ワーキング・マザーが仕事と家庭を両立させることはたやすくありません。実際に両立している女性達はどのような方法を採っているのでしょうか。今月号の「フリート・バンク〜ワーク・ライフ・バランス」はアメリカのフリート・バンク(現バンク・オブ・アメリカ)の元バイス・プレジデント2名が執筆した論稿です。彼女らは子供を育てながら働いています。かつては、多くのマネジャーがそうであるように、彼女らも私生活を犠牲にしていました。そんな中、子育て上のハプニングに直面するたびに、自身の働き方に疑問を持ち、変えていかなければならない感じていたことでしょう。結果、ふたりが取り入れたのは1つのポストを2人でシェアするワーク・シェアリングというスタイルです。この論稿では彼女たちが自身の経験を紹介しています。
企業において、女性が家庭を両立させるための制度は少しずつ充実してきています。私はこの論稿を読んで、ワーク・シェアリングという選択肢もひとつとしてあるのではないかと思いました。
執筆者のふたりは管理職であるバイス・プレジデントというポストにつき、ひとつの仕事をするのです。一人が働いている日は、もうひとりの人は休日になります。午前と午後、曜日などで分けることもあります。朝、子供が熱を出して会社を休まなければならなくなったときは、もうひとりに電話をして出勤してもらうこともできます。どちらがメインでということではなく、完全に二人三脚なのです。仕事の引き継ぎはボイスメールなどを使っているようです。給料は一人分で、これをふたりで分けます。会社はふたりがどのように働くかは一切干渉しません。
このスタイルをとる前、ふたりは同じような仕事を経験していました。ワーク・シェアリングが可能かどうかは、ふたりの経験や考え方が左右するのも事実です。また、ふたりの仕事は銀行のなかの定型化されたものだから実現できたということもあるでしょう。意思決定がひんぱんに必要な仕事ですと実現は厳しいかもしれません。
ワーク・シェアリングはすべてのワーキング・マザーに適用できるものではないかもしれません。職種など、実現にあたり制限が出てくるとは思います。さらには、日本で実施するとなると、法的なもの、その他いろいろな障壁が出てくるのでしょう。それでも、私は日本企業はこのようなシステムを選択肢のひとつとして取り入れたらよいのではないかと思っています。
働き方について、日本は自由度がないように思う時があります。しかしながら、一人ひとり家庭の事情や仕事に対する考え、人生観は異なっています。多様化された価値観に対応できる制度を作ることが大切なのは皆さんもご承知のことでしょう。より多くの選択肢を用意することが本当は必要なのだと思います。(岩崎 卓也)
2007/10/20
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