以前お伝えしたとおり、『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』は、この秋創刊30周年を迎えます。そこで、世界的なベストセラー『ブルー・オーシャン戦略』の著者であるINSEADのW.チャン・キム教授、および世界的なビジネス・グールーの一人である大前研一氏ほかを招いて、公開記念セミナーを開催いたします。
テーマは「リーダーシップの針路」、セミナーの開催日は10月13日(金)になります。詳細はこちらをご覧ください。
今回のブログではセミナーで講演していただくチャン・キム氏のブルー・オーシャン・ストラテジーというのはどのようなことなのか触れてみたいと思います。
この戦略をわかりやすくひと言でまとめると、「人と違うことを行いなさい」、しかも「賢く行いなさい」、というところに集約できるのではないでしょうか。
現在、このストラテジーはムーブメントとして世界で大流行しております。例えば、シンガポール政府がそうです。チャン・キム氏を顧問に雇って、国策そのものにブルー・オーシャン・ストラテジーを適用しているそうです。また、チャン・キム氏はSAMSUNG(サムスン)の社外取締役でもあります。同社はブルー・オーシャン・ストラテジーを大々的に戦略として取り入れ、R&Dに力を注いでいるようです。日本国内では、東芝などもこの戦略を取り入れているといいます。
この戦略は、幅広い層に受け入れられる点が特徴的です。ブルーオーシャンとレッドオーシャンをご自身の理解に従って、ビジネスに応用できるという点が、この戦略が世界的に流行している理由のひとつなのかもしれません。
当日はおよそ1時間以上にわたりお話していただきます。どうぞご期待ください。
ほか、素晴らしいゲストをお招きする予定でいるパネルディスカッションなどもあります。こちらは次回のブログで紹介いたします。(岩崎 卓也)
2006/08/30
2006/08/25
CEOと会長の分離
アメリカ産業界ではCEOが会長を兼務することが慣例化しているようです。「会長とCEOの分離はほとんど無意味である」と銘打たれた小論文は、「BRAIN FOOD」コーナーに掲載されたものです。コーポレートガバナンスについては日本でも多く語られるようになりました。
コーポレートガバナンスに関する議論が活発なアメリカでは、「会長とCEOの兼任は害悪である」という考えが主流を占めているようです。ところが、この論文では分離してもたいしたメリットはないという主張がなされているのです。ある調査を行った結果、株価でも会計利益でも分離した企業とそうでない企業とでは統計的に有意差が見られなかったことを説明しています。
日本にはCEOと会長を分離している企業が多くあります。しかし、CEOと会長を分離している企業が全くダメだというわけではありません。この論文では、分離したほうが道理にかなう例をいくつか上げています。たとえは、自国の業務に明るいCEOに海外経験が豊富な会長を組み合わせる場合。そして、政府関連の問題を一気に引き受ける会長と経営に専念するCEOといった役割が決まっている場合など、分けることに意味があるケースも存在するのです。
要するに大切なのは、分けるのなら、その目的は何なのかについてはっきりさせることなのです。とはいえ、目的は何でも良いわけではありません。たとえば、元CEOに対して終身的なポストを与えるといったことでは、企業の価値を高めるものにならないことはいうまでもありません。
コーポレートガバナンスに関する議論が活発なアメリカでは、「会長とCEOの兼任は害悪である」という考えが主流を占めているようです。ところが、この論文では分離してもたいしたメリットはないという主張がなされているのです。ある調査を行った結果、株価でも会計利益でも分離した企業とそうでない企業とでは統計的に有意差が見られなかったことを説明しています。
日本にはCEOと会長を分離している企業が多くあります。しかし、CEOと会長を分離している企業が全くダメだというわけではありません。この論文では、分離したほうが道理にかなう例をいくつか上げています。たとえは、自国の業務に明るいCEOに海外経験が豊富な会長を組み合わせる場合。そして、政府関連の問題を一気に引き受ける会長と経営に専念するCEOといった役割が決まっている場合など、分けることに意味があるケースも存在するのです。
要するに大切なのは、分けるのなら、その目的は何なのかについてはっきりさせることなのです。とはいえ、目的は何でも良いわけではありません。たとえば、元CEOに対して終身的なポストを与えるといったことでは、企業の価値を高めるものにならないことはいうまでもありません。
2006/08/22
脱サラにも資質が必要?
