10月4日、大前研一さんの新刊を弊社より発刊させていただきます。タイトルは『大前研一 戦略論』です。内容は大前さんの論文集になります。実は、「ハーバードビジネスレビュー」アメリカ本誌に寄稿した日本人の中で、もっとも寄稿回数が多いのは大前さんなのです。日本人の場合、1回のみの掲載がほとんどというのに、なんと全部で7本も書いています。もちろん、英語で書かれているのですが、そのうち日本語に翻訳されていないものが4本もありました。今回、新たに日本語訳をつけたものが本書で読めます。
この本は大前さんの80年代の文筆活動をまとめたものともいえます。80年代当時、大前さんはマッキンゼーのディレクターをしており、今とは書く目的も違うこともあり作風が多少異なる部分もあります。20〜30歳代の方にとっては、今まで知らなかった大前さんの世界を垣間見ることになるかもしれませんね。また、40歳を超えた世代の方ならば、この頃の大前さんの活躍が記憶に残っている方も多いことでしょう。とはいえ、当時書かれたものは非常に多くあるので、全部お読みになっていない方もいるでしょう。また、もうかなり時間も経っているので内容を忘れている人もいらっしゃることでしょう。本書は論文のサマライズなので、読むことで内容を思い出し、学び直すといった点でお役に立つのではないかと自負しております。
1番おすすめしたい論文は「競争は戦略の目的ではない」(Getting Back to Strategy)です。この論文で彼はアカデミズムの戦略論に対して一石を投じています。「競争に勝つことが戦略の目的ではないだろう」と彼は言うのです。
〈戦略は顧客第一主義に基づいて立案されなければならない。そして、ライバルを相手に成否を試すのだ。〉
このような言葉で、私達がついつい忘れがちになってしまうことを問題として指摘しているのです。
昔、TBSブリタニカという出版社がありました。そこには、「ビジネスマン諸君」というさまざまな業界の人が書いたコラムがありました。以前大前さんはウォールストリートジャーナルで連載をしていました。「ザ・ベスト・コラム」というところに掲載されていました。こういったコラムまでが本書には掲載されているのです。
「もう過去のものですよ」
ご本人は仰ってましたが、私は新鮮さを感じますね。「ふるきをたずねて新しきを知る」とはまさにこのことを言うのだと思います。
ときどき大前さんとはお話しする機会がありますが、とにかく彼は明晰です。脳みそのつくりが違うなぁ、と私はいつも感じています。本書は大前さんの戦略論の原点ともいえます。80年代の大前さんをよく知っている方も、そうでない方もよろしければご一読を。(岩崎 卓也)
2007/09/29
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのTrackBack URL
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。
※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。
