次号の特集は「公器の経営」です。「CSR」などに関する論文を掲載します。今回の特集を読まれたなら、特集のタイトルに疑問を持つ方もいるでしょう。論文のタイトルにあわせて、「CSR」「社会貢献」「共生」といった言葉を使えば良いのに……、と思う方もいらっしゃるかもしれません。それでも、次号の特集タイトルには「CSR」といった言葉をあえて使いませんでした。実は、これには理由があります。
私たちは日頃、「環境に優しい」という言葉を耳にすることがよくあります。ただ、私は企業が環境に優しいのは当たり前のことだと思うのです。ドラッカーは『マネジメント』という本の中で、<企業は経済機関ではなく社会機関である。>と語っています。そもそも、CSRという言葉を使わなくても、企業とは社会の便益をもたらすために作られた機関なのです。
DHBRではこれまでも特集の企画としてCSRが何回か候補にのぼったことがあります。それでも、行わずに来ました。今回、あえてCSRを特集することにしたのは、経営の世界の中でグルといわれているマイケル・ポーター、クリステンセン、プラハラッドなどのCSR等に関する論文が出たからです。特集では『CSRの戦略的価値』(マイケル E. ポーター)、『破壊的イノベーションによる社会変革』(クレイトン M. クリステンセン)、『協創力という新たな社会契約』(C. K. プラハラッド)などを掲載しております。『CSRの戦略的価値』は2006年マッキンゼー賞受賞論文です。詳細の内容は次回以降、こちらのブログで紹介する予定でいます。これらの質の高い論文をぜひ読者の皆様に読んでいただきたい。そのような思いから特集を組みました。
CSRの特集を組むにあたり、DHBRでは「私たちは社会的に意義があることを行っている」などと言いながら、自分達の行為に酔いたくなかったのです。企業は公器です。そこにCSRという言葉をあえて使わなかった理由があります。
特集の大タイトルには「社会貢献」「CSR」といった言葉を一切使わないという縛りの中で、今回の特集がしかるべき利潤と社会貢献のバランスが取れた特集になったかどうか。それは読者の皆さんが決めることだと私は思っております。(岩崎 卓也)
※「DHBR 2008年1月号」の発売は12月10日(月)です。
2007/12/01
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