2006/08/11

ギリシャ以来の哲学的な問い

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2006年9月号が発売となりました。今回の特集は掲載された論稿から、本物のリーダーの姿がおぼろげながらも浮かび上がってくる点が特徴的です。ゴーフィーらが執筆した「優れたリーダーは自分の『持ち味』を管理する」はその最たるものだといえます。

本物のリーダーになろうとして、ジャック・ウェルチのようなグレートなリーダーに関する資料を集め、その行動や態度を真似しても意味はありません。リーダーは自分らしさ、リアリティを持たなければならない。さらに、うまく外に対してアピールしていくことが重要だ、というのがこの論稿の根底にある主張です。

ただし、“本物”といっても、それはあくまでも他人が判断することです。「私は本物だ」と独りよがりで言ったところで皆が同意するものではありません。では、どのような壁を乗り越えたらよいのでしょうか。論稿ではネスレの会長、音楽会社のディレクター、テレビ番組制作会社のCEOなど、リーダーたちのとった行動や考えを紹介しています。

執筆者ふたりの力量もこの論稿を読む上で注目していただきたい点です。6年前、執筆者のロバート・ゴーフィー、ガレス・ジョーンズは「共感のリーダーシップ」という論文をHBRに寄稿し(邦訳は2001年3月号に掲載)、それはその年最高の論文に与えられるマッキンゼー賞を受賞しています。受賞後の第一作である今回の論稿は、本物とは何か、というギリシャ以来の哲学的な問いを掘り下げています。彼らなりの納得感のある結論には注目です。

理想のリーダーになろうとして、上辺だけを取り繕ってもうまく行かず、ならばと自分の個性を前面に出しすぎれば受け入れられず、空回りをしてしまうことは良くあることです。この論稿は読者にとって共感できる点が多いのではないかと思います。(魚谷 武志)
posted by ダイヤモンド社 at 19:42| Comment(0) | TrackBack(1) | 記事
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