一度取材してみたい会社があります。それはブラジルにあるセムコという会社です。『セムラーイズム』(リカルド セムラー著/新潮社)という本が出されており、セムコについての詳細はこちらに書かれています。この会社はひと言でいうと、自由奔放なのです。産業機器メーカーですが、日本のメーカーのような工場での服装規定はありません。新興国企業では製品が盗難にあうことがよくあります。しかし、セムコは倉庫にカギをかけることはしません。出張費も自由に使えますし、給料もみんなで決める。
しかも、報酬は11種類もの選択肢があって、その中から自由に組み合わせを選べるようになっているのです。もちろん、固定給とボーナスという形でも良いですし、加えて自社株またはストックオプション、純利益に応じた報奨金といった形で報酬をもらうこともできます。報酬体系が柔軟なため、社員は新しい発想を生み出しやすく、リスクを恐れなくなります。最終的に、一人ひとりが自分の利益だけでなく、会社の利益を最大化することが最善であることに気づくようになるのです。ただし、単に自由なのではありません。財務管理に関しては厳格です。数字に対して非常にうるさいのです。利益が出なければ、ボーナスはもらえません。
多くの制度は悪い人がいることを前提に、作られています。盗みを働く人、仕事をサボる人、そういった行為を抑制するために設けられた規定がたくさんあります。しかし、よくよく考えると、悪さをする人間は全体の中の数パーセントにしかいないのです。セムコはこの数人のために残りの人たちを侮辱したくないと考えます。私はなんとも素晴らしい考え方だと思いました。セムコは悪さをするマイノリティーのためではなく、残りの人を活かすための制度しか作らないのです。
セムコが日本で紹介されたのは90年代半ばのことです。当時、私はこのような経営が成り立つのか、疑問に思ったことも事実です。それから10年以上もの歳月が流れました。先日、私はセムコの業績を調べてみたのです。そうしたら、成長しているのですね。
今月号の特集では企業事例を取り上げています。その中の一つとしてセムコを紹介させていただきました。組織体系など、詳細はこの論稿にあります。
よろしければ、ご一読ください。(岩崎 卓也)
2007/10/17
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奇跡の経営を読むと
あたかも財務管理もいいかげんのように見えてしまいますがそうではないということで安心しました。
ただ上場は考えていないという中でのストックオプションというのはどうなのか ということと、日本の場合、労働基準法の問題でいろいろ難しいところもあるのかもしれませんね。
とはいえ樹研工業のスタイルに似たものを感じます。