みなさまは年末年始どのように過ごす予定でいますか。月刊誌の編集長はまず休みがとれません。年中無休の山手線状態です。雑誌は毎号ごとに作りはじめと終わりがあるので、傍から見ると終われば休めるようにも思えるでしょう。ところが、終わりに近づくと次の号がすでに始まっている。そういうループなのです。
私は1999年からデスクをやっていますが、夏休み、コールデンウィークは一回もとったことがないですね。お正月もだいたい休んで二日間。一回だけ冬休みを長く取ったことがあります。何年かぶりの旅行で、飛行機を使い出雲の温泉に行きました。ちなみに飛行機もプライベートで乗ったのはこのときの他は一回だけ、合計二回しかない。あとはすべて仕事で飛行機に乗りました。
出張するときはパソコンを持っていって、出張先のホテルで仕事をしますから、現地の観光もほとんどしないですね。そういえば、私はまったく覚えようとしないせいもあるのでしょうけれど、大阪もいまだに南北がわかりません。たいてい、大阪出張のときは最終の新幹線に乗って大阪に入ります。翌日打合せなどをして夕方になって帰ってくる。これだから、わからないのも当然ですね。
ハーバード・ビジネス・スクールがあるボストンには年に2回、デスクになってから15回くらいは行っていますが、大阪と同じように詳しいことは何もわかりません。ハーバード・ビジネス・スクールに歩いて行け、と言われても恐らく行けないでしょう。ボストンフィルも見たことがなく、私にとってボストンは「遠いとなり街」という感じです。ニューヨークも同じですね。
ということで、来年の目標は「長期休暇をとる」にしてみます。よく遊んでしっかり仕事をするのが良い、とよく言うではないですか。しかし、今月号(1月号)を制作したときも、ずっとこもって仕事をしていたわけですから、だいたいこの目標は月刊誌の編集長としては無理なものかもしれません。実現するには難しい目標ですが、あきらめずに機会を見つけます。
それはさておき、今年の更新は今日が最後です。このブログにお越しくださった方、一人ひとりに感謝の気持ちをお伝えしたいです。ありがとうございます。
DHBR2月号は、年明け1月10日に発売予定です。
ブログは1月5日から始まります。
また来年のお越しを待っています。良いお年をお迎えください。(岩崎 卓也)
2006/12/29
2006/12/26
Aクラス社員のコーチング
コーチングの概念が間違っているなぁ、と感じることがあります。日本では指導するための技術として、コーチングが導入されました。そのためか、あまねく広くコーチングをやりなさいという風潮があります。しかし、このようなケアの問題は対象を選別してやるべきだと私は思います。
2006年1月号に「エグゼクティブ・コーチングの原則」という論稿を掲載しました。Aクラス社員を育てる手法として、エグゼクティブを対象としたコーチングを紹介しています。この論稿では、私たちが持っているコーチングに対する誤解をとき、コーチングを成功させるための方法を事例とともに述べています。
ところで、私たちはコーチングの講習を受けるということに対して、ネガティブなイメージを持っているのではないでしょうか。コーチングの受講を勧められると、「オマエは問題があるのだ」と言われているような気持ちになる方もいるようです。本来、コーチングとは受講者の性格の悪いところを直すためのものではありません。受講を通して立派なリーダーに育てることが目的なのです。
コーチングに関連した話題でもうひとつ。360度評価というものがありますが、こちらも誤った導入をしているケースを目にすることがあります。下からの評価制度を平等主義で全員に行う必要が本当にあるのでしょうか。私は不平等で良いと考えます。制度を導入することで、その部門を背負ってたつ人がより多くの人たちにリーダーシップをふるえるようにすることが大切なのです。360度評価は後天的なヒューマンスキルを開発するためのもので、人をきちんと選別して行うべきことなのです。ただ単に、上からの評価があるのなら、下からの評価も入れたほうが良い、といったロジックで導入している。それには何の意味があるのでしょうか。(岩崎 卓也)
