドルの女性を鍛えて、将来シニアにしていこうとしても、すぐには無理な部分もあります。

例えば、社内の人脈や人を動かす力はすぐに着くわけではありません。さらには、結婚した女性が働く上には子育ての問題が出てきます。子育て、ベビーシッターの問題などはお金で解決できるものもあります。お金があれば、ベビーシッターの手厚いサービスが受けられる。子育てに関する行政が充実しているエリアに住めるのです。そうすれば、残業や休日出勤をして、能力をいかんなく発揮しつつ、子育てでもできるでしょう。ただし、これは相当な金額が必要で、誰でもがまかないきれるわけではありません。

職種によって、女性が活躍できるものと、過去の負の遺産を抱え女性を台頭させられない産業に分かれていると感じました。産業はモザイクで一色でみると難しい問題があります。女性執行役員の問題は、職種による差異という意味合いも含んでいるのだ、とも思いました。
さらにいえば、経済的な余裕により、解決できる問題が増えるのは確かですが、しかしながら、女性執行役員が少ない現状に対して、社会的背景を考えると、単純にお金だけで解決できる問題だけではないものもあるのだなと気づかされます。そんなに、物事は単純ではないのだとも思いました。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 00:56| Comment(3) | TrackBack(0) | 記事
この記事へのコメント
本人にたとえ能力や資質があってもすぐに実力を発揮して短期間のうちに成果につなげていくことは男女関係なく難しいと感じます。まして出産や育児をともなう女性が 育児休暇などをとり職場復帰しながら 男性並みに成果を残していくことは非常に難しいと実感します。休暇中にも時間が過ぎ 当然社内での人事や方針も刻々と変化していく中で女性が育児をしながら職場復帰してもすぐに戦力としてやっていけるのか また 幼い子供がいる または 家庭の事情などで長時間働いていけるのか など さまざまな課題があります。育児は お金だけで解決することは不可能で 企業の育児サポートなしには まず無理でしょう。  企業も他社との競争のなかで 即戦力を求めますが 女性の役員を増やすためには もっと女性の性を認め 女性が男性としてではなく 女性として能力を発揮し 結婚し 主婦としても また 出産して 母としても 仕事を続け 女性役員になれることが大切ではないかと思います。現状では難問がたくさんありますが 今までのように女性が男性のように働き人生を仕事だけにかけるのではなく もっと選択できる社会そして企業がでてきてほしいです。
Posted by michan at 2008年03月07日 08:49
また付け加えたいのですが 今までは企業 また社会の風潮のなかで ”男性”のようにバリバリ働けるということが ”公平”であるといった意識があったため 結果として ”男性”並みに働けない もしくは 働けなくなったいわば ”弱者”となった ”主婦””母””障害者””病気などを患い以前のように働けなくなった者”などが当然のように会社を辞めざるをえないような状態があったのではないかと思います。私達は 皆一人ではなく家族がいるわけで 結婚し家族を得ることは 当然人生の選択で 現状でいくと世の中は半分が女性であるならば そのうち結婚 また 出産の選択をした女性のうち ”元の職場復帰”をし以前のようにバリバリ働き 出世している女性は少数派で これを増やすには社会 そして企業の意識改革が必然です。世の独身男女の仲には ”私達独身女性・男性”がこんなに一生懸命働いているのに 結婚した または 子供がいるからといって 企業のサポートを受けたり休んだり優遇されるのは”おかしい”という方もいるかもしれませんが その方々も 自分の”将来の選択”を考え 前向きにサポートしてみるべきではないでしょうか。
Posted by michan at 2008年03月07日 09:16
コメントありがとうございます。
michanさんご指摘の通りの部分も確かにあると思いながらコメントを拝読しました。
女性が働く上で、お金があれば解決することは多くあると思います。
その一方で、お金以外の部分、つまり企業のサポートや家族の理解など、
さまざまなことが絡み、例えば子どもが風邪をひきやすいかどうかでさえ、育児と仕事の両立に影響することもあります。
こちらのブログで時折指摘している通り、複雑で多様化している事情に対応して、杓子定規ではない制度を作っていくことが重要なのでしょうね。
Posted by ダイヤモンド at 2008年03月18日 15:27
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