2006/09/29

営業マンのここが嫌い

なんとも厳しいタイトルになりましたが、私個人の意見ではありません。2006年10月号に掲載されたコラムのタイトルなのです。このコラムは北米圏のB2B(対法人)企業138社に「営業マンのどこが嫌いですか?」というアンケートを取り、結果を載せたものです。最も多く指摘されたものは「購買プロセスを考慮しない」、次が「ニーズに耳を傾けない」でした。これらから、営業マンの対人関係力のなさを指摘している声が多いとも取れます。

なかには、「馴れ馴れしい」といった指摘もありました。こちらは全体の3%、10項目中8番目と少数意見ではあります。とはいえ、顧客に対して不親切にすれば、「冷たい」とか「よそよそしい」などと、言われてしまいます。かといって、やりすぎると馴れ馴れしいだの、うっとうしいだのと言われてしまうのが営業。なんともたいへんな仕事だといえましょう。

相手がどこまで望んでいるのか、過剰にもならず、不足にもならず、ちょうど良いところを提供する。これは営業以外の部署にも当てはまることなのでしょうが、いずれにしろ難しいことだといえます。
第4位、全体の12%を占める「しつこい、強引、無礼」などは、なにも営業だけに限ったことではありません。自分に置き換えても使えるなぁ、などとコラムを読みながら感心してしまったのは私だけでしょうけれど。
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2006/09/26

世界一になるには愛が必要

『ギネスブック』で「世界一の営業マン」に認定された人物をご存知でしょうか。DHBR2006年10月号の「BRAIN FOOD」では、ジョー・ジラードという自動車セールスマンのインタビューを掲載しています。彼こそが『ギネスブック』で1973年に記録を樹立した人物です。1年1,425台、1か月174台自動車を売ったという記録は今でも破られていません。

どんな商品だって、簡単に売れるものなんてほとんどありません。まして車なんて一日1台売れても1月で30台です。
なぜ彼は月に174台も売ることができたのでしょうか。また、このような営業マンになるため、どのような教育を受けたのか、家庭環境はどうだったのでしょうか。興味が尽きません。

HBRのインタビュアの質問にひとつずつ丁寧に答えるジョー・ジラード。彼から良く出てくる言葉は「愛」です。「好き」「愛」「大切」といった言葉が2ページの中に9回も出てくるのです。日本人の私には「愛しています」と日常で口にするのは馴染まないのですが、お客さまを大切に思う気持ちはよくわかります。でも、どのようにしたら自分の気持ちが顧客に伝わるのか。何をどの程度するべきなのか迷いがあるのも事実です。このインタビューでジョー・ジラードは、具体的に何をしているのか、自身の考え方を含めて答えています。営業マンだけでなく、皆様のご参考になる部分が多い記事だと感じました。
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2006/09/22

いよいよ30周年

10月はエグゼクティブフォーラムも開催される予定でいます。ますますDHBR創刊30周年記念の色が濃くなってまいります。
来月号のDHBRでは、この30年間を振り返ります。弊誌編集長岩崎も首都大学東京 大学院社会科学研究科 教授の森本博行先生と共同執筆という形で「HBR論文から読み解くマネジメント理論の30年史」という論稿を寄せさせていただきます。本稿では60年代以降に寄稿されたHBR論文を振り返りながら、経営戦略の再発見を試みています。

HBR名著論文30選「マネジメントの真実」では、30年間で掲載された論文の中から今なお読んでも役に立つ、読んでおかなければならない論文を30本集めました。1960年代以降、開発された経営コンセプトやアイデア、そして試行錯誤を経ながら進化して行ったマネジメント、関連する論文をセレクトしました。
日本人では、一橋大学大学院 教授 野中郁次郎先生の「知識創造企業」を掲載いたします。
そのほか、「マーケティング思考と販売思考」(フィリップ・コトラー)、「ピグマリオン・マネジメント」(ピーター・F・ドラッカー)、マイケル・ハマー、クリステンセンなどの論文も掲載しています。

まさに30周年ならではの企画です。世界のマネジメント史を理解し、基本となる重要な知識をまとめて把握でき点もメリットのひとつです。どうぞご期待ください。発売は10月10日の予定です。
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2006/09/19

制約理論(TOC)と成果主義

先日のブログで書きましたとおり、私は組織営業と成果主義の両立は難しいであろうと思っています。これは制約理論(TOC)を適用しても同じ結論になります。
制約理論では組織力を高めていこうとしたときに一番ミニマムの人を底上げしていく必要が出てきます。成果主義を導入した場合、このミニマムの人は悪循環に陥ってしまう可能性が大きいのです。能力がないから売れない、給与は下がる。いろいろなことをやってあがくので、ますます型ができなくなってしまう。ということで逆スパイラルを描いてしまうことが予想されます。
組織、個人が未熟な場合は、成果管理ではなく行動管理をすることが重要になってくるのです。