2006年1月号に「エグゼクティブ・コーチングの原則」という論稿を掲載しました。Aクラス社員を育てる手法として、エグゼクティブを対象としたコーチングを紹介しています。この論稿では、私たちが持っているコーチングに対する誤解をとき、コーチングを成功させるための方法を事例とともに述べています。
ところで、私たちはコーチングの講習を受けるということに対して、ネガティブなイメージを持っているのではないでしょうか。コーチングの受講を勧められると、「オマエは問題があるのだ」と言われているような気持ちになる方もいるようです。本来、コーチングとは受講者の性格の悪いところを直すためのものではありません。受講を通して立派なリーダーに育てることが目的なのです。
コーチングに関連した話題でもうひとつ。360度評価というものがありますが、こちらも誤った導入をしているケースを目にすることがあります。下からの評価制度を平等主義で全員に行う必要が本当にあるのでしょうか。私は不平等で良いと考えます。制度を導入することで、その部門を背負ってたつ人がより多くの人たちにリーダーシップをふるえるようにすることが大切なのです。360度評価は後天的なヒューマンスキルを開発するためのもので、人をきちんと選別して行うべきことなのです。ただ単に、上からの評価があるのなら、下からの評価も入れたほうが良い、といったロジックで導入している。それには何の意味があるのでしょうか。(岩崎 卓也)
2006/12/22
戦略論知らずからの脱却
私たちはポーターもミンツバーグも、名前は知っていて、主張しているところも知っているつもりでいます。ただし、正しく理解しているといえる人が何人いるのでしょうか。「私は戦略論を勉強しました」とおっしゃる方でも、実は戦略知らずだったりします。モデルとその解説は読んで知っているけれど、それ以上のことはわからない、といった方はめずらしくありません。
そこで、次号のDHBRは、【創刊30周年記念特集】第2弾 「戦略論の原点」。戦略論に関する論文をきちんと読み直すための企画になっています。マイケル・ポータやヘンリー・ミンツバーグ、そして大前研一、マイケル・E・ポーター、ゲイリー・ハメルなどの論文を掲載します。
ポーター、C・K・プラハラッドの論文は新訳なので読みやすくなっていると思います。
大前氏、アンゾフの論文は日本で未翻訳、未発表のものを掲載する予定です。
次号は保存版といえるでしょう。
その中のひとつに、H・イゴール・アンゾフという元アライアント・インターナショナル大学 特別教授の論文があります。弊社から発行した『「戦略経営」の実践原理―21世紀企業の経営バイブル』の著書です。
「戦略経営の父」と呼ばれるH・イゴール・アンゾフは、その歴史的著作『企業戦略論』を著わした1965年に本稿を発表しました。
アンゾフというとご存知の方は少ないかもしれません。しかし、「年次計画」といえば馴染み深い方が多いはずです。年次計画はアンゾフの理論がおおもととなってできました。
アンゾフはロシア人だったのですが、何事も計画通りにことを運ぶことを是とするような環境で育ったので、このような理論ができたのかもしれません。やがて、この考えは日本にも導入されて、計画通りに遂行しようとするマインドが生まれたのです。それにしても、この変化の激しい時代に「年次計画」だけが固定的すぎると感じているのは私だけでしょうか。年次計画が組まれると、私たちは予算を守るように要求されます。アンゾフ自身は社会の変化に対応して、自分の主張も変えていったというのに、日本の年次計画だけが固定的なまま今も使われています。
それはそうと、戦略論の系譜を理解することは、現実を読む上で非常に重要なことです。次回の特集が戦略論に関する論文をまとめてお読みいただく機会となれば幸いです。(岩崎 卓也)
そこで、次号のDHBRは、【創刊30周年記念特集】第2弾 「戦略論の原点」。戦略論に関する論文をきちんと読み直すための企画になっています。マイケル・ポータやヘンリー・ミンツバーグ、そして大前研一、マイケル・E・ポーター、ゲイリー・ハメルなどの論文を掲載します。
ポーター、C・K・プラハラッドの論文は新訳なので読みやすくなっていると思います。
大前氏、アンゾフの論文は日本で未翻訳、未発表のものを掲載する予定です。
次号は保存版といえるでしょう。
