次号のDHBRは創刊30周年記念、第2弾ということで戦略論に絞ってアーカイブを掲載します。ポーターやミンツバーグはなんとなく知っているけれど、詳しいことはわからない。そのような方にとって、相当役に立つのではないかと自負しております。
ところで、ポーターの言葉を引用して
「日本企業に戦略はなかった」
とおっしゃる方を目にすることがよくあります。このひと言からも、「戦略(strategy)」を語る場合、competitive strategyとcorporate strategyの使い分けをきちんとしている人はあまり多くないことがわかります。前者(competitive strategy)は競争戦略で、後者(corporate strategy)は企業戦略を指すのです。
日本企業には競争戦略(competitive strategy)がなかったというのは、私はウソだと思います。ポーターもそのようなことは言っていません。私が思うに、「日本企業には戦略がない」というのは、競争戦略はあったが企業戦略はなかった、と読むべきなのでしょう。
そもそも、ポーターが言うところのコスト・リーダーシップを握り、優位なポジションを取るというのは、まさしく日本の高度成長期のお家芸だったわけです。ですから、日本の企業に競争戦略がなかったというのは、おかしなことなのです。
ポーターの論文は合計すると1000ページ以上になります。決して少なくないページ数ですが、ビジネス・スクールに通ったことがある人ならば、読んだことがあるでしょう。しかしながら、イゴール・アンゾフなどのビジネス・スクールで教鞭をとっていない人が執筆した論文までをも読んだ方はそう多くはないはずです。多岐にわたりそれぞれに一長一短がある戦略論を今回の特集を読めば全てを即座に理解できるものではありませんが、かなりの部分は理解できるのではないかと思っています。また、「note(ノート)」として、編集部が作った解説文をそれぞれの論文につけました。読者の皆様にとって、かなり有用なのではないかと思っています。(岩崎 卓也)
2007/01/05
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