定年退職後はどのように過ごされますか。昔と違って、今の時代は60歳過ぎても元気な方がたくさんいます。やっぱり一度は脱サラをしてみたいと思う方もいるのではないでしょうか。
〈大企業のビジネス・リーダーたちにすれば、小企業の経営はのどかなものに見えるらしい〉と冒頭で述べるのは、「BRAIN FOOD」コーナーの「『脱サラ』の成功条件」です。
大企業で培った経験などがあれば、小企業の経営においては成功間違いなしと思われがちです。しかし、こちらの記事の執筆者である、ヒューストンにある法律事務所設立者、シュローダー氏によると、意外とつまづいている人は多いようです。そこで、氏は小企業の現実を紹介し、これから脱サラをしようとする人に対して自身に資質があるかどうか問うて欲しいと主張しています。
こちらの記事は、アメリカの大企業にお勤めの方を対象にしたものですが、日本にも当てはまるところは多く見受けられます。たとえば、小企業のリーダーは〈万能選手でなければならない〉とあります。大企業なら組織が整っているので専門部署の人間に任せる、コンサルティングを利用するなど、自分の専門部門以外のことはほかの人間に任せることができます。しかし、小企業のリーダーは製品開発や営業の知識があっても、キャッシュフローに関することはさっぱりというのでは失格だといいます。まさにそのとおり。
大企業にお勤めの方で、将来的に起業をお考えの方にとって、この「『脱サラ』の成功条件」は、一読の価値があるといえます。小企業のリーダーに必要な資質、6項目について、今一度チェックをしてみてはいかがでしょうか。
〈大企業のビジネス・リーダーたちにすれば、小企業の経営はのどかなものに見えるらしい〉と冒頭で述べるのは、「BRAIN FOOD」コーナーの「『脱サラ』の成功条件」です。
大企業で培った経験などがあれば、小企業の経営においては成功間違いなしと思われがちです。しかし、こちらの記事の執筆者である、ヒューストンにある法律事務所設立者、シュローダー氏によると、意外とつまづいている人は多いようです。そこで、氏は小企業の現実を紹介し、これから脱サラをしようとする人に対して自身に資質があるかどうか問うて欲しいと主張しています。
こちらの記事は、アメリカの大企業にお勤めの方を対象にしたものですが、日本にも当てはまるところは多く見受けられます。たとえば、小企業のリーダーは〈万能選手でなければならない〉とあります。大企業なら組織が整っているので専門部署の人間に任せる、コンサルティングを利用するなど、自分の専門部門以外のことはほかの人間に任せることができます。しかし、小企業のリーダーは製品開発や営業の知識があっても、キャッシュフローに関することはさっぱりというのでは失格だといいます。まさにそのとおり。
大企業にお勤めの方で、将来的に起業をお考えの方にとって、この「『脱サラ』の成功条件」は、一読の価値があるといえます。小企業のリーダーに必要な資質、6項目について、今一度チェックをしてみてはいかがでしょうか。
2006/08/18
次月号はアメリカHBRでは珍しいテーマ
次月号のDHBRの特集は「最強の営業力」です。実のところ、セールスというテーマは、アメリカ本誌、HBRではありそうであまりないのです。マーケティングはよく取り上げますが、セールスとはやや性質が異なります。なぜ、HBRではセールスをテーマにすることが少ないのか。それは、日本とアメリカの読者層の違いが大きな理由となっています。
HBRの読者層であるアメリカのリーダーは、MBAを取って幹部候補として企業に入社します。早いうちから経営戦略を立てるというケースが多いのです。営業からのたたきあげというパターンは日本では多くありますが、アメリカでは割合として低くなっています。このようなこともあり、営業というテーマはHBRでは取り上げられることが少ないのです。
もちろん、営業は日本では広く受け入れられているテーマです。DHBR 2006年10月号、9本の論文を厳選しました。その中の「営業力の復活から改革は始まる」は、製薬会社シェリング・プラウの再建に乗り出した会長兼CEO、フレッド・ハッサン氏のインタビュー記事です。氏はパキスタン出身という異色のリーダーで、同社の経営再建について語っています。彼は定石である「コスト・カット」を行うのではなく、売上げの回復で改革の口火を切ります。人員削減をも行い企業を建て直すカルロスゴーンとの比較が出ており、興味深いものとなっています。