その中のひとつに、H・イゴール・アンゾフという元アライアント・インターナショナル大学 特別教授の論文があります。弊社から発行した『「戦略経営」の実践原理―21世紀企業の経営バイブル』の著書です。
「戦略経営の父」と呼ばれるH・イゴール・アンゾフは、その歴史的著作『企業戦略論』を著わした1965年に本稿を発表しました。
アンゾフというとご存知の方は少ないかもしれません。しかし、「年次計画」といえば馴染み深い方が多いはずです。年次計画はアンゾフの理論がおおもととなってできました。
アンゾフはロシア人だったのですが、何事も計画通りにことを運ぶことを是とするような環境で育ったので、このような理論ができたのかもしれません。やがて、この考えは日本にも導入されて、計画通りに遂行しようとするマインドが生まれたのです。それにしても、この変化の激しい時代に「年次計画」だけが固定的すぎると感じているのは私だけでしょうか。年次計画が組まれると、私たちは予算を守るように要求されます。アンゾフ自身は社会の変化に対応して、自分の主張も変えていったというのに、日本の年次計画だけが固定的なまま今も使われています。
それはそうと、戦略論の系譜を理解することは、現実を読む上で非常に重要なことです。次回の特集が戦略論に関する論文をまとめてお読みいただく機会となれば幸いです。(岩崎 卓也)
2006/12/19
Aクラス社員を辞めさせてはいけない
利益の80%は全社員の20%である「Aクラス社員」が稼ぎ出しているといいます。しかしながら、優秀な人というのは文句が多いのも事実です。なかには、協調性に欠ける、他人を見下す、態度が横柄など、欠点が目に余る人もいます。私は性格に難があるAクラス社員よりも、実力がなくて口ばかりのBクラス社員のほうが問題だと個人的には思っています。ところが、企業あるいは上司によってはAクラス社員の性格上の問題のほうが深刻だとする傾向があります。
今月号の特集に「困ったAクラス社員を手なづける法」という論稿があります。私はAクラス社員をどのようにして会社に繋ぎ止めるのか、それはとても重要なことなのだと感じています。場合によってはBクラス社員がAクラス社員に化けることもあるでしょう。しかし、現実には優秀な人材が流出することを食い止めないと、企業は困ってしまいます。なぜなら、Aクラス社員は獲得が難しいからです。
日本はある意味、社会民主主義国家だといえます。平等を大切にする風習があるので、人材にA、Bといったランクをつけることは嫌がられる傾向にあります。
一方で最近、企業では社員に対する教育に力を入れるようになりました。トップは口をにごしながらも「エリート教育が必要だ」という発言を公の席でするようにもなりました。しかしながら、まだまだAクラス社員を辞めさせないための努力はあまりなされていない、というのが現状だといえます。
「困ったAクラス社員を手なづける法」では、事例をあげ、Aクラス社員を辞めさせないための具体的な対処方法をいくつか提示しています。Aクラス社員に問題があるのは事実なのですが、何よりも彼ら彼女らは辞めやすいのです。しかし、このAクラス社員を辞めさせてはいけません。BクラスとCクラス社員を引き止めることに力を注ぐのなら、Aクラス社員を引き止めるためにいろいろなことをするべきなのです。(岩崎 卓也)
今月号の特集に「困ったAクラス社員を手なづける法」という論稿があります。私はAクラス社員をどのようにして会社に繋ぎ止めるのか、それはとても重要なことなのだと感じています。場合によってはBクラス社員がAクラス社員に化けることもあるでしょう。しかし、現実には優秀な人材が流出することを食い止めないと、企業は困ってしまいます。なぜなら、Aクラス社員は獲得が難しいからです。
日本はある意味、社会民主主義国家だといえます。平等を大切にする風習があるので、人材にA、Bといったランクをつけることは嫌がられる傾向にあります。
一方で最近、企業では社員に対する教育に力を入れるようになりました。トップは口をにごしながらも「エリート教育が必要だ」という発言を公の席でするようにもなりました。しかしながら、まだまだAクラス社員を辞めさせないための努力はあまりなされていない、というのが現状だといえます。
