2007/12/22

WAVE〜CSRがたどった三つの波

日本で社会と企業の関係が問われ始めたのは、古くは高度成長期、1960年代後半から1970年代の半ば頃でしょうか。この頃はコンシュマリズム、公害などがキーワードとして使われ、CSRという言葉はありませんでした。当時、新聞3誌は企業の社会性のなさについて批判を行いました。これが日本でのCSRの第一の波でした。

第二の波は1990年前後になります。今号の「FROM the EDITORS」にも書きましたが、1989年、エクソンのバルディーズ号がアラスカ沖で座礁する事故が発生しました。流出した重油をエクソンは放置したのです。この事故からバルディーズ原則という環境に対する企業倫理の原則が生まれました。そこには生物圏の保護や天然資源の維持可能な利用、廃棄物処理と減量などが入りました。

ソーシャルスクリーニングという言葉が出てきたのもこの頃です。社会に対して害をなす企業の株は売ることを明確化したものです。これを最初に行ったのはハーバード大学です。この頃、CSR投資という概念ができあがり、資本市場を介して企業を評価する流れがありました。

1989年頃、日本はバブル経済の中にいました。衣食足りて礼節を知るという言葉があります。1990年11月、日本経団連は1%(ワンパーセント)クラブを設立しました。このクラブは社会貢献活動のため、拠出することに努める企業や個人を支援することを目的として設立されたものです。拠出する金額が法人の場合ですと経常利益の1%以上、個人では可処分所得の1%以上を目安にしているところから1%という名前がついたのです。

このような流れがあり、現在では第三波とでもいいましょうか、CSRブームになっています。前の記事でも紹介しましたが、今号の「社会とともに」で紹介した経営者の言葉からは、日本にある布施の心が感じられます。経済合理性の追求のみに走るわけでもなく、日本企業が行うCSRは「布施の心」がポイントのひとつとしてあるような気がします。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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