またハッサン氏は企業トップでありながら営業に同行するようなことも行っています。アメリカにおいて特異ともいえるこのような行動を行う彼の狙いはどこにあるのでしょうか。営業担当者の士気を上げ、顧客の信頼を獲得する営業力について聞きました。(魚谷 武志)
HBRの読者層であるアメリカのリーダーは、MBAを取って幹部候補として企業に入社します。早いうちから経営戦略を立てるというケースが多いのです。営業からのたたきあげというパターンは日本では多くありますが、アメリカでは割合として低くなっています。このようなこともあり、営業というテーマはHBRでは取り上げられることが少ないのです。
もちろん、営業は日本では広く受け入れられているテーマです。DHBR 2006年10月号、9本の論文を厳選しました。その中の「営業力の復活から改革は始まる」は、製薬会社シェリング・プラウの再建に乗り出した会長兼CEO、フレッド・ハッサン氏のインタビュー記事です。氏はパキスタン出身という異色のリーダーで、同社の経営再建について語っています。彼は定石である「コスト・カット」を行うのではなく、売上げの回復で改革の口火を切ります。人員削減をも行い企業を建て直すカルロスゴーンとの比較が出ており、興味深いものとなっています。
またハッサン氏は企業トップでありながら営業に同行するようなことも行っています。アメリカにおいて特異ともいえるこのような行動を行う彼の狙いはどこにあるのでしょうか。営業担当者の士気を上げ、顧客の信頼を獲得する営業力について聞きました。(魚谷 武志)
2006/08/15
ポイント制を導入するのなら
家電量販店のポイントカードや航空会社のマイレージなどは、いまや多くの人にとって日常生活に密着したものになっているでしょう。最近ではポイントの相互交換もできるようになっていたりして、ショッピングでいかに効率よく得するか、裏ワザが話題になることも多いようです。
ただし、提供企業の視点からすると、今の賢い消費者に対して、単純なプログラムでは顧客ロイヤリティを高めるという目的を達することはおろか、値引き競争の具になってしまっているのが現状です。こうしたプログラムをうまく機能させる方法に悩むマーケッターの方におすすめしたいのが、今月号に掲載している「ロイヤリティ・プログラムを見直す法」です。
この論文では、ポイント制を実施するに当たって考慮しなければならない点、やってはいけないことなどがコンパクトにまとめられています。現在、ポイント制を導入している企業は多く、日々の生活のなかでポイントは溢れかえっています。が、アメリカも日本と同じでうまく行っているところはわずかしかありません。これからポイント制の導入を検討している方、既に導入したものの効果がいまひとつの方にとって、この論稿がお役に立てば何よりです。(魚谷 武志)
ただし、提供企業の視点からすると、今の賢い消費者に対して、単純なプログラムでは顧客ロイヤリティを高めるという目的を達することはおろか、値引き競争の具になってしまっているのが現状です。こうしたプログラムをうまく機能させる方法に悩むマーケッターの方におすすめしたいのが、今月号に掲載している「ロイヤリティ・プログラムを見直す法」です。
この論文では、ポイント制を実施するに当たって考慮しなければならない点、やってはいけないことなどがコンパクトにまとめられています。現在、ポイント制を導入している企業は多く、日々の生活のなかでポイントは溢れかえっています。が、アメリカも日本と同じでうまく行っているところはわずかしかありません。これからポイント制の導入を検討している方、既に導入したものの効果がいまひとつの方にとって、この論稿がお役に立てば何よりです。(魚谷 武志)
2006/08/11
ギリシャ以来の哲学的な問い