「困ったAクラス社員を手なづける法」では、事例をあげ、Aクラス社員を辞めさせないための具体的な対処方法をいくつか提示しています。Aクラス社員に問題があるのは事実なのですが、何よりも彼ら彼女らは辞めやすいのです。しかし、このAクラス社員を辞めさせてはいけません。BクラスとCクラス社員を引き止めることに力を注ぐのなら、Aクラス社員を引き止めるためにいろいろなことをするべきなのです。(岩崎 卓也)
2006/12/15
Aクラス社員の転職
Aクラス社員が別の会社に転職したとたん、Cクラスになってしまったということはよくあります。業績の悪い会社が、Aクラスの人間を引っ張ってきたのに、思ったほどうまく行かないことはよくあります。高いお金を払ったにもかかわらず、費用対効果として良い結果が得られないのは残念なことです。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。Aクラス社員が急にBクラスになってしまうのは本人の意思もあるでしょうが、アフォーダンスの理論で考えれば「環境によりBクラスやCクラスという役割に目覚めさせられた」といえるでしょう。環境が変わることによって、人は能力を充分発揮できないことがよくあります。新しい会社は前の環境と同じように、Aクラス社員に対して投資しているかというと、問題となるくらいしていないのです。その人自身は優秀だったかもしれませんが、新しい組織の環境においては、CクラスまたはBクラスという役割を選択してしまったといえます。必要なリソースを用意してあげる。優秀な人がAクラス社員であるためにはそういうサポート体制が必要なのです。
今月号の特集に、「GE出身者でも失敗する時」という論文を掲載しました。アメリカではGE出身者をCEOに招聘しただけで株価が跳ね上がるといわれています。この論稿ではノーベル経済学賞受賞者 ゲイリー・ベッカーの「人的資本」理論にのっとり、GE出身者CEO20名について調査しました。結果、期待通りパフォーマンスを実現している場合はもちろんありますが、GE出身者といえども不調に終わり辞任に追い込まれるケースがあることもわかりました。両者を分けるものは何か? 「人的資本」という切り口で分析し、論じています。
実際、自分がある会社から見込まれて他の会社に転職したとき、果たして今と同じパフォーマンスを維持できるのか考えることがあります。転職後、最初の1年間は様子見で、みんなと同じようにやるでしょう。そして、知らぬ間に横並んでしまうこともあるような気がします。人間は安きにつき、低きに流れる。Aクラス社員を育てられる環境を持っていないところにAクラス社員は生まれてこないのです。何となく20対80で分かれるかも知れませんが、これは相対的であって、絶対的なAクラス社員は育たないでしょう。
私が今回特集をしてみて思ったことは、経営陣の人材資源に関するあり方です。やはり、人事部などのオペレーションの部署に任せているということ自体に、私は問題を感じます。(岩崎 卓也)
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。Aクラス社員が急にBクラスになってしまうのは本人の意思もあるでしょうが、アフォーダンスの理論で考えれば「環境によりBクラスやCクラスという役割に目覚めさせられた」といえるでしょう。環境が変わることによって、人は能力を充分発揮できないことがよくあります。新しい会社は前の環境と同じように、Aクラス社員に対して投資しているかというと、問題となるくらいしていないのです。その人自身は優秀だったかもしれませんが、新しい組織の環境においては、CクラスまたはBクラスという役割を選択してしまったといえます。必要なリソースを用意してあげる。優秀な人がAクラス社員であるためにはそういうサポート体制が必要なのです。
今月号の特集に、「GE出身者でも失敗する時」という論文を掲載しました。アメリカではGE出身者をCEOに招聘しただけで株価が跳ね上がるといわれています。この論稿ではノーベル経済学賞受賞者 ゲイリー・ベッカーの「人的資本」理論にのっとり、GE出身者CEO20名について調査しました。結果、期待通りパフォーマンスを実現している場合はもちろんありますが、GE出身者といえども不調に終わり辞任に追い込まれるケースがあることもわかりました。両者を分けるものは何か? 「人的資本」という切り口で分析し、論じています。
