昇進していく人向けの論文としては、3月号の「自問と自省のすすめ」がオススメできます。
「企業のトップは孤独だ」
CEOの方がこのように言うのを良く耳にします。私はCEOになったことがないので実感としてはわかりませんが、感覚的にそうであろうということは想像がつきます。出世すればするほど、自分に厳しいことを言ってくれる人、自分のことを戒めてくれる存在は減っていくものです。
本来、諫言はセルフマネジメントあるいはコーポレートガバナンスのどちらかに問題を投げかけるものに分かれます。この論文ではセルフマネジメントに関することに焦点を当てて論じています。
戦後の歴史を振り返ると、名経営者の影には必ず厳しいお目付け役がいたものです。作家・城山三郎さんは東急の五島昇氏を題材にして小説を書いていますが、私は東急のげんこつ付きの金屏風の話を聞いたことがあります。殿とあがめられている五島昇氏ですが、経営者としてよろしくないことがあると、取締役が五島氏にげんこつを振り上げるそうです。もちろんこれはたとえで実際にげんこつで殴るわけではありません。要するに、後ろにある金屏風からはげんこつが出てくるので、五島氏は常に自省しなければならない状況にあったというわけです。まさしく現在はげんこつ付きの金屏風が減ってきています。社外取締役といった制度もありますが、制度だけでは解決できない部分があることも確かなのです。
このことに対して、自分でどう対処するのかということが一方にあります。「自問と自省のすすめ」では、ビジョンと優先課題、タイムマネジメント、フィードバック、現状認識と調整など、7つの分野において自らを振り返ってみることを奨励しています。自問をするための具体的な質問が用意されていますが、答えを出すことが必ずしも重要ではないのです。この質問をきっかけとして、時間を取って正しい質問を自分に投げかけて内省することが大切なのです。
いずれにしても、定期的に自省することはリーダーにとって、有益であることは間違いないことです。今回の特集「リーダーシップを問い直す時」が読者にとって、自問と自省のきっかけとなれば幸いです。(岩崎 卓也)
2007/02/14
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