2007/03/10

フランス人哲学者 弁証法を語る

今月号の特集は「弁証法」ということもあり、哲学に関する難しいキーワードが出てきます。著者の一人からは、「現代思想」「ユリイカ」に近づいてきたのではないかと言われるほどでした。私としてはそこまで難しくはないと思っていますが、哲学用語は出てきます。

難解かもしれませんが、ぜひとも読んでいただきたいのが『「弁証法」の可能性』です。こちらはカトリーヌ・マラブー博士へのインタビュー記事です。彼女はヘーゲルを批判した哲学者がたくさんいる国、フランスの哲学者です。でありながら、彼女自身はヘーゲルに対して批判的なわけではありません。ヘーゲルの再発見をして、そこから弁証法の現代的な意義を訴えています。

インタビューの中で、日本人は弁証法的な国だとマラブー氏は言っています。なぜかというと、ヘーゲルが言うところの弁証法に基づくと、日本は矛盾をアクセプトしている国だということになります。矛盾というのは2項対立であるといえます。ところが、別の見方をすると2項対立でありながら、互いに反することが並存している。矛盾はいっぱいあるが、共生している国なのです。具体的に言えば、西欧的なものと東洋的なものを互いに拒否しあうのではなく、ちゃんと両方とも併存させているところがとてもユニークなわけです。これはとても珍しい国だと彼女は言います。

世界経済にはアングロ・サクソン型の経済モデルがあって、一方ではマルクス主義だった中国が資本主義化しているわけです。こういった新しい経済、新しい思想がいくつもある中で、日本は独自の道を選べば良いのではないですかといったことを哲学者なのに喝破しています。

マラブー氏は日本通でもあります。三島由紀夫を読んでおり、学生時代には貧乏旅行として日光などに行ったことがあるといいます。彼女には日本人の弟子が何名かいます。日本のことをについてとても詳しいのです。そういう意味では傍観者として、よく日本のことを見ている方だと私は感じました。

マラブー氏はインタビューの中で、可塑性について触れています。そこには彼女独自の思想があり、ビジネスの現場に役に立つアイデアがあります。可塑性については次回このブログで紹介いたします。(岩崎 卓也)

※DHBR 2007年4月号は本日発売です。
posted by ダイヤモンド社 at 04:59| Comment(0) | TrackBack(7) | 記事
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