先日、岩崎が首を痛めたことをこちらのブログでお伝えしたところ、皆様からコメント等を通してご心配のお声をいただきました。ありがとうございます。接骨院の先生のお話ですと、完全になおるまでには一年くらいの歳月を要するとのこと。岩崎は普段の生活には支障がない程度まで回復したものの、今も多少の痛みは残っていると申しておりました。
痛みがあるからといって休んでいられないのが編集長。本日も会議などで忙しそうにしていました。長期の休みもなく、時には徹夜をすることもある。でも、いつもタフで、最近よくある“うつ”などとは無縁の様子の岩崎。その精神的な強さはどのようにすれば得ることができるのでしょう。
この前、気づいたことがあります。岩崎のストレス解消のひとつはお酒を飲むことのようなのですが、月に一度くらいは一人で飲む日があるそうです。ストレートスコッチなんかをなめながら感慨に浸って……、というのではありません。飲みながら本を読むか、あるいは仕事上やり忘れているものはないかをチェック。できればやったほうが良いこと、ほったらかしても良いことを分けて紙に書くのだそうです。
店にいる時間は1時間半くらい。ドラマに出てくる人のように飲み屋で何時間も飲んで泥酔するのではなく、きれいな飲み方をするわけですね。新橋の居酒屋ではなく、静かなバーのようなところで、来月やらなくてはいけないことや、半年先のことまで、やるべきことを列挙。100項目くらい出てきて、それを翌月以降、つぶしていくわけです。
私の知人である女性エンジニアは会社帰りに一人でちょこっと店に寄ります。ある女性ファッション誌には女性が一人で入れるバーを紹介していました。私は仕事が忙しいせいもあり、一人で飲みに行くという発想がなかったのですが、むしろ忙しい時こそ一人でちょっと飲んで気持ちをリセットさせることが明日以降の仕事効率アップにつながるような気がしてきました。
2007/05/30
2007/05/26
XBRLの衝撃
先月号に掲載しましたブレークスルー・アイデア・リスト、「明日のマネジメントの糧となる2007年のパワー・コンセプト」。今月号は第2回、7つのユニークな知見を紹介しました。
その中のひとつに「XBRLの衝撃」というものがあります。2006年9月、アメリカ証券取引委員会は財務諸表の新しい標準形式であるXBRLの導入を促進させる計画を発表しました。このXBRLというのは、extensible business reporting language:XMLベースの財務情報記述言語をいいます。ひと言でいうと新しい会計の国際標準言語で、提出する財務諸表を書くときに使うものです。
XBRLにはコンプライアンス業務の迅速化とコスト削減だけにとどまらず、数々のメリットがあります。そのひとつに経営情報や財務諸表の作成、検証、集約、分析が従来よりもはるかに容易になることがあげられます。企業が意思決定に利用する情報の質、鮮度、完全性、比較可能性が飛躍的に向上するわけです。内部統制の信頼性の向上、ERPのメンテナンス・コストの削減など、他にもいくつかのメリットがあり、こちらのレポートに書かれています。この新標準に準拠するかどうかは現時点では任意となっていますが、数多くのメリットがあることから、より普及が加速される方向にあるとみられています。
日本ではワコールが24種類のITシステムの経営情報をXBRLで効率的に集約しています。オーストラリア、中国、EU、インド、韓国、シンガポールなどでも取り組みが行われています。将来、有価証券報告書などは全世界共通言語としてXBRLで書いていくことになるかもしれません。(岩崎 卓也)
その中のひとつに「XBRLの衝撃」というものがあります。2006年9月、アメリカ証券取引委員会は財務諸表の新しい標準形式であるXBRLの導入を促進させる計画を発表しました。このXBRLというのは、extensible business reporting language:XMLベースの財務情報記述言語をいいます。ひと言でいうと新しい会計の国際標準言語で、提出する財務諸表を書くときに使うものです。
XBRLにはコンプライアンス業務の迅速化とコスト削減だけにとどまらず、数々のメリットがあります。そのひとつに経営情報や財務諸表の作成、検証、集約、分析が従来よりもはるかに容易になることがあげられます。企業が意思決定に利用する情報の質、鮮度、完全性、比較可能性が飛躍的に向上するわけです。内部統制の信頼性の向上、ERPのメンテナンス・コストの削減など、他にもいくつかのメリットがあり、こちらのレポートに書かれています。この新標準に準拠するかどうかは現時点では任意となっていますが、数多くのメリットがあることから、より普及が加速される方向にあるとみられています。
