2006/01/31

「戦略」の定石と死角に迫った次号(予告編)

■次号の特集
2006年3月号は2月10日に発売予定となっています。次月号の特集は「戦略の定石 戦略の死角」。戦略をテーマに6つの論文を厳選しました。
その中のひとつが「すべての企業に『利き手』がある」(ジェフリー・A・ムーア TCGアドバイザーズ 社長)です。本論文では、M&Aが失敗する理由について「自社の利き手」をキーワードに展開しています。
企業の「利き手」という単語は、原文では“stronger hand”という言葉で表現されています。「右利き」、「左利き」と、人によって利き手があるように、企業によってそれぞれ「利き手」があるというのです。

企業の「利き手」とは、具体的にどのようなことなのか?
経営者は戦略を立てていくうえで、その「利き手」をどう扱うべきなのか?
 

論者特有の理論が記述されています。自社の戦略をより機能させたい――。
そのためのヒントが満載の論文たち。今回の特集が自社の戦略を再考する機会となれば、このうえなくうれしく思う次第です。

■今月のOPINION
DHBRには毎月異なった執筆者が登場し、ご自身の意見を論述する「OPINION」コーナーがあります。
次号では『年収300万円時代 日本人のための幸福論』の森永卓郎氏が執筆。タイトルは「オタク市場のインパクト」です。氏が繰り広げるオタク市場論にご期待ください。
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2006/01/27

引越しと読書術

先日、当編集部はお引越しをしました。といっても、神宮前にあるオフィスビルの4Fから5Fに移っただけなのですけれど。
引越しって面倒な反面、古くなった書類や不用品を処分するきっかけになるので、うれしい部分もあります。

編集部員各々、あくせく荷物をつめました。
すると、『企業の人間的側面』(D.マグレガー著)を手に固まっている人の姿が……!

「す、捨てられない」

そうつぶやいたのは岩崎(←編集長)。
“捨てる技術”には定評のある岩崎ですが、本は別物のようです。しかも、本の数の多いこと。。。若い頃は毎日3冊ずつ本を読破していたというから驚きです。
「いったい、どうやれば3冊も読めるのですか? その読書術を教えてくださいっ」

自分が知っていること、ほかの本に書いてあったことは思い切って読み飛ばす。
自分が知りたいことが書いてあるページをていねいに読み込んでいく。

それがポイントのようです。なるほど、そうすれば短い時間で効率よく読めるわけですね。私もやってみよう。。。
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2006/01/24

バックナンバーに注目

小誌では、2006年1月号で 「現場力」の覚醒 ハイ・パフォーマーの大量生産 という特集を組みました。

「現場力というと、“現場主導の業務改善”などに焦点が当てられがちです。現場力を高めるためのエネルギーとなるものについて、日本ではあまり語られていないのです」(岩崎)

ならば――。ということで厳選した論文は5つ。そのなかの「オープンブックマネジメント」は、20世紀末に提唱された経営コンセプトです。日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは既に導入されており成功例が報告されています。ここでいう「ブック」とは今までは管理職のみに公表されていた財務諸表などを指します。これを全従業員に「オープン」にしてしまうという大胆なものなのです。
「そんなことが可能なのか?」
とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
現場の人間が数字の意味を理解することで、自分の活動がどのように売上、利益に関係していくのか、さらに給与との関係までわかるようになるのです。その結果、現場が活性化していくというものです。
本論文には実例が紹介されています。このコンセプトにふれることが、何らかのヒントとなりますように。
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2006/01/20

編集者の視点

今までこのブログでは、DHBRを読者の皆様によりよく知っていただこうと、DHBRのユニークな使い方、オススメ記事などをお伝えしてまいりました。ときには今までとは違った内容に――。ということで、今回は編集部の人間がどのようなことを考えているのか、そしてその考えが特集を組むうえでどのように影響しているのかを紹介します。テーマは「日本企業における人材の活性化」についてです。

――日本企業の人材を覚醒させるために必要なことは?

