先日、関東財務局はテラメントという会社に対して、大量保有報告書について訂正報告書の提出を命ずる行政処分を行いました。
ことの発端はテラメント株式会社が提出した大量保有報告書にあります。この会社はトヨタ自動車やNTTなどの企業の株券等を取得、保有割合が51%になったと報告しました。もちろん、大手企業の株式を大量に取得した事実はありません。
現在、有価証券報告書、有価証券届出書等の開示書類はその提出から公衆縦覧等に至るまでの一連の手続が電子化されています。“EDINET(エディネット)”というシステムが構築されており、こちらを利用できるようになっています。
私は今回の報道で危惧される点がいくつかあると思います。EDINETはIDとパスワード取得さえすれば、誰でも提出が可能になっているのですが、この点について「信頼できない情報でも瞬時にネット上に流れ出てしまう同システムの盲点が浮き彫りになった」、といった報道を目にしました。確かにそのような部分もあるでしょう。でも、EDINET等、財務諸表の電子化には大きなメリットもあるのですが、私が読んだ記事では触れられていませんでした。
財務諸表などのビジネスレポートを電子化するための言語にXBRLというものがあります。財務諸表等作成の効率化が図れるのが特徴のひとつです。また、比較、分析などができるので、XBRL導入により世界中の投資家が日本の株をより買いやすくなるわけです。今、世界ではXBRLを使ったファイナンシャルレポーティングの分野のグローバルスタンダードが模索されています。
そもそも、日本はグローバルスタンダードを制定していく上でとかく乗り遅れがちな国だといえます。国際標準規格についてイニシアチブを取れないでいる国だといっていいでしょう。国際会計基準の統一についてもそうです。ところが、このXBRLは日、米、欧主導のもとに進められています。すでに、日本では国税庁のe-Taxで導入済みですから、今後も少しずつ広がっていくでしょう。XBRLが進むことを前提に各国で議論されているにもかかわらず、ネガティブな面ばかりが前面に出るような報道は結果的に日本にとってマイナスになるような気がします。
XBRLが後退してしまうとなると、日、米、欧の主導から日本が抜けてしまう可能性も出てくるわけですね。私はSEC(アメリカ合衆国証券取引委員会)やEUにイニシアチブを取られることを危惧するわけです。そうなったら、これは明らかに国益に反することだと私は思います。(岩崎 卓也)
2008/01/30
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