実際、自分がある会社から見込まれて他の会社に転職したとき、果たして今と同じパフォーマンスを維持できるのか考えることがあります。転職後、最初の1年間は様子見で、みんなと同じようにやるでしょう。そして、知らぬ間に横並んでしまうこともあるような気がします。人間は安きにつき、低きに流れる。Aクラス社員を育てられる環境を持っていないところにAクラス社員は生まれてこないのです。何となく20対80で分かれるかも知れませんが、これは相対的であって、絶対的なAクラス社員は育たないでしょう。
私が今回特集をしてみて思ったことは、経営陣の人材資源に関するあり方です。やはり、人事部などのオペレーションの部署に任せているということ自体に、私は問題を感じます。(岩崎 卓也)
2006/12/13
アフォーダンスとクラス分け
知覚心理学者 J=ギブソンの理論、「アフォーダンス(affordance)」を社員のA、B、Cクラス分けに適用するとどうなるでしょうか。そこから見えてくるものは、A、B、Cそれぞれのクラスの社員は、ただ単に能力で分けられているのではないということです。
affordanceは英単語のaffordに接尾語-anceを加えた造語です。affordという単語は、受験英語で“He cannot afford to buy a new house.”など、notをつけた否定形として学んだことと思います。ただし、J=ギブソンが提唱するアフォーダンスはaffordよりも肯定的な意味で使われます。
アフォーダンスの理論でABCというクラス分けについて考えてみましょう。
私たちは普段、「人は立っている」という見方をします。しかし、アフォーダンスの理論では、人は立っているのではなくて「地面によって立たされている」と考えるのです。つり革もそうです。つり革につかまっているのではなく、握らされているのです。
一般的に、Aクラス社員になるには、Aクラスになろうという意志が必要です。しかし、アフォーダンスの考え方でいうと、Aクラス社員はBやCクラス社員という存在によってAクラスにならされているともいえます。
これは、地面が人を立たせているように、Aクラス社員はBCの存在により「自分の役割に目覚めさせられた」ということなのです。つまり、Aクラスという「役割」に「目覚めた」人がAクラス社員になるのです。Aクラスの人たちが成り立っているのは、BクラスとCクラスがいるからなのです。
非常に高学歴な人たちが集まっているコンサルティングファームは、各社員における知的能力に大きな差はなく、全ての人材がAクラス社員であるはずです。にもかかわらず、実際にはA、B、Cと社員にランクがついています。それはAランクの人は自分がAランクの役割を担うことに目覚めてしまったからだといえるでしょう。B、Cについても同様なことがいえます。もちろんほとんどの人は無意識のうちに自分の役割に目覚め、結果としてABCに分かれてしまったということなのです。
従って、企業はそれぞれの社員に対して、その役割に応じた投資をしてあげればいいということになります。平等主義である必要性は全くありません。もちろん、これはなんら差別主義で言っているものでもありません。単に役割に必要な資源が異なるということなのです。今回の特集を組んでいて、どの組織にもABCといった社員のランク分けが存在することを改めて確認し、それぞれの社員に対する投資のあり方を考えさせられました。(岩崎 卓也)
affordanceは英単語のaffordに接尾語-anceを加えた造語です。affordという単語は、受験英語で“He cannot afford to buy a new house.”など、notをつけた否定形として学んだことと思います。ただし、J=ギブソンが提唱するアフォーダンスはaffordよりも肯定的な意味で使われます。
アフォーダンスの理論でABCというクラス分けについて考えてみましょう。
私たちは普段、「人は立っている」という見方をします。しかし、アフォーダンスの理論では、人は立っているのではなくて「地面によって立たされている」と考えるのです。つり革もそうです。つり革につかまっているのではなく、握らされているのです。