岩崎 現代の日本企業は、仕事のやりがいを重視するあまり、賃金や金銭的なインセンティブについて無視している傾向にあると思います。これが人材を活性化できないひとつの原因になっているのではないでしょうか。仕事のやりがいは大切なことですし、人はお金で動くものではないという主張もわかります。しかし、それだけでは不十分なのです。今、必要なことは報酬に対する考えを変えていくことだと思っています。
ひと言でいうと、私は成果主義者です(笑)。一昨年、『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(城 繁幸著)が話題となり、成果主義に対する批判が高まりました。この現象に対し、私は成果主義そのものが悪いというより、成果を測定するシステムに不備があったことが問題なのだとみています。成果主義を導入したはずなのに、実力のないところが恩恵にあずかれる――そのような状況があること自体がおかしいのです。結果を出した社員が恩恵を受けて経済的に力をつけ、さらに向上していくという好循環を作るには、報酬に対する考え方を変えていかないとダメだと思います。具体的な例でいえば、固定費として考えられている人件費を変動費として捉えることがあげられます。人件費は固定費として扱ったほうが管理しやすいため、そうしている企業が大半です。管理は難しくなりますが、利益に応じて報酬を社員に還元していく――変動する方式にすれば、よりインセンティブ的な要素が高まっていきます。
そのほか、給与体系だけでなく、幅広くインセンティブ報酬に関する制度を改革していくことも大切です。代表的なものではストックオプションがありますが、充分に浸透しているとは言えません。このような現状を変えていくには、経営トップが報酬に対する問題を無視するのではなく、真剣に取り組んでいくことが大切なのではないでしょうか。
企業の成長に見合った報酬が社員に還元されるシステムは、現場で働く人たちのエネルギー源となっていくはずです。

――このような背景のもと、DHBRでは2006年1月号で「「現場力」の覚醒 ハイ・パフォーマーの大量生産」という特集を組みました。掲載論文の中には、日本ではまだ広められていない手法を紹介したものもあります。次回のブログ記事では掲載論文を交えてさらにテーマについて深めていきます。
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2006/01/17

DHBRって……。

編集部には読者皆様の声が届きます。「DHBRをこんなことに役立てている」、「このようにして使っている」など、ありがたい言葉の数々。頂戴したいくつかを紹介いたしましょう。例えば、キーワード「DHBRって……」でくくってみるとこのようになります。

DHBRって……

【役員会議の資料にもなります】

これは某ハイテク機器メーカーの経営トップがおっしゃっていた言葉です。
「DHBRには私の知らないことが書いてある。だから気づかされる」
自分の気づきを役員に伝えるのに便利なのがDHBR。当企業の役員会では記事のコピーが出回っていたそうです。

DHBRって……

【自分の仮説を検証するのに使えます】


自分の仮説と照らし合わせるのに使っている、とおっしゃったのは著名な経営コンサルタント。ワールドクラスの知は、自分の知とどこが違うのか? 考え直すことで、自分の経営知識を深めることができるのです。

DHBRって……

【海外ビジネスパーソンとの会話に登場しました】

こちらは某大手電機メーカー経営トップからいただいたお言葉です。現在、アメリカHBRは全米で30万人の読者がいます。そのうちの多くが経営者層(またはマネジメントクラス)の人たちです。HBRに掲載された論文が話題にのぼっても不思議ではありません。海外で先方のビジネスパーソンと会う前にDHBRを読んでおくと、会話の幅が広がるかも。。。たとえ会話にのぼらなくても損はありません(きっぱり)

DHBRの便利な使い方とでも言いましょうか、ひざを打ちたくなるようなアイデアには私たちが予想もしなかったこともあります。改めて読者の皆様のお声に感謝する次第です。
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2006/01/13

今月号の注目記事

2006年2月号の特集『「兵法」のリーダーシップ』では、6つの論考等を掲載しています。そのなかで印象に残ったものをひとつだけあげるとしたら、どれになるでしょうか? 歴史が好き、という方は「『三国志』のリーダーシップ論」(成 君憶)をあげるでしょうし――それぞれ人によって異なってくると思います。編集長の岩崎の答えは

「AAR:アメリカ陸軍の学習法」

でした。もちろん、前提には「どの記事も全部が印象深い」ということがあるのでしょうけれども・・・。
それはさておき、AARはafter action review(事後検討)の略。もともとはアメリカ陸軍で培われてきた手法です。驚きなのは、紹介されているアメリカ陸軍の部隊「OPFOR」(常設仮想敵部隊)の強さ。この部隊は設定された状況に応じて、敵の正規軍、暴徒、テロリストなどの役を演じ、アメリカ軍の各部隊と擬似対戦をすることを任務としています。兵力、装備の面ではOPFORが劣勢なのに、決まって勝つのはOPFORのほう。なぜそんなに強いのか? その秘密がAARの活用にあるわけです。

このAAR。アメリカの産業界ではすでに広まっています。しかし、使い方を間違えているため、期待通りの成果が上がっていないのが現状なのです。そこで、本論考では本家であるアメリカ陸軍OPFORを徹底解剖して、ビジネスに応用するためのコツを解説しています。
活用方法の詳細は本文を読んでいただくとして、編集長の岩崎が共感した点は――。

「厳しい批判精神を養うことが大切。今の日本企業には、健全な批判精神が欠けている場合もあるのでは?」

ということです。「ホメて部下を伸ばす」ことがもてはやされている今日。どことなく甘さが漂い、部下が同じ間違いを繰り返していることに疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。OPFORの厳格さを味わうことで、より強靭な体質を作り上げるためのヒントを得られることが期待できます。
〈企業はなぜ学習しないのか〉〈単なる「会議」にあらず〉など、耳が痛くなるような言葉も出てきますがオススメです。
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2006/01/10

