2007/07/25

すり合わせ型に適した業績評価

利益の分配および業績評価制度システムを徹底的に突き詰めると、GEのように計測の会社になるのでしょう。これはKPI (key performance indicator 重要業績評価指標)がしっかりしており、管理会計の仕組みがないとうまくいきません。GEはABC (activity-based costing 活動基準原価計算)をさまざまなところで導入しています。
そうすると、部門間でこの電気代についてどちらの部門が担うのか、という話が出てきます。例えば、水道ならば蛇口ごとに使う部署を決めて管理する、といったこともあります。ある意味、本末転倒な議論が起こるのですが、GEのすごいとこはそれを実行してしまうところにあります。

業績評価についてしっかりしていないといけないと申しましたが、敬虔な成果主義の主張はインテグラル・プロセス、すり合わせ型の製品を開発している会社には合わない、といったことが起きる可能性もあります。日本の自動車メーカーに成果主義を入れてもうまくいかないことはよくあります。
ある自動車メーカーは年俸制を導入して失敗しました。その会社はすり合わせ型のものづくりを進めていました。ワイガヤをやり、誰の手柄でもなくチームの手柄であることが優先されるような方法で製品開発をすすめていたのです。このような場合、成果給をやりすぎてしまうと、失敗する可能性が大きいのです。一人に成果を集中させないということ、分散化させるというのはそれぞれ難しいと思います。が、チームの成果をみんなで分配する、プロフィットシェアリングは意外と日本にはなじみやすい成果主義のやりだと思います。

GEのマネジメントはすばらしいことがわかると、みなこれを真似してやろう、思うわけです。ただし、どのような製品を作って、どういうふうに開発するのかによって、マネジメントスタイルは規定されます。それぞれ自社に合ったスタイルを採用することが大切です。東芝時代の西室泰三氏が経営者として優れているのは、ジャック・ウエルチと親交があったけれども、全てを真似しようとしなかった点です。GEは20何年もかけてシステムを作ったわけですから、真似をして導入するのも大変だ、ということがあったのかもしれません。ただ、ベストプラクティスは確かに学ぶことが多いのですが、うのみにしてはいけないのです。優秀な経営者はそのことを良くわきまえているのです。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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