日本ではワコールが24種類のITシステムの経営情報をXBRLで効率的に集約しています。オーストラリア、中国、EU、インド、韓国、シンガポールなどでも取り組みが行われています。将来、有価証券報告書などは全世界共通言語としてXBRLで書いていくことになるかもしれません。(岩崎 卓也)
2007/05/23
経営者はここが違う
プロの経営者とそうでない人との違いはどこにあるのでしょうか。
私が思うに、「きっと、こんなことができるのだろうね・・・」と、思いつくことは経営者でない人でもできるのではないでしょうか。ある意味、誰にでもできることだといっていいと思います。でも、プロの経営者というのはそのアイデアの裏側に儲かる仕組みを作ることができる人を指すと思うのです。これはとても難しいことだと思います。
ひと言でいうと、ビジネスモデル、戦略をきちんと作れる人ということになります。しかし、経営戦略においては、通常よりも変数が多いのです。それを俯瞰して、シミュレーションができるというのは相当頭がよくないとできないと思います。
前回までに紹介した「補完企業との戦略的パートナーシップ」「ツー・サイド・プラットフォーム戦略」「デファクト・スタンダードの真実」、この3つの論文を読んでいくと、今後強い会社であるための要件が逆説的なのですが浮かんでくるのではないでしょうか。
「補完企業との戦略的パートナーシップ」でいえば、サプライヤーなど関係する企業との付き合い方がひとつのポイントになります。補完企業というのは資本提携がない状態で相手企業と良好な関係を作り上げていくものです。ドコモの創業メンバーは将来自社が漫画や小説を出している出版社、銀行、クレジットカードの会社などと提携することになろうとは思いもしなかったでしょう。ドコモは時代の流れとともに、補完企業とのパートナーシップを構築していったのです。
企業はパートナーに対して、その真贋を見極められる目を組織の中に持っていなくてはいけません。キャッシュが潤沢であれば良いのでしょうけれども、「貧すれば鈍する」といいます。実際、グループ外の企業との関係性をマネジメントできる会社は意外と少ないものです。補完関係というのを正しく見極めができて、その企業の能力であり、力量を把握できてなおかつうまくやっていける。さらに、ビジネスの主従の関係を明らかにできる。これは結構、難しいスキルだと思います。〈岩崎 卓也〉
私が思うに、「きっと、こんなことができるのだろうね・・・」と、思いつくことは経営者でない人でもできるのではないでしょうか。ある意味、誰にでもできることだといっていいと思います。でも、プロの経営者というのはそのアイデアの裏側に儲かる仕組みを作ることができる人を指すと思うのです。これはとても難しいことだと思います。
ひと言でいうと、ビジネスモデル、戦略をきちんと作れる人ということになります。しかし、経営戦略においては、通常よりも変数が多いのです。それを俯瞰して、シミュレーションができるというのは相当頭がよくないとできないと思います。
前回までに紹介した「補完企業との戦略的パートナーシップ」「ツー・サイド・プラットフォーム戦略」「デファクト・スタンダードの真実」、この3つの論文を読んでいくと、今後強い会社であるための要件が逆説的なのですが浮かんでくるのではないでしょうか。
「補完企業との戦略的パートナーシップ」でいえば、サプライヤーなど関係する企業との付き合い方がひとつのポイントになります。補完企業というのは資本提携がない状態で相手企業と良好な関係を作り上げていくものです。ドコモの創業メンバーは将来自社が漫画や小説を出している出版社、銀行、クレジットカードの会社などと提携することになろうとは思いもしなかったでしょう。ドコモは時代の流れとともに、補完企業とのパートナーシップを構築していったのです。
企業はパートナーに対して、その真贋を見極められる目を組織の中に持っていなくてはいけません。キャッシュが潤沢であれば良いのでしょうけれども、「貧すれば鈍する」といいます。実際、グループ外の企業との関係性をマネジメントできる会社は意外と少ないものです。補完関係というのを正しく見極めができて、その企業の能力であり、力量を把握できてなおかつうまくやっていける。さらに、ビジネスの主従の関係を明らかにできる。これは結構、難しいスキルだと思います。〈岩崎 卓也〉