一般的に、Aクラス社員になるには、Aクラスになろうという意志が必要です。しかし、アフォーダンスの考え方でいうと、Aクラス社員はBやCクラス社員という存在によってAクラスにならされているともいえます。
これは、地面が人を立たせているように、Aクラス社員はBCの存在により「自分の役割に目覚めさせられた」ということなのです。つまり、Aクラスという「役割」に「目覚めた」人がAクラス社員になるのです。Aクラスの人たちが成り立っているのは、BクラスとCクラスがいるからなのです。
非常に高学歴な人たちが集まっているコンサルティングファームは、各社員における知的能力に大きな差はなく、全ての人材がAクラス社員であるはずです。にもかかわらず、実際にはA、B、Cと社員にランクがついています。それはAランクの人は自分がAランクの役割を担うことに目覚めてしまったからだといえるでしょう。B、Cについても同様なことがいえます。もちろんほとんどの人は無意識のうちに自分の役割に目覚め、結果としてABCに分かれてしまったということなのです。
従って、企業はそれぞれの社員に対して、その役割に応じた投資をしてあげればいいということになります。平等主義である必要性は全くありません。もちろん、これはなんら差別主義で言っているものでもありません。単に役割に必要な資源が異なるということなのです。今回の特集を組んでいて、どの組織にもABCといった社員のランク分けが存在することを改めて確認し、それぞれの社員に対する投資のあり方を考えさせられました。(岩崎 卓也)
2006/12/08
キャリアパスの多様性
「DHBR」2007年1月号は明日、9日発売となります。特集は「Aクラス社員のマネジメント」で、人材マネジメントに関する論文を集めました。その中に「Aポジション・マネジメント」という論文があります。ほとんどの企業では、あらゆるポジションにAクラスの人間を配置できる余裕などありません。適材適所を実現する企業が勝利することは自明のことです。しかしながら、なかなか理想どおりに行かない現実があります。どんなに優秀な人材でも実力を発揮できなければ凡夫でしかありません。
IBMなどでは優秀で将来性の高い社員を囲い込み、そのモチベーションを高めるための仕組みを強化しています。この論稿では事例に基づき、Aポジションの管理について提言しています。主張のひとつは、人材管理にもポートフォリオ・マネジメントの徹底をしなければならないことです。そもそも仕事は、なんでもかんでも価値を生み出すものではありません。企業によっては、歴史的な意味合いで“なぜだか存在している部署”を持つ会社もあります。あってもなくても良いポジションをCポジションと位置づけ、ルーチンワーク的なものをBポジションと位置づける。このようにまずは、仕事の何がAポジションなのか、そしてB、Cのポジションは何か、それをはじめにきちんと定義することが大切なのです。
Aポジションの仕事に、経験値が足りない人材、畑違いの人材を配置していませんか? あるいはAポジションを担うには能力的に足りないBポジションの人間を配置するといったミスマッチが起こっていませんでしょうか? 論稿ではIBMなどの事例をもとに、Aポジションの管理について解説をし、さらにはポジション・ポートフォリオの管理について詳細を解説しています。
ところで、私はこの論稿を読み、キャリアパスについて考えさせられました。日本ではキャリアパスはありますが、あまりはっきりさせていないところがあるように思われます。あるとしても、ふるいにかけていくような形で、出世レースのようなものになっています。80年代、複線型人事を導入する企業がいくつかありました。私は複線だけでは足りないように思います。これから先、重要になってくるのはキャリアパスの多様性ということなのではないでしょうか。(岩崎 卓也)
IBMなどでは優秀で将来性の高い社員を囲い込み、そのモチベーションを高めるための仕組みを強化しています。この論稿では事例に基づき、Aポジションの管理について提言しています。主張のひとつは、人材管理にもポートフォリオ・マネジメントの徹底をしなければならないことです。そもそも仕事は、なんでもかんでも価値を生み出すものではありません。企業によっては、歴史的な意味合いで“なぜだか存在している部署”を持つ会社もあります。あってもなくても良いポジションをCポジションと位置づけ、ルーチンワーク的なものをBポジションと位置づける。このようにまずは、仕事の何がAポジションなのか、そしてB、Cのポジションは何か、それをはじめにきちんと定義することが大切なのです。