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2006年9月号が発売となりました。今回の特集は掲載された論稿から、本物のリーダーの姿がおぼろげながらも浮かび上がってくる点が特徴的です。ゴーフィーらが執筆した「優れたリーダーは自分の『持ち味』を管理する」はその最たるものだといえます。
本物のリーダーになろうとして、ジャック・ウェルチのようなグレートなリーダーに関する資料を集め、その行動や態度を真似しても意味はありません。リーダーは自分らしさ、リアリティを持たなければならない。さらに、うまく外に対してアピールしていくことが重要だ、というのがこの論稿の根底にある主張です。
ただし、“本物”といっても、それはあくまでも他人が判断することです。「私は本物だ」と独りよがりで言ったところで皆が同意するものではありません。では、どのような壁を乗り越えたらよいのでしょうか。論稿ではネスレの会長、音楽会社のディレクター、テレビ番組制作会社のCEOなど、リーダーたちのとった行動や考えを紹介しています。
執筆者ふたりの力量もこの論稿を読む上で注目していただきたい点です。6年前、執筆者のロバート・ゴーフィー、ガレス・ジョーンズは「共感のリーダーシップ」という論文をHBRに寄稿し(邦訳は2001年3月号に掲載)、それはその年最高の論文に与えられるマッキンゼー賞を受賞しています。受賞後の第一作である今回の論稿は、本物とは何か、というギリシャ以来の哲学的な問いを掘り下げています。彼らなりの納得感のある結論には注目です。
理想のリーダーになろうとして、上辺だけを取り繕ってもうまく行かず、ならばと自分の個性を前面に出しすぎれば受け入れられず、空回りをしてしまうことは良くあることです。この論稿は読者にとって共感できる点が多いのではないかと思います。(魚谷 武志)
本物のリーダーになろうとして、ジャック・ウェルチのようなグレートなリーダーに関する資料を集め、その行動や態度を真似しても意味はありません。リーダーは自分らしさ、リアリティを持たなければならない。さらに、うまく外に対してアピールしていくことが重要だ、というのがこの論稿の根底にある主張です。
ただし、“本物”といっても、それはあくまでも他人が判断することです。「私は本物だ」と独りよがりで言ったところで皆が同意するものではありません。では、どのような壁を乗り越えたらよいのでしょうか。論稿ではネスレの会長、音楽会社のディレクター、テレビ番組制作会社のCEOなど、リーダーたちのとった行動や考えを紹介しています。
執筆者ふたりの力量もこの論稿を読む上で注目していただきたい点です。6年前、執筆者のロバート・ゴーフィー、ガレス・ジョーンズは「共感のリーダーシップ」という論文をHBRに寄稿し(邦訳は2001年3月号に掲載)、それはその年最高の論文に与えられるマッキンゼー賞を受賞しています。受賞後の第一作である今回の論稿は、本物とは何か、というギリシャ以来の哲学的な問いを掘り下げています。彼らなりの納得感のある結論には注目です。
理想のリーダーになろうとして、上辺だけを取り繕ってもうまく行かず、ならばと自分の個性を前面に出しすぎれば受け入れられず、空回りをしてしまうことは良くあることです。この論稿は読者にとって共感できる点が多いのではないかと思います。(魚谷 武志)
2006/08/08
時代遅れではありません
特集の組み方にはいくつかやり方があります。一番多い方法は、軸となる論文を最初に決めてから、関連する論文を探していくという方法です。2006年9月号の特集では、「『鬼上司』の復権」と「優れたリーダーは自分の『持ち味』を管理する」のふたつが最初に軸として決まりました。執筆者のロデリック・クラマーとロバート・ゴフィー、ガレス・ジョーンズは、リーダーのコンピテンシーという永遠のテーマを扱う執筆者として非常に期待されている人たちです。
クラマーの「『鬼上司』の復権」は、スティーブ・ジョブズ、カーリー・フィオリーナなど、単なる鬼上司ではなく“偉大なる”鬼上司について書かれた論文です。今はリーダーの資質といえば、人間関係に焦点が当てられ鬼上司は評価されない傾向にあるといえます。しかし、クラマーの調査により、彼ら彼女らは高い成果をあげていること、悩めるリーダーたちは鬼上司の資質に憧れていることが明らかになりました。
