2007/08/14

リーダーは完璧になる必要はない

ピーター M.センゲという学者をご存知でしょうか。MIT スローン・スクール・オブ・マネジメントの上級講師で、「学習する組織」を提唱した人です。今月号の「完全なるリーダーはいらない」では執筆者の一人として寄稿し、〈リーダーを目指す人は完璧になる必要はないのだよ〉という心が温まるメッセージを発しています。
“Incomplete leader”という言葉を使い、完璧は現実的には不可能であると主張します。さらに、リーダーはまわりの人たちの協力を仰ぎながら、個人の技ではなく組織的にリーダーシップを構築することの大切さを示唆しています。

センゲが執筆陣に入っているだけあって、学習することによって組織能力を高めていくという発想が根底にあり、これが本論の特徴になっています。また、昔からMITの方たちは、組織はネットワークであり、情報というものがすべての関係を作っているという考え方をしています。
例えば、私が一緒に仕事をしている営業部門の人とのあいだには、「DHBR」担当者と編集者という関係があり、情報が交換されていきます。そこには先輩と後輩、そのほかいろいろな関係があるのです。そのなかで情報は変わって行きます。営業担当者のセクションが変わったときには、別の関係が生じ違う情報が行きかうことになるわけです。さらには、仕事の接点がなくなると関係がなくなることもあります。その関係というのは相手の役割によって情報が変わり、その時に態度も変わるという考え方をします。この論稿でも、情報と関係についてMITらしさを感じる部分があります。

本論がすすめているのは「完全なリーダーシップ」ではなく「分散型リーダーシップ」です。自分の足りないところを誰かに補ってもらう。と、同時に補ってもらう相手に自分の強みを発揮しましょうということが書かれています。相互依存型のリーダーシップスタイルというのが本当のリーダーの姿だということなのです。

ピーター M.センゲは「HBR」アメリカ本誌ではひんぱんに登場する学者ではありません。久しぶりにセンゲが出てきたということもあり、今月号のオススメとしてこの論稿を紹介させていただきました。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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