2007/05/19
補完企業との戦略的パートナーシップ
2007年6月『「勝利」の戦略論』のなかに「補完企業との戦略的パートナーシップ」という論文があります。これは陣営を作っていく過程でどういう企業と手を組めばよいのかをテーマにした論稿です。デファクト・スタンダードを取ることにも関係してきます。
パートナーシップを組むときに昔の財閥グループのなごりによるものでは相互補完性があるとはいい切れません。補完性によって、価値が生み出されないと意味がないのです。
補完関係にあるといったときに、例えばドコモとコンテンツプロバイダーの間ではどちらに力があるのでしょうか。補完関係のマネジメントはとても難しいのです。補完企業が市場に参入すれば、パイは大きくなります。しかし、利益の取り分をめぐって争いが起こるでしょう。
この論稿では「ハード・パワー」と「ソフト・パワー」の使い分けについて示しています。ハード・パワーというのは力で自分たちの要求を相手に飲ませるやり方です。自社の規模など数字を示し、主従の関係をはっきりさせるわけです。
他方、ソフト・パワーというのは協調して友好的に長く付き合っていきましょう、というやり方です。大企業はハード・パワーを行使しがちだといえます。この論文ではどのようにしてマイクロソフトがブラウザーのデファクト・スタンダードを取っていったか。ハード・パワーを使う様子が書かれています。ほか、IBMとリナックスの事例も掲載されています。
最後にはソフトとハードを使い分けるための指針があります。ハード・パワーとソフト・パワーを上手に使い分けることで、無用な対立を解消し協力関係を最大限生かせるよう、解説されています。(岩崎 卓也)
パートナーシップを組むときに昔の財閥グループのなごりによるものでは相互補完性があるとはいい切れません。補完性によって、価値が生み出されないと意味がないのです。
補完関係にあるといったときに、例えばドコモとコンテンツプロバイダーの間ではどちらに力があるのでしょうか。補完関係のマネジメントはとても難しいのです。補完企業が市場に参入すれば、パイは大きくなります。しかし、利益の取り分をめぐって争いが起こるでしょう。
この論稿では「ハード・パワー」と「ソフト・パワー」の使い分けについて示しています。ハード・パワーというのは力で自分たちの要求を相手に飲ませるやり方です。自社の規模など数字を示し、主従の関係をはっきりさせるわけです。
他方、ソフト・パワーというのは協調して友好的に長く付き合っていきましょう、というやり方です。大企業はハード・パワーを行使しがちだといえます。この論文ではどのようにしてマイクロソフトがブラウザーのデファクト・スタンダードを取っていったか。ハード・パワーを使う様子が書かれています。ほか、IBMとリナックスの事例も掲載されています。
最後にはソフトとハードを使い分けるための指針があります。ハード・パワーとソフト・パワーを上手に使い分けることで、無用な対立を解消し協力関係を最大限生かせるよう、解説されています。(岩崎 卓也)
2007/05/15
コア・コンピタンスとコア事業の混同
前回のブログではビジネス・ジャーゴンへの誤解が組織を間違った方向に駆り立ててしまうことがあるという話をしました。コア・コンピタンスとコア事業の混同は典型的なミスだといえます。コア事業にコア・コンピタンスがあるかどうかは別なのです。ただ単に伝統的なだけであると判断してはいけません。売上高における比率が大きく、マージンも大きい、まわりの誰もがやらない事業だ。といった条件がそろったとしても、本当にそこにコア・コンピタンス、つまり次の新規事業を作る、自社にしかできない模倣不可能な能力があるのかどうかは疑わしいのです。コア・コンピタンスとコア事業を混同するのはリーダーとしてミスリードなのです。
例えば新聞社のコア・コンピタンスは新聞を作ることではないのです。それは取材であり、地方に広がっているネットワークであり、ブランドなどを指すのです。
コンピタンスとコア事業の話でいうと、コンピタンスを強化したいのか、コア事業を強化したいのかによって選択する手段が変わると思います。コンピタンスを強化しようと思ったら新規事業をもっと広げるといったことが求められるだろうと思います。他方、コア事業の強化は対外能力を持ってこなくてはいけないことも起こります。それぞれ、意思決定が変わるのです。