歴史に経営を学ぶ意味

2006年2月号が発売になりました。今回のテーマは「兵法のリーダーシップ」です。ビジネスパーソンにとってリーダーシップは関心の高いテーマであることはいうまでもありません。
ところで、マネジメントクラスの人が日頃感じていることとは何でしょうか――。
現代社会においては、階層組織の中で職位が高くなるほど責任が重くなり、今まで以上に相手から本音を引き出すのが難しくなる傾向にあります。そのような状況下にあるリーダーが感じることのひとつには 「孤独」 があげられるのではないでしょうか。一般の経営学の本を読み、客観的な知識を得たとしても、

「自分は何か違う別のものを求めている」

と思うこともあるでしょう。組織を率いるリーダーたちが求めるもの――それは、簡単に崩されることのない

「よりどころとなる普遍性」  

ではないかと私は思うのです。

兵法には長い年月のあいだ淘汰されずに残った強さがあります。これこそ今の時代が求める「よりどころ」として普遍的に頼れるものだといえます。さらに、歴史の書は日常身のまわりに起こる悩ましい問題に直結し、解決策を示唆している部分があります。兵法を学ぶことにより、一般の経営書とは一味違ったより奥深い共感が得られるでしょう。

リーダーシップを学ぶために最適な歴史書である兵法。制度化された組織を率いて市場で戦うといった点では、軍隊には企業経営にも通じる豊富な事例が存在します。兵法というと一般的には孫子やニッコロ・マキャベリが有名です。今月号のDHBRでは、これらの書そのものではなく、企業や国家の事例を交えながら分析することに重きを置いた内容になっています。
アサヒビール 名誉顧問の中條高徳(徳は旧字体)氏、『水煮三国志』の著者、成君憶氏をはじめとする歴史がわかる先生方に執筆を依頼しました。歴史のなかからリーダーシップについて、読者の皆様がこれはというものを見つけ出すことを編集部一同願ってやみません。
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2006/01/06

DHBRをよりよく知っていただくために

DHBR(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー)はどのようにして作られるのか

米国ハーバード・ビジネススクールの機関誌「Harvard Business Review」の日本語版DHBRが誕生したのは1976年のことでした。以来30年にわたり、経営トップ、ミドルマネージャーたちから絶大な支持をいただいているDHBR。その特徴は、ただ単に米国HBRを翻訳したものではないところにあります。例えば2006年1月号「現場力の覚醒」で紹介されている論文、論考の出典はHBR 2005年10月号、9月号、6月号など。DHBR編集部が日本のビジネスシーンに合わせてテーマを選定し、それにあった論文、論考を厳選しているのです。

※詳しくは→DHBRホームページの DHBRとはコーナーをご参照ください。

DHBRの薬効とは?

世界トップクラスの論文を本になる前に読むことができる――これがDHBRを読む一番のメリットかもしれません。さらに一歩踏み込み、DHBRを読む習慣をつけることで得られるメリットはもっと深いものがあります。編集長の岩崎が言うには、
「DHBRを読むと、減点法ではなく加点的な価値観が身につく」
ということです。つまり、その会社の良いところが見えてくるようになるというわけです。現状、自社の良いところが見えなくて事業を殺してしまうことはよくあります。そこから一歩抜けて自社の強みがわかり、それを事業に生かすヒントがDHBRにはあるのではないでしょうか。
企業の行動様式のいいところを経営的な角度から見つけ出し、万人にわかるように伝えることは容易なことではありません。HBRの論文、論考を翻訳した記事はその難しいとされていることを可能にしています。
「しかし、DHBRは読み方によっては毒薬にもなるのだ」とも岩崎は申しております。
毒薬とはいったい? 服用することで現れる症状とは何なのでしょうか?

毒薬の症状は主に4つ

編集長自らが「読み方によっては毒薬にもなる」というDHBR。服用することで現れる症状とはどのようなものなのでしょうか。まとめてみました。

【初期症状】 実はよくわかっていないくせに訳知り顔をする
本来、知識は体を動かし会得するもの。しかしながらDHBRは頭で知識を得ることを要求しています。毎日読んでいると、ついつい自分が経営者になったような気分になり、自社の悪いところが目に付くようになります。そうなることで、実はよくわかっていないくせに訳知り顔をし、批判的で耳の痛いことを口にする社員になるというわけです。とはいえ心配御無用。この症状を克服することで加点的な価値観を持つようになります。

【中期症状1】 カタカナを連発するようになる
編集部では正しい文法を使って編集しています。しかしながら、紹介する論文、論考には米国の新しいコンセプトについて触れているものがあります。