2008/02/09

師匠について(その2)

今号の「DHBR」2008年3月号は「リーダーシップ強化法」を特集します。先月号の特集「リーダーシップ 経営力の本質」は、リーダーシップの中でも心得を中心に組みました。今号はリーダーシップのハウトゥに寄った内容になっています。
「メンタリングの原点」は金融業界、コンサルティング会社など、人材の質がカギを握る企業を対象とした論文です。退職率が高止まりしつつある現状を踏まえ、メンタリングの問題点、メンタリングに不可欠な基本とは何かについて述べられています。

以前、こちらのブログで私は社外にメンターを作ると良いのではないか、と書きました。メンタリングやコーチングが会社の中で制度化されていることは悪いことではないと思います。ではどこに問題があるのか。この論文では、評定の中に部下と対話することをプラス評価として入れることについて触れています。勤務評定に組み込み定量的な評価を下すようになると、やがてメンター制度は形式的なものになってしまうと指摘しています。

若手社員に仕事を教えながら、達成感や能力開発をされているという実感を与えるためにメンター制度が必要だと言われています。しかし、形式的だとかえって逆効果だという本論の主張はうなずけます。メンタリングにはアプレンティスシップ(apprenticeship)が必要なのです。この言葉は直訳すると徒弟制度になります。が、意味合いとしては年少者を重んじないネガティブなものではなく、従来から日本にある師弟関係を指しています。望ましいメンタリングの形は一対一の血の通ったものであるべきだというのがこの論文に書かれています。確かに、その通りだと私は感じました。

メンタリングを導入すると、メンタイーの成長だけでなく、メンターにもメリットがあるといわれています。その一つがインタイーが優秀だと触発されて、メンターが伸びるケースがあるといわれています。また、メンターになる人にはコミュニケーションのトレーニングを施すので、意志を伝え合う技術も伸びるでしょう。このような効果も含めて考えるとメンター制を実施するのはいいことだと思います。が、メンターを選ぶ際に機械的に入社年での先輩、後輩といった基準で関係を作るのはどうかと思うときがあります。本論文を読み、機械的なメンター制度の弊害を改めて感じました。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 01:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 記事
この記事へのコメント
記事:知識労働者のモチベーション心理学について
私は大手SIer企業(グループ全体で約25,000名)の経営企画部で企業変革活動の事務局として日々活動しています。この活動は全社施策ですが、ちょっとした特徴があります。

1.社員に強制しない
2.社員の内発的動機付けに期待する
3.ボトムアップ、社員が主役で変革する
4.だが必ずしも行動した社員は評価される保証はない

というものです。
今月号のこの記事を読んで、インナー・ワーク・ライフや内発的動機付けは、当社の企業変革活動そのものであると思いました。本活動はH16年から開始し3年がたち、徐々に企業内風土が変化の兆しを見せ始めました。

今月号のDHBRの記事がまさしく我々の活動と重複していると感じられました。
この活動は、「はたして内発的動機付けで企業は活性化するのか」という壮大な実験でるとともに、絶対に成功させなくてならいミッションです。そして、これまで一抹の不安がありましたが、今月号の記事を読んで、我々の取り組みの正しさに自信を持つ事が出来ました。
深く、感謝します。
Posted by 匿名で失礼します at 2008年02月16日 10:02
匿名で失礼します さん

コメントありがとうございます。
このようなご感想をいただき嬉しく思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by ダイヤモンド(スタッフ) at 2008年03月01日 11:34
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