私が申し上げたようなミスをするような人はいないのではないか、と思われる方がいるかもしれません。が、実際に起こっていると私は感じています。現実に、意図の不明確な新規事業が立ち上がる、人材のミスマッチが起こって社内のコンフリクトが起こる、といったことが発生しているのです。
言葉の定義というのは、もういちど真剣に向き合って行かないと、意外と波及してしまうのではないかと思います。小さなミスが、増幅されてしまうことになるのです。(岩崎 卓也)
例えば新聞社のコア・コンピタンスは新聞を作ることではないのです。それは取材であり、地方に広がっているネットワークであり、ブランドなどを指すのです。
コンピタンスとコア事業の話でいうと、コンピタンスを強化したいのか、コア事業を強化したいのかによって選択する手段が変わると思います。コンピタンスを強化しようと思ったら新規事業をもっと広げるといったことが求められるだろうと思います。他方、コア事業の強化は対外能力を持ってこなくてはいけないことも起こります。それぞれ、意思決定が変わるのです。
私が申し上げたようなミスをするような人はいないのではないか、と思われる方がいるかもしれません。が、実際に起こっていると私は感じています。現実に、意図の不明確な新規事業が立ち上がる、人材のミスマッチが起こって社内のコンフリクトが起こる、といったことが発生しているのです。
言葉の定義というのは、もういちど真剣に向き合って行かないと、意外と波及してしまうのではないかと思います。小さなミスが、増幅されてしまうことになるのです。(岩崎 卓也)
2007/05/12
組織にとっての不幸とは
ビジネス・ジャーゴンへの誤解が組織を間違った方向に駆り立ててしまうことがあります。これは不幸なことです。言葉に対する誤用、曲解といえば、古くはコーポレート・アイデンティティがそうです。最近のものではコンピタンシー、リストラクチャリング、リエンジニアリングなどがあります。
今月号の特集に「デファクト・スタンダードの真実」という論文があります。「デファクト・スタンダード(de facto standard:事実上の標準)」も誤用や曲解がみられる言葉のひとつです。この論稿ではデファクト・スタンダードの正しい定義を再提起するとともに、今後のデファクト競争の姿、戦い方について解説をしています。早稲田大学ビジネススクール教授、山田英夫氏に執筆をしていただきました。
私たちはシェアが高ければデファクト・スタンダードであると思い込んでいないでしょうか。大きなシェアを取ること、イコール、デファクトを取ること。結果、大きな利益が出る。このような論法を見ることがあります。しかし、実際はそうではありません。デファクト・スタンダードと呼ぶための必須条件は何か。この論稿で解説しています。
デファクト・スタンダードのもうひとつの誤解は、デファクト・スタンダードを取れば安泰だということがあげられます。こちらも正しくありません。ビデオのVHSとベータ、ふたつの方式について考えると良くわかります。VHSは技術面ではベータに劣るところがあったけれども、結果としてデファクト・スタンダードを取りました。デファクトさえ取れば勝ちということではありません。VHSは何に負けたのでしょうか。
VHSはデジタル・テクノロジーに負けてしまったのです。同じように、音声を録音するためのテープレコーダーはMD、そしてICレコーダに負けたわけです。デファクトを取ったからといっても安泰を約束するものではないのです。瞬く間に市場が塗り替わってしまうような製品が存在します。市場シェアナンバーワン、寡占、独占は大きな利益をもたらすかもしれません。しかし、長期的な収益源になるとはいえないのです。(岩崎 卓也)
※DHBR2007年6月号は5月10日に発売されました。
今月号の特集に「デファクト・スタンダードの真実」という論文があります。「デファクト・スタンダード(de facto standard:事実上の標準)」も誤用や曲解がみられる言葉のひとつです。この論稿ではデファクト・スタンダードの正しい定義を再提起するとともに、今後のデファクト競争の姿、戦い方について解説をしています。早稲田大学ビジネススクール教授、山田英夫氏に執筆をしていただきました。
私たちはシェアが高ければデファクト・スタンダードであると思い込んでいないでしょうか。大きなシェアを取ること、イコール、デファクトを取ること。結果、大きな利益が出る。このような論法を見ることがあります。しかし、実際はそうではありません。デファクト・スタンダードと呼ぶための必須条件は何か。この論稿で解説しています。
