2007/06/27

ローカリゼーションはグローバリゼーションの対比語

今月号に掲載した論稿に『「脱」標準化のマーケット戦略』というものがあります。この論稿を読んだとき、日本の社会にとってここで書かれていることは面白いものと位置づけられるのではないかと思いました。原題は「Localization」です。ローカリゼーションはグローバリゼーションとの対比語で、通常国単位の市場でどのような事業展開をするのか検討をするときに使われる言葉です。

この論稿ではローカリゼーションといっておりますが、これはもっと狭い意味で使われています。市町村などの自治体や特定エリアでの市場を対象にしています。日本語ではエリアマーケティングという言葉がより近いでしょう。ただし、今の日本でエリアマーケティングというと、地域に応じて宣伝文句を変える、価格を変える、東京と大阪で商品を変える、といったことくらいしか行っていません。この論稿では「より細かくやりなさい」といっているわけです。

小売りに関しては、日本でも細かく実践しているところがあります。戦術、戦略としてどのように製品やプライシング、製品ミックスを変えるのか。チャネルの組み替えとしてオンラインショップをどのように利用していくのか。セブンイレブンでは近所に運動会があると、おにぎりを多く追加注文します。また、品揃えが、港区と立川市とでは違います。

食品メーカーでも同様にローカリゼーションを実践しているところもあります。大阪と東京では味が違うといわれている「どんべえ」などがそうです。日清カップヌードルもそうでしょう。アメリカで売られているカップヌードルってまずいと感じるのは私だけでしょうか。麺が固くて、エビは一個か二個。しかもやせている。その上フォークでたべるので麺が短いのです。日本のカップヌードルのほうが美味しいと日本人である私は感じていますが、アメリカ人にはこの味、この麺の長さが適しているのでしょう。

このように地域によって商品の仕様を変えているメーカーもあります。しかし、多くはやっていない。なぜなら、コストが上がるからです。この論稿にもP&Gが登場します。プリトレー、コカ・コーラなどの食品メーカー、ほかアパレルなどの企業の事例が紹介されています。地域の特性を考えて巨大メーカーがローカライズするというのは必要なことなのです。日本の食品業界でいえば御当地ビールはその最たるものだといえます。上手くいったら地域限定版を全国区、ナショナルブランドにしよう、という話を耳にします。
一部の小売りや食品メーカーだけでなく、もっと多くのメーカーがローカリゼーションについて取組むべきではないでしょうか。ただし、ここで重要なのは「もしも……、うまくいったらいいなぁ」といった話ではなく、しっかりとやっていくことです。上辺だけマネをしてもうまくいかない。それはあえてここで言うもでもないことでしょう。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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