また、組織力を上げるためには、成績が上の人をストレッチすることも必要です。成果主義の導入が難しいことに変わりはありませんが、成績が上の層に対してならば導入の余地があるように思います。アメリカ企業で取り入れられている手法に、能力的に半人前の人には行動管理をし、一人前になったら成果給を適用するというのがあります。ミドルからシニアクラスになると、責任も重くなります。それに見合ったリターンを用意するというのは有効なやり方だといえます。

もうひとつのやり方にチームで利益を分担するというものがあります。チーム全体の成績がよければ分け前に預かれるのです。成績が下の人は周りからのプレッシャーを感じてがんばっていくことでしょう。ただ、これができるのは小さな組織だけだと思います。組織が大きくなればなるほど、ぶら下がる人、つまりサボタージュする人が出てくるのではないでしょうか。「誰かがガンバレばいいや……」、などと言いながら仕事もせずにタバコばかり吸っている人が出てくるはずです。このような弊害を考慮すると、チームで分け前を与える方法の成否は組織のサイズによって決まるような気がします。(岩崎 卓也)
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2006/09/15

組織営業と成果主義の両立の困難

営業スタイルには組織的な営業と一匹狼的な営業があり、両者のうち変化に対応しやすいのは組織営業だといえます。ただし、成果主義への移行に関しては、変化に対応しやすいとはいえ組織営業では困難です。むしろ、個人で営業を行っている部門のほうが容易に導入できるように思えます。

営業マン、ウーマンの成果を評価できるのは限られたところです。例えば、保険、車などの高額でマージンが大きく、チームプレイは要らないものが適しています。また、売り切りの商品を売っている部門ならば成果主義の導入が可能なのではないでしょうか。一方、プラントやITソリューションといった大きな製品を売っている部門、チームで営業を行うようなところは、容易には個々人の成果を評価できないような気がします。そう考えると、組織営業と成果主義は両立し得ないのだな、と感じました。

特集のなかに「成果管理か、行動管理か」という論文があります。今までの営業は一匹狼を許していた文化があります。多くの企業で、営業部門は個々人の無手勝流を容認してきたのです。時代の流れとして、彼ら彼女らのこの先は組織営業に向かうべきなのでしょう。

さらにいえば、能力主義に移行するためには、行動管理が必要になってきます。そのためにはプロセス管理ができないとダメなのです。そう考えると、なんとも難しい話に思えます。営業部門にとって知的な親分をどうやって作っていくかがこれからの課題となるのでしょう。(岩崎 卓也)
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2006/09/12

解雇を伴わない改革

2006年10月号のオススメ論文のひとつは、「ホーム・デポ:自由奔放な組織文化の改革」です。こちらは、特集には入っていないのですが小売業のケースとして参考になると思います。

ホームデポはアメリカでウォルマートに次ぐ2番目の会社です。日本の小売とは規模が違い、売上が10兆円もあります。とてつもなく大きなDIYの小売業なのです。この論文はホームデポの改革について書かれています。新しくCEOに就任したローバート・ナージェリーはGEでイメルトとCEOの座を争い、事実上負けてホームデポに行った人物です。元GEということで、社員は自分が解雇されるのではないかと警戒をしました。しかし、ナージェリーはひとりとしてクビを切らずに企業文化を変えることに成功したのです。

ナージェリーが行ったことは、販売員にロジックを教えることでした。共通の価値観を持つこと、共通の業績評価をすること、研修を行い、業務プロセスの見直しをすることなど、ひと言でいえば標準化を彼は行ったのです。営業組織は企業変革の聖域とされている傾向があります。往々にして、営業が強い会社は変革がうまく行きません。営業部門からの抵抗により、新しいことを浸透させられないのです。

営業がビジネスのロジックを理解している場合は、変革力が強くなります。日本でいえば、電通、リクルートなどが該当するといってよいでしょう。ホームデポの営業はロジックを理解することで、変革を受け入れることができたのです。そうすることで、ホームデポは解雇をしなくても変わることができたわけです。(岩崎 卓也)
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2006/09/08

営業組織管理と人間的な魅力

DHBR 2006年10月号は明日、9月9日(土)に発売となります。今月号の特集は「最強の営業力」です。その中に「営業の課題」という論稿があります。執筆者らは過去12年間にわたり、毎年営業マネジャーにアンケートを行ってきました。この論稿では、調査結果として浮き彫りになった営業の課題をテーマにしています。

営業マネジャーが感じている優先課題とは何でしょうか。アンケート結果の上位には、〈顧客開拓計画の最適化〉〈営業プロセスの見直し〉などがあげられています。マネジャーは営業そのものをシステム化していくことが課題だと考えているのです。今回の特集には、この論考以外にも営業組織をいかに効率よく管理するか、といったことをテーマにした論考が多くあります。