デファクト・スタンダードのもうひとつの誤解は、デファクト・スタンダードを取れば安泰だということがあげられます。こちらも正しくありません。ビデオのVHSとベータ、ふたつの方式について考えると良くわかります。VHSは技術面ではベータに劣るところがあったけれども、結果としてデファクト・スタンダードを取りました。デファクトさえ取れば勝ちということではありません。VHSは何に負けたのでしょうか。
VHSはデジタル・テクノロジーに負けてしまったのです。同じように、音声を録音するためのテープレコーダーはMD、そしてICレコーダに負けたわけです。デファクトを取ったからといっても安泰を約束するものではないのです。瞬く間に市場が塗り替わってしまうような製品が存在します。市場シェアナンバーワン、寡占、独占は大きな利益をもたらすかもしれません。しかし、長期的な収益源になるとはいえないのです。(岩崎 卓也)
※DHBR2007年6月号は5月10日に発売されました。
2007/05/08
久しぶりに出会った秀逸な論文
次月号に掲載される論文に「ツーサイド・プラットフォーム戦略」というものがあります。
「久しぶりに秀逸な論文に出会った」
これがこの論文を読んだ後、率直に感じたことです。
MicrosoftがWindowsや数多くのアプリケーションを発売した後、経営学者のみならず、経済学者までもがこぞってMicrosoftのビジネスモデルについて、どういう経済の法則が働いているのか研究を始めました。その結果、「収穫逓増の法則が働いていること」を研究者たちは言い出したわけです。90年代半ばくらいの経営書を見ると、経済学者や経済学の素養がある人は、Microsoftについて「収穫逓増の法則が働いた」と言っています。
なぜ、収穫逓増の曲線が描かれるビジネスモデルが作られるのか、具体的に解明した論文がこちらの「ツーサイド・プラットフォーム戦略」という論文です。
ツーサイドとは何でしょうか。雑誌を例に説明をしましょう。雑誌はお客さんをふたつ持っています。広告主と読者です。それぞれプライシングは違います。広告ならページによって、サーキュレーションの数で100万円、200万円といった価格になります。読者なら一冊500円といった具合になります。
この論文では2つのサイドと言っていますが、iモードを例にとるとさまざまな事情があることがわかります。ひとつはコンテンツプロバイダ、そして電話メーカー、あとは利用者というものがあります。今後は電子マネーやクレジットカードの機能も普及していくでしょう。私たちが見えないところで、何種類もの市場がiモードのまわりにあるわけです。
収益逓増の法則に従うと、数が多くなっていけば急に売上、利益率が上がります。利益率がどんどん上昇しながら財が売れていく。いずれ天井があるにしても、売り上げが上がっていくというモデルです。携帯電話でいえば、加入者数が増えるかというのが死活問題になっていくわけです。この論文では、収穫逓増の法則が働くにあたっては複数種類の市場を持つことが必要。これがひとつの主張になっています。(岩崎 卓也)
「久しぶりに秀逸な論文に出会った」
これがこの論文を読んだ後、率直に感じたことです。
MicrosoftがWindowsや数多くのアプリケーションを発売した後、経営学者のみならず、経済学者までもがこぞってMicrosoftのビジネスモデルについて、どういう経済の法則が働いているのか研究を始めました。その結果、「収穫逓増の法則が働いていること」を研究者たちは言い出したわけです。90年代半ばくらいの経営書を見ると、経済学者や経済学の素養がある人は、Microsoftについて「収穫逓増の法則が働いた」と言っています。
なぜ、収穫逓増の曲線が描かれるビジネスモデルが作られるのか、具体的に解明した論文がこちらの「ツーサイド・プラットフォーム戦略」という論文です。
ツーサイドとは何でしょうか。雑誌を例に説明をしましょう。雑誌はお客さんをふたつ持っています。広告主と読者です。それぞれプライシングは違います。広告ならページによって、サーキュレーションの数で100万円、200万円といった価格になります。読者なら一冊500円といった具合になります。
