2008/02/16

一流人材にはつくり方がある

今号、2008年3月号に「一流人材のつくり方」という論文があります。冒頭に出てくる事例は興味深いものがあります。一昔前まで、女性は空間的思考が苦手だと言われていました。ハンガリーのある教育者夫婦がこの定説はおかしいと思い、自分の娘3人に施しした実験の話が紹介されています。

その夫婦は娘がまだ幼いうちから、空間的な思考が必要なチェスを徹底的に教え込んだのです。その結果、娘は3人とも女性チェス・プレーヤー世界ランキングで10位以内に入ったといいます。この論文は誤った定説に対する問題提起から入り、IQとその人の専門能力について相関性はないことを明らかにしていきます。専門能力は努力のほどとトレーニングの仕方によって変わるのです。やり方を間違わなければ一流の域に到達することが可能なのではないでしょうか。

それには大切なことが大きく3つあるといいます。一番目は師匠が優秀であることです。結局、良い指導者に恵まれないと良い結果は出ないのですね。第二は、本人が考えながらトレーニングをしないと身に着かないということです。のんべんだらりとやっていては、成長しないといいます。これはイチローが学生時代に、一打席ずつ考えながらバッティングセンターでボールを打っていた、ということと共通する部分があるように思えます。

三番目が反復練習。これをしないことには、いつまでたっても伸びていきません。したがって、一年、二年では専門能力は育成できないものだということがいえます。時間がかかることは明らかです。しかも、先の3つの条件は必要条件です。十分条件は運、心技体の体、コンディションなどに恵まれることがあげられます。

以上のことはリーダーシップ、ビジネスの能力にも同じことがいえるとこの論文に書かれています。その通りだな、と私は思います。翻すと、オールラウンドプレーヤーにはそう簡単になれるものではないのです。一芸に秀でるだけでも大変なのですから。でも、時間と労力はかかりますが、一流人材をつくる方法はあるということです。とくに、3つの条件のうち、一番大切なのは良い師匠につくことなのでしょう。そういう意味でも、前回紹介した「メンタリングの原点」などを読み、人材育成について考えることが大切になってくるのです。(岩崎 卓也)

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▽「DHBR」2008年3月号は一冊からお求めになれます。
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=059690308
posted by ダイヤモンド社 at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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