前回、こちらのブログで成果主義はX理論、Y理論と同様に有効な職種とそうでないものがあると書きました。X理論が向いているのはお客様の接点となる職種です。営業職が典型的な例です。
Y理論は自由な発想で新しいアイデアを出し合い、作り上げていく職種に向いています。何でもかんでも好きなことが言える職場で、そしてその中でコンフリクトが起こるかもしれないが、組織にとって新しいバリューを生み出すことが大切な仕事の場合はY理論が良いと思います。
成果主義も同じだと思います。営業に成果主義がなかったら、おかしいわけです。他方、間接部門はどうなのでしょう。まずは成果をはかることから難しいものがあります。フィギュアスケートの芸術点と同じように採点すれば良いという考えもありますが、実現は困難です。つまるところ、成果主義やY理論が悪いのではなくて、その一律の人事制度を当てはめようとする点に問題があるのかもしれませんね。
もちろん、一律といっても完全に一つの基準で評価している企業はほとんどないでしょう。私が申し上げたいことは、人事制度にセグメンテーションの導入をすることの必要性です。多くの企業ではお客様をセグメンテーションし、それぞれ対応を変えているわけです。そうであるならば、社員をセグメンテーションし、それに応じて動機付けの方法と制度を変えるべきではないでしょうか。
従業員が1万人いるグローバル企業なら、国によって報酬が異なる、といったことはすでに行っていることでしょう。ここでいうセグメンテーションというのは地域だけではなく、職種に応じて、なおかつ職位、年齢など、もうちょっと細かく見るべきなのだ、ということです。違う言い方をするなら、効率化のために一律化を図ってきた制度に対して、よりきめ細かいものにしたら良いのではないでしょうか。
先にお伝えしたとおり、次号の特集はリーダーシップです。掲載した論稿については、こちらのブログで紹介していく予定です。「Y理論は万能ではない」もその中の一つの論文ですが、この論文を読んで感じたことは、問題の一つは「一律化」にあるのではないかということです。価値観が一元的ですと多くの問題を生じます。次号の「FROM the EDITORS」にも書きましたが、現実はプルラリズム、多元主義なのです。それはダイバーシティということではなく、さまざまなものに同じ価値があるという意味でのプルラリズムを指します。次号に掲載するそれぞれの論文を通して、一元的にとらえることの問題の深さや多元主義である現実を改めて考えました。そして、今回の特集を通して最も強く感じたことは、私達はプルラリストになるべきである、ということなのです。(岩崎 卓也)
2008/01/05
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