2006年、ムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞したことにより社会企業家の存在が注目を集めるようになりました。今号の特集では「社会企業家の育て方」という記事を掲載しました。こちらはアショカという社会企業家を支援する組織のCEO ウィリアム・ドレイトン氏のインタビュー記事です。
アショカはユヌス氏を含め、世界中で数多くの社会企業家を支援してきました。創業以来60カ国以上で活動し、支援した社会企業家は1500人以上にものぼります。アショカはアショカ・フェローと呼ばれる社会企業家を選び、そこに支援を行います。アショカ・フェローに選ばれると、アショカの世界的なネットワークを生かした物質面の支援かを得られます。さらには、確固たる信用となりますから、有望な投資対象として見られるというメリットも生まれるのです。
こちらの記事ではドレイトン氏がアショカを作ろうと思ったきっかけやアショカ・フェロー選考の過程などについて、ドレイトン氏の貴重な言葉を掲載しました。
〈倫理観は社会がばらばらにならないようにつなぎとめるものです。それがない社会企業家は成功しません〉
数多くの人に接して、支援をしてきたドレイトン氏ならではの発言が盛り込まれています。
アショカ・フェローとなる人はどのような人でしょうか。先に触れたユヌス氏のほか、日本人では、アメリカに住む中南米などの出稼ぎ移民の本国への送金サービスを革新した〓迫(とちさこ)篤昌氏が選ばれています。また、カナダ人のメアリー・ゴートン氏はいじめ問題に取組んだ一人です。いじめの原因の一つは共感できないことにあると思った彼女は問題がある学校に赤ちゃんと母親を連れて行きます。生徒にその赤ちゃんが何を話しているのか、何を感じているのかを記入するように言のです。赤ちゃんは大人が話すような言葉を発しません。当然、始めたばかりの頃、生徒は赤ちゃんが何を言おうとしているのか理解できないのです。しかし、何回かくりかえすうちに、だんだんわかるようになるといいます。そうすることで、生徒は自分以外の人が何を感じているのかわかるようになり、結果として共感能力が養われていくといいます。
この記事で紹介した社会企業家のやり方は一つの社会貢献として素晴らしいと思います。ドレイトン氏の行いも一つのやり方として同様に素晴らしいと思います。ただ、私は日本人もこのようになりなさい、という意図でここに載せたわけではありません。曽野 綾子さんが言っていましたが、社会に対して何かをするには余裕がなければやってはいけないと。私はその通りだと思います。日本は横並び社会です。みんなが行くときに行かないと、「なぜ?」と訊ねられます。
「チョボラ」という言葉があります。ちょっとしたボランティア。私はこれで良いと思います。人それぞれ異なるもの、同じでなくて良いのです。自分ができることをしていくことが良いのではないでしょうか。(岩崎 卓也)
2007/12/19
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