ワーカーズコレクティブという考え方があります。この組織の特徴は働く人が出資をするところにあります。成果は出資した人みんなでわけ合います。サービス産業には向きませんが、第一次産業と製造業に合います。
もちろん、リーダーもいますし、それぞれ役割がありますので、分配の多い少ないはあります。しかし、役割論的な組織なので、仕事によって給料が高くなったり低くなったりすることは少ないのです。
「この仕事はバリューを生んでいないから給料はやすくする」
といった評価は発生しません。ワーカーズコレクティブの概念はビジネスというシステムにおいて、みんなで持ち寄ったお金で運営しようというものです。私はワーカーズコレクティブは日本に合っているかたちなのではないかと思います。
巨大組織にはできないという声もありますが私はそうだとは言い切れないと思っています。巨大組織は中小企業の集まりともいえます。そもそも、カンパニー制というのも中小企業のような小回りのきく組織を作ることが目的だったのではないでしょうか。給料制度というのは、急には変えられません。チームではわけあう概念が良いと思います。内部留保するかしないかも、ワーカーズコレクティブならば、みんなで決められます。例えば、来年新しいものを買わなければいけない、といったことが発生すれば、内部留保をして、みんなへの分け前は少なくということになります。要するに、互助の考え方なのですね。仕事にどうこうといわず、みんな同じ報酬。助け合うということが前提になっているのです。
組織に関する話題をもうひとつ。それは「村」ですね。村と呼ばれているコミュニティをもう1回見直しても良いのではないかと思うときがあります。村社会はよくないという批判があります。でも、最近の私は必ずしも村が悪いとは言い切れないような気がしています。なぜなら、村社会の方が長期志向になるからです。みんなで分け合うという気持ちになります。
村なら火事があったときなど、みんなでバケツリレーをして火を消すわけです。そういった意味でもリスクに対して、強いわけです。個人主義の名のもとできることはたくさんあります。例えば、取引コストが高くならないので、分業はコストダウンになります。これは個人化が進むのは致し方ないかなという気がします。
確かに、金融業ならば向いています。なぜなら、ハンドリングするものは情報ですから。金融機関はある意味情報会社です。ITが進んで、生産性が上がったのは金融です。この世界は分業し、成果主義を採用し、個人によって淘汰されていくという市場原理が向いていると思います。他方、資本主義でありながら社会主義である村は、周囲とのすり合せを好む方に向いています。日本人に適しているのは後者です。
今、村という概念を再度考え直すのも良いのではないでしょうか。(岩崎 卓也)
2007/07/04
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