Aポジションの仕事に、経験値が足りない人材、畑違いの人材を配置していませんか? あるいはAポジションを担うには能力的に足りないBポジションの人間を配置するといったミスマッチが起こっていませんでしょうか? 論稿ではIBMなどの事例をもとに、Aポジションの管理について解説をし、さらにはポジション・ポートフォリオの管理について詳細を解説しています。
ところで、私はこの論稿を読み、キャリアパスについて考えさせられました。日本ではキャリアパスはありますが、あまりはっきりさせていないところがあるように思われます。あるとしても、ふるいにかけていくような形で、出世レースのようなものになっています。80年代、複線型人事を導入する企業がいくつかありました。私は複線だけでは足りないように思います。これから先、重要になってくるのはキャリアパスの多様性ということなのではないでしょうか。(岩崎 卓也)
2006/12/05
ビジネス書を分類すると
ある書店のビジネス書担当者にプレゼンテーションをしました。テーマは「ビジネス書の分類の仕方」です。どのようにビジネス書を分類したらよいのか、書店の現場は非常に困っているという現実があります。そこで、私はわずかに空いた時間を見つけながら、「ビジネス書の分類」を作ってみました。結果、図書館でも使えるほど、完成度が高いものが出来上がりました。
分類方法を考えるというのは非常に難しいことです。「金融工学の本」ならば、たいていは「金融」に分類されますが、「投資」や「経済学」に分類される可能性もあります。書店としては棚を管理していく上で、分類を増やしていく必要があるが、どう管理していったらよいのかが悩ましいわけです。ということで、私が分類の資料を作成することになったのです。
特に、ビジネス書はほかのものと比べて、分類が難しいのです。漫画は版元で分け、さらには初出のコミック雑誌で分ければいいのです。雑誌も男性誌、女性誌、ビジネス誌など、現状の分類でうまく行っています。文芸、写真集、文庫、そして理工書なども同様、今行っている分類方法で問題はないといえます。
ところが、ビジネス書の分類だけがインプルーブされていないのです。なぜでしょうか。書店の現場ではアルバイトや契約社員で人材をまかなっている場合が多いことが原因のひとつです。同じ人が何年も同じ棚を管理しているわけではないので、知識が蓄積されない傾向にあります。また、書店でアルバイトしている方には、「本好き」が高じて働いている方が多くいます。文芸書は好きという方はたくさんいらっしゃいますが、ビジネス書が好きという方は少ないのです。このようなことから、ビジネス書の分類が進まないようなのです。
書店の棚は書店にとって「売り物」、プロダクトだといえます。そのプロダクトをハイクオリティで維持するのが難しい。私としては、どこかの書店と組んで、棚作りに取組んでいこうと思っています。棚作りをしっかりすれば、どのくらい売上が上がるのか。並べ方を工夫し、小規模のフェアを実施して、ビジネス書の魅力を伝えていく。書店の方とDHBRの編集部、当社書店営業で協力し、どこかの書店のある店舗でやろうと思っています。(岩崎 卓也)
分類方法を考えるというのは非常に難しいことです。「金融工学の本」ならば、たいていは「金融」に分類されますが、「投資」や「経済学」に分類される可能性もあります。書店としては棚を管理していく上で、分類を増やしていく必要があるが、どう管理していったらよいのかが悩ましいわけです。ということで、私が分類の資料を作成することになったのです。
特に、ビジネス書はほかのものと比べて、分類が難しいのです。漫画は版元で分け、さらには初出のコミック雑誌で分ければいいのです。雑誌も男性誌、女性誌、ビジネス誌など、現状の分類でうまく行っています。文芸、写真集、文庫、そして理工書なども同様、今行っている分類方法で問題はないといえます。