私が論稿を読んで思ったのは、営業マン個人の社会的能力を低下させてはいけないということです。組織を効率よく管理することは大切ですが、そうするあまり個人の人間的な魅力、コミュニケーション等がないがしろにされてしまう危険性があるのではないかと感じました。

話は変わりますが、心理テクニックに「フット・イン・ザ・ドア」というものがあります。これは、ドアの隙間に足を挟んでしまったらこちらの勝ち、というものです。最初に小さなお願いをして小さな隙間をあけ、その後でだんだん隙間を大きくしていくというものです。営業マンが顧客に対するテクニックとしてこのようなことを覚えるのも大切なことではあります。また、知識を身につけ、商品の説明をロジカルに行えることは営業マンにとって欠かせない能力です。もちろん、営業組織を整えることも大事です。

ただし、新しいことを取り入れるために、古いものを捨ててはいけない。大切なのはバランスなのです。新しいものだけ、古いものだけではなく、その両方を取り入れていく。今回の特集をお読みになるにあたり、忘れてはならないポイントになっていくのではないでしょうか。(岩崎 卓也)
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2006/09/05

メンターの重要性を示すデータ

企業がメンター制度を取り入れるようになって随分と時が経ちます。優れたメンターと出会うことは、大きな財産を得たのも同然です。大企業で導入されるケースが多いメンター制度ですが、個人で事業を営んでいる小さなところにも同じようにメリットは及びます。それは犯罪学の研究者が公表したデータからも明らかなのです。

当該研究では窃盗を行っている犯罪者を以下のふたつに分けました。
(1)窃盗について手ほどきをしてくれる兄貴分がいる者
(2)一匹狼として窃盗を行っている者

論文の原文(英語)では、(1)の兄貴分のことをMentor(メンター)と呼んでいます。
(1)と(2)の違いは簡単にいうとメンターがいるかどうかです。調査の結果、両者の間には違いがいくつか現れました。
大きな違いはメンターがいるほうが刑務所に送られる確率が低いということです。危険の予知、やってはいけないことなどを教えてもらえるからでしょう。先輩の失敗を繰り返さないというメンター制度のメリットがここに現れているといえます。リスクが大きな事業にメンター制度が有効だというのもわかります。

また、メンターがいる窃盗犯は、長期的なモノの見方、そしてシステム思考になるようです。自分がこのような行動をすれば、ここはこうなるだろう、といった思考をするといいます。そのほか、盗むものの大きさはメンターがいるほうが大きいということもあるようです。

企業がメンター制度を取り入れ良い結果を得るには、良いメンターをつけることが必要です。さらに充分条件をいうならば、企業は優れたメンターになるような人材を採用することが重要だといえます。(岩崎 卓也)
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2006/09/01

パネルディスカッションとグローバル化

10月13日に開催予定の「DHBR創刊30周年記念エグゼクティブ・フォーラム」の基本講演IIでは、大前研一先生に「ニュー・グローバル・リーダーの条件」として、グローバル化についてお話をしていただきます。現代のグローバル化は70年、80年代と異なり、ハードルが高くなっています。それでも、日本企業のなかにはグローバル化を行おうとしている企業があります。成功するために必要なリーダーの条件とは何でしょうか。

当日はパネルディスカッションも行う予定でいます。モデレーター1名、パネラー4名という構成になっております。パネラーとしてご参加いただくマイケル吉野先生は、ハーバード・ビジネス・スクール 名誉教授です。お年は70歳を越えている方で、まさに生き字引といった存在であられます。

モデレーターをつとめるボストン コンサルティング グループ 日本代表 御立尚資氏、パネラーである慶應義塾大学ビジネススクール 教授 高木晴夫氏、およびBPジャパン 代表取締役社長 脇若英治氏は、ともにハーバード・ビジネス・スクールの卒業生で、実は吉野先生の教え子でもあるのです。また、先生の教え子には、マイクロソフトのスティーブ・バルマー氏、GEのジェフリー・イメルト氏などの名も連なります。吉野先生は世界的に一流と言われている経営者の学生時代を知っているのです。

パネルディスカッションのテーマは「どのようにして本物のリーダーを作っていくのか」です。パネラーには、日本ゼネラル・エレクトリック 社長 伊藤伸彦氏もご参加いただきます。パネルディスカッションにおいては、GE、BPといった一流のリーダーを組織的に輩出している企業の話が出てくることを期待しています。
また、GEやBPはどこに国籍があるのかもわからないくらいグローバル化が進んだ企業です。グローバル化について、GEやBPはどうなのかといったお話も聞きたいですね。(岩崎 卓也)
posted by ダイヤモンド社 at 14:02| Comment(0) | TrackBack(91) | 記事