また、鬼上司は人材獲得面でもメリットがあるといいます。それは「鬼」でありながら人がついてくるからです。何かを盗みたいと思っている人が集まってくるのです。
この論文では鬼上司を分析することで、現代の鬼上司にダメを突きつける流れに対し、必ずしもそうだとは言い切れないことを示唆しています。
優れたリーダーはEQや多重知能SQが高いといわれていますが、この論文で注目している鬼上司が持つ知能はPQです。これは駆け引きができる能力を指します。SQが高い人は相手の長所を見ようとするのに対し、PQの高い人は相手の弱点や不安を見抜くことに長けているのです。弱点を使って駆け引きをすることでうまくマネジメントをしていきます。この論文ではSQの高いリーダーとPQが高いリーダーの違いについて述べられており、その点も読みどころのひとつになっています。
偉大なる鬼上司は調和を乱す存在かもしれませんが、同時に価値を生み出す存在でもあるのです。リーダーとして今何が必要なのか、失われつつあるものを吟味してみることも一考に値するのではないでしょうか。 (魚谷 武志)
クラマーの「『鬼上司』の復権」は、スティーブ・ジョブズ、カーリー・フィオリーナなど、単なる鬼上司ではなく“偉大なる”鬼上司について書かれた論文です。今はリーダーの資質といえば、人間関係に焦点が当てられ鬼上司は評価されない傾向にあるといえます。しかし、クラマーの調査により、彼ら彼女らは高い成果をあげていること、悩めるリーダーたちは鬼上司の資質に憧れていることが明らかになりました。
また、鬼上司は人材獲得面でもメリットがあるといいます。それは「鬼」でありながら人がついてくるからです。何かを盗みたいと思っている人が集まってくるのです。
この論文では鬼上司を分析することで、現代の鬼上司にダメを突きつける流れに対し、必ずしもそうだとは言い切れないことを示唆しています。
優れたリーダーはEQや多重知能SQが高いといわれていますが、この論文で注目している鬼上司が持つ知能はPQです。これは駆け引きができる能力を指します。SQが高い人は相手の長所を見ようとするのに対し、PQの高い人は相手の弱点や不安を見抜くことに長けているのです。弱点を使って駆け引きをすることでうまくマネジメントをしていきます。この論文ではSQの高いリーダーとPQが高いリーダーの違いについて述べられており、その点も読みどころのひとつになっています。
偉大なる鬼上司は調和を乱す存在かもしれませんが、同時に価値を生み出す存在でもあるのです。リーダーとして今何が必要なのか、失われつつあるものを吟味してみることも一考に値するのではないでしょうか。 (魚谷 武志)
2006/08/04
次期CEOを指名する前に
ハーバード・ビジネス・スクールにはリーダーシップ・ディベロップメント・センターというものがあります。2006年9月号に掲載予定の論稿、「20世紀から21世紀のリーダーシップを占う」は当センターがイニシアティブを取って進めた研究の成果を著したものです。
この研究で実施した調査は、ここ100年で出現した偉大なリーダー1000人を分析の対象としています。この規模の大きさはハーバード・ビジネス・スクールならではといえましょう。研究ではリーダーシップについて類型を試みたところ、3つのパターン、「起業家タイプ」と「管理者タイプ」、そして「リーダータイプ」に分類されました。
さらに論稿では、それぞれの時代において、リーダーシップに影響を及ぼす6つの要素、政府の規制、人口などを紹介しています。この要素のうち、どれが強い影響を与えるのか時代によって異なるといいます。影響を与える要素によって、起業家タイプ、管理者タイプ、そしてリーダータイプと、タイプによって行動の仕方が変わってきます。
多くの企業が過去の実績のよし悪しで次期CEOを指名するなか、大切なのは時代を意識し将来に照らし合わせることです。その人物は要素からどのような行動をとるのか、そしてその人物が本物のリーダーであるのかどうかを見極めることだといえます。
100年間の時代の変遷が簡潔にまとめられていて、アメリカにおける変化が年表で整理されています。今すぐ仕事に生かせるような話ではないのですが、教養としておもしろく読める論稿なのではないでしょうか。(魚谷 武志)
