東京大学にある「ものづくり経営研究センター」をご存知でしょうか。こちらは、経済学研究科の「21世紀COE」の一つで、「統合型ものづくりシステム」などの研究を行っています。主要テーマである「統合型システムの一般体系化研究」など、一部の研究テーマについては、民間企業とコンソーシアムを形成して産業連携の形で実施しています。民間企業16社とともになって、各社のものづくり教本を作成すべく共同研究を行っているのです。先日、この「ものづくり経営研究センター」にお邪魔しました。
こちらで行われている研究の目的は、「統合型ものづくりシステム」の構造と機能に関する知識の一般化です。具体的には、先端的なものづくりをしている企業が蓄積してきた企業の知識体系を、より広い範囲で応用できるように組み換えようとするのです。 ところが、産業によっては特有なことがらが存在し、独自性があるため、なかなか統一できないわけです。そのようななか、議論の抽象度を少し上げるだけで、互いの類似点が出てくるのですね。同じ部分が多くあることに気づくのです。実に興味深いことだと感じました。
もうひとつおもしろいと思ったことがあります。ここに参加しているのは日本でも最先端のことを行っていると自負している企業ばかりです。ところが、ある実験を行い、ディスカッションをした結果、それぞれの企業は自分たちが思っている以上に改善を行う余地が残されていることがわかりました。日本のものづくりプロセスは随分と改善が行われてきました。それでも改善にはゴールがないのです。
私はこの現実をみて、本当に大切なことは放ったらかしにされているのではないかと思いました。我々はついつい派手な話に寄っていってしまう傾向があります。その影で私たちは大切なことを放置しているのです。今、日本が最も改善すべきことは何でしょうか。次回はその点について書いていきたいと思います。(岩崎卓也)
2006/07/05
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