ところが、ビジネス書の分類だけがインプルーブされていないのです。なぜでしょうか。書店の現場ではアルバイトや契約社員で人材をまかなっている場合が多いことが原因のひとつです。同じ人が何年も同じ棚を管理しているわけではないので、知識が蓄積されない傾向にあります。また、書店でアルバイトしている方には、「本好き」が高じて働いている方が多くいます。文芸書は好きという方はたくさんいらっしゃいますが、ビジネス書が好きという方は少ないのです。このようなことから、ビジネス書の分類が進まないようなのです。
書店の棚は書店にとって「売り物」、プロダクトだといえます。そのプロダクトをハイクオリティで維持するのが難しい。私としては、どこかの書店と組んで、棚作りに取組んでいこうと思っています。棚作りをしっかりすれば、どのくらい売上が上がるのか。並べ方を工夫し、小規模のフェアを実施して、ビジネス書の魅力を伝えていく。書店の方とDHBRの編集部、当社書店営業で協力し、どこかの書店のある店舗でやろうと思っています。(岩崎 卓也)
2006/12/01
来年の手帳
毎年この時期になると、来年の手帳が話題にのぼります。私の周りにいる女性の間では、クオヴァディスの人気が高いようです。ヴァーティカルタイプといって、時間軸が垂直、左から右へ月曜日から土曜日と曜日が並んでいる、一週間見開きタイプが使いやすいという声を良く聞きます。
とはいえ、能率手帳タイプは根強く人気があるようですね。こちらもヴァーティカルタイプは出ていますが、よく見かけるのは古くからある曜日が上から下に並んでいるタイプのもので、表紙は黒か茶。使い慣れると手放せない何かがあるのでしょう。
ちなみに、編集長の岩崎はコクヨのキャンパスノートタイプのダイアリーを使っています。大きさはキャンパスノートと同じ。外観も見分けがつかないくらい似ています。こちらは見開き一か月のブロックタイプです。なんでも、小さい手帳を持ち歩くとなくしてしまうのだとか。キャンパスノートと同じ大きさなら、まずは心配いりません。
岩崎は良く書き込みをするので、余白が大きくないとダメなのだそうです。システム手帳の真ん中のリングも邪魔だと言っていました。その点、キャンパスノートタイプのダイアリーは使い勝手がいいそうです。
このようにしてみると、手帳は持ち主の性格を表すようですね。
NIJIN―OTは、白くてちょっとおしゃれなコンパクトタイプ。スティーブTKTは妖怪の絵が描いてある手帳を持っていたように記憶しています。ちなみに私は、手帳を持たない派です。理由はお金の節約。要するにケチ。それと、今までよく手帳をなくしていたから。手帳を探す時間ほど無駄なものはないですよね。スケジュールの管理はYahoo!カレンダーで行っているので、日程に関してルーズということではありません。(念のため)。外からでも、スケジュールを確認することはできるので、今のところ用が足りています。
とはいえ、能率手帳タイプは根強く人気があるようですね。こちらもヴァーティカルタイプは出ていますが、よく見かけるのは古くからある曜日が上から下に並んでいるタイプのもので、表紙は黒か茶。使い慣れると手放せない何かがあるのでしょう。
ちなみに、編集長の岩崎はコクヨのキャンパスノートタイプのダイアリーを使っています。大きさはキャンパスノートと同じ。外観も見分けがつかないくらい似ています。こちらは見開き一か月のブロックタイプです。なんでも、小さい手帳を持ち歩くとなくしてしまうのだとか。キャンパスノートと同じ大きさなら、まずは心配いりません。
岩崎は良く書き込みをするので、余白が大きくないとダメなのだそうです。システム手帳の真ん中のリングも邪魔だと言っていました。その点、キャンパスノートタイプのダイアリーは使い勝手がいいそうです。
このようにしてみると、手帳は持ち主の性格を表すようですね。
NIJIN―OTは、白くてちょっとおしゃれなコンパクトタイプ。スティーブTKTは妖怪の絵が描いてある手帳を持っていたように記憶しています。ちなみに私は、手帳を持たない派です。理由はお金の節約。要するにケチ。それと、今までよく手帳をなくしていたから。手帳を探す時間ほど無駄なものはないですよね。スケジュールの管理はYahoo!カレンダーで行っているので、日程に関してルーズということではありません。(念のため)。外からでも、スケジュールを確認することはできるので、今のところ用が足りています。