この論文では2つのサイドと言っていますが、iモードを例にとるとさまざまな事情があることがわかります。ひとつはコンテンツプロバイダ、そして電話メーカー、あとは利用者というものがあります。今後は電子マネーやクレジットカードの機能も普及していくでしょう。私たちが見えないところで、何種類もの市場がiモードのまわりにあるわけです。
収益逓増の法則に従うと、数が多くなっていけば急に売上、利益率が上がります。利益率がどんどん上昇しながら財が売れていく。いずれ天井があるにしても、売り上げが上がっていくというモデルです。携帯電話でいえば、加入者数が増えるかというのが死活問題になっていくわけです。この論文では、収穫逓増の法則が働くにあたっては複数種類の市場を持つことが必要。これがひとつの主張になっています。(岩崎 卓也)
2007/05/05
コア事業の転換のベストプラクティス
首を痛めたことで生産性が悪くなったことはいうまでもありません。作業をぼんやりしていたせいでしょうか。実は誤って写真を消去してしまったことがありました。3月の終わり、ハーバード・ビジネス・スクールのカンファレンスがありました。そこで撮った写真をすべて消してしまったのです。メーカーに問い合わせたところ、修復は不可能だと言われ沈み込んでいました。
ところが、カンファレンスで登壇いただいた方のなかに、富士フィルムのCEOである古森氏がいました。弊誌では講演の原稿をまとめさせていただいており、当社スタッフが富士フィルムさんに確認したところ、復元できるかもしれないという回答をいただきました。一縷の望みをかけ、依頼をしているところです。
話は変わりますが、次月号の特集は「勝利の戦略論」です。そのなかに、「新たなコア事業を発見する法」という論文があります。この論文はコア事業の転換について述べられたものです。まさに富士フィルムはこのベストプラクティスだといえるでしょう。
自社の歴史ともいえるコア事業が「突然死」してしまうことはめずらしいことではありません。富士フィルムにとって銀塩式フィルムがそうです。企業は何らかの形で新しいコア事業を発見していく必要がでてきます。現在、銀塩式フィルムは売上高に占める割合は3%。みごとに事業の構成を変えることに成功したのです。今後、富士フィルムはイメージングテクノロジーといわれている世界でより強くなっていくのではないでしょうか。
ここ10年間を振り返ってみると、コア事業の転換に迫られた企業は全体の30%を占めるといわれています。ほか30%は買収されています。つまり、コア事業を守り続けた企業は全体の30%にすぎないのです。既存の事業を動かしながらどのようにコア事業を転換させていくかが大切になってきます。そのとき、ポイントとなるのは、「コア事業」と「コアコンピタンス」の違いです。トップが両者を混同していると、組織は不幸です。コア事業が転換するときにテコになるのはコアコンピタンスですから、両者を正確に把握している必要があるのです。
次号の「勝利の戦略論」では、「コア事業」と「コアコンピタンス」についても触れています。詳細はまた後ほどこちらのブログで紹介いたします。(岩崎 卓也)
ところが、カンファレンスで登壇いただいた方のなかに、富士フィルムのCEOである古森氏がいました。弊誌では講演の原稿をまとめさせていただいており、当社スタッフが富士フィルムさんに確認したところ、復元できるかもしれないという回答をいただきました。一縷の望みをかけ、依頼をしているところです。
話は変わりますが、次月号の特集は「勝利の戦略論」です。そのなかに、「新たなコア事業を発見する法」という論文があります。この論文はコア事業の転換について述べられたものです。まさに富士フィルムはこのベストプラクティスだといえるでしょう。
自社の歴史ともいえるコア事業が「突然死」してしまうことはめずらしいことではありません。富士フィルムにとって銀塩式フィルムがそうです。企業は何らかの形で新しいコア事業を発見していく必要がでてきます。現在、銀塩式フィルムは売上高に占める割合は3%。みごとに事業の構成を変えることに成功したのです。今後、富士フィルムはイメージングテクノロジーといわれている世界でより強くなっていくのではないでしょうか。
ここ10年間を振り返ってみると、コア事業の転換に迫られた企業は全体の30%を占めるといわれています。ほか30%は買収されています。つまり、コア事業を守り続けた企業は全体の30%にすぎないのです。既存の事業を動かしながらどのようにコア事業を転換させていくかが大切になってきます。そのとき、ポイントとなるのは、「コア事業」と「コアコンピタンス」の違いです。トップが両者を混同していると、組織は不幸です。コア事業が転換するときにテコになるのはコアコンピタンスですから、両者を正確に把握している必要があるのです。