この研究で実施した調査は、ここ100年で出現した偉大なリーダー1000人を分析の対象としています。この規模の大きさはハーバード・ビジネス・スクールならではといえましょう。研究ではリーダーシップについて類型を試みたところ、3つのパターン、「起業家タイプ」と「管理者タイプ」、そして「リーダータイプ」に分類されました。
さらに論稿では、それぞれの時代において、リーダーシップに影響を及ぼす6つの要素、政府の規制、人口などを紹介しています。この要素のうち、どれが強い影響を与えるのか時代によって異なるといいます。影響を与える要素によって、起業家タイプ、管理者タイプ、そしてリーダータイプと、タイプによって行動の仕方が変わってきます。
多くの企業が過去の実績のよし悪しで次期CEOを指名するなか、大切なのは時代を意識し将来に照らし合わせることです。その人物は要素からどのような行動をとるのか、そしてその人物が本物のリーダーであるのかどうかを見極めることだといえます。
100年間の時代の変遷が簡潔にまとめられていて、アメリカにおける変化が年表で整理されています。今すぐ仕事に生かせるような話ではないのですが、教養としておもしろく読める論稿なのではないでしょうか。(魚谷 武志)
2006/08/01
第36代アメリカ大統領 リンドン・ジョンソン
はじめまして。ハーバード・ビジネス・レビュー編集部の魚谷と申します。岩崎が出張中なので代わりに私が今月10日に発売予定の「DHBR 2006年9月号」の読みどころを紹介します。特集の「リーダーシップ 本物の条件」は、時代を超えたスケール感のあるものになりました。掲載されている7つの論稿を通して、「本物のリーダーとはこのような人物だ」、とリーダーの姿が浮かび上がるようになっています。
「卓越した変革者の素顔 リンドン・ジョンソン:理想のために権力を求める」は、暗殺されたケネディ大統領の後を継ぎ、第36代アメリカ大統領に就任したリンドン・ジョンソンに関する論稿です。彼は破産した農場経営者家に生まれ、貧困の中から大統領にまでなった人物です。理想主義と徹底したリアリズムを両立させることに関して、非凡な能力の持ち主でした。
マイノリティに選挙権を与える公民権法の成立、貧困の撲滅運動などを行ったジョンソンは、高い理想を掲げ、弱者に対して厚い社会にしようとしました。そのような点から、彼はアメリカ社会を変革する政策を着実に実現した真のリーダーの一人だといえます。このような権力を使う目的の崇高さとは裏腹に、権力を掌握するまでの過程においては狡猾さをも持ち合わせていました。権力を手に入れるための行動と権力を何に使うか、両方について長けた人物だったのです。
執筆者のロバート・A・キャロは、ピュリッツァー賞を2度受賞した歴史家です。20年以上の月日をかけてジョンソンの生涯を掘り起こしているということもあり、知られざる話ばかりの迫真の内容になっています。9月号オススメ論稿―その1―でした。(魚谷 武志)
「卓越した変革者の素顔 リンドン・ジョンソン:理想のために権力を求める」は、暗殺されたケネディ大統領の後を継ぎ、第36代アメリカ大統領に就任したリンドン・ジョンソンに関する論稿です。彼は破産した農場経営者家に生まれ、貧困の中から大統領にまでなった人物です。理想主義と徹底したリアリズムを両立させることに関して、非凡な能力の持ち主でした。
マイノリティに選挙権を与える公民権法の成立、貧困の撲滅運動などを行ったジョンソンは、高い理想を掲げ、弱者に対して厚い社会にしようとしました。そのような点から、彼はアメリカ社会を変革する政策を着実に実現した真のリーダーの一人だといえます。このような権力を使う目的の崇高さとは裏腹に、権力を掌握するまでの過程においては狡猾さをも持ち合わせていました。権力を手に入れるための行動と権力を何に使うか、両方について長けた人物だったのです。
執筆者のロバート・A・キャロは、ピュリッツァー賞を2度受賞した歴史家です。20年以上の月日をかけてジョンソンの生涯を掘り起こしているということもあり、知られざる話ばかりの迫真の内容になっています。9月号オススメ論稿―その1―でした。(魚谷 武志)