次号の「勝利の戦略論」では、「コア事業」と「コアコンピタンス」についても触れています。詳細はまた後ほどこちらのブログで紹介いたします。(岩崎 卓也)
2007/05/02
思った以上に人間は首を使う
4月半ばから首が傷み、寝返りがうてない状態になっています。今はお酒もやめています。飲むと首筋が痛くなってしまうのです。最初は寝ちがえたのかなと思っていたのですがそうではないようです。左側におたふくかぜのような痛みが出た数日後、右側の首までが痛み出してしまいました。
その後、痛みは増し、街を歩くのも怖いのでしばらくはタクシーで会社に通いました。首が痛いと街を歩くのもひと苦労です。首を動かせないので視界が狭くなるし、道を渡るとき左右確認もできません。後ろから来るものに反応しようとすると激痛が走り、ドアを閉める、エレベータに乗る、そのたびに痛みが走るのです。首が痛んだおかげで、普段ひんぱんに首を使っていることに気づかされました。
医者に行ったところ、骨には異常がないそうです。首の腱鞘炎だと診断されました。何が困るのかというと、眠れないことです。寝返りをうつと目が覚めてしまうのです。一日3時間くらいしか眠れないので睡眠不足になりました。しかも、口をあけると首が傷むので、眠くともあくびができません。起きるときも一苦労です。痛みを覚悟の上、うつぶせになり、手をついて体を起こすのです。せきやくしゃみも痛みます。唯一、良かったことはタバコをやめたことでしょうか。
今号が校了したときは「良くぞ出た」と感心するほどでした。仕事はぎっくり腰と違って横になりながらするわけにはいきません。仕方がないので立ちながら働きました。思い出すと、本当に地獄の日々でしたね。今は快方に向かっており、少しならば動かせるようになりました。おかげでタバコが復活してしまいましたが。そしてもうひとつ。この首痛が原因で、ある失敗をしてしまいました。その話は次回いたします。
原因として思い当たるものはありません。なぜ、首が痛くなったのかはわからないのです。ぎっくり腰は疲れて酒を飲んで、朝風呂に入ると発症しやすくなるといわれています。聞くところによると、お酒を飲むと骨がわずかにずれるのだそうです。普段は筋肉の力で正常に保つけれども、お風呂に入ることで筋肉が弛緩しずれてしまうといいます。首もつらいですが、ぎっくり腰もつらいものがあります。お酒を良く飲まれる方、注意が必要ですね。(岩崎 卓也)
その後、痛みは増し、街を歩くのも怖いのでしばらくはタクシーで会社に通いました。首が痛いと街を歩くのもひと苦労です。首を動かせないので視界が狭くなるし、道を渡るとき左右確認もできません。後ろから来るものに反応しようとすると激痛が走り、ドアを閉める、エレベータに乗る、そのたびに痛みが走るのです。首が痛んだおかげで、普段ひんぱんに首を使っていることに気づかされました。
医者に行ったところ、骨には異常がないそうです。首の腱鞘炎だと診断されました。何が困るのかというと、眠れないことです。寝返りをうつと目が覚めてしまうのです。一日3時間くらいしか眠れないので睡眠不足になりました。しかも、口をあけると首が傷むので、眠くともあくびができません。起きるときも一苦労です。痛みを覚悟の上、うつぶせになり、手をついて体を起こすのです。せきやくしゃみも痛みます。唯一、良かったことはタバコをやめたことでしょうか。
今号が校了したときは「良くぞ出た」と感心するほどでした。仕事はぎっくり腰と違って横になりながらするわけにはいきません。仕方がないので立ちながら働きました。思い出すと、本当に地獄の日々でしたね。今は快方に向かっており、少しならば動かせるようになりました。おかげでタバコが復活してしまいましたが。そしてもうひとつ。この首痛が原因で、ある失敗をしてしまいました。その話は次回いたします。
原因として思い当たるものはありません。なぜ、首が痛くなったのかはわからないのです。ぎっくり腰は疲れて酒を飲んで、朝風呂に入ると発症しやすくなるといわれています。聞くところによると、お酒を飲むと骨がわずかにずれるのだそうです。普段は筋肉の力で正常に保つけれども、お風呂に入ることで筋肉が弛緩しずれてしまうといいます。首もつらいですが、ぎっくり腰もつらいものがあります。お酒を良く飲まれる方、注意が必要ですね。(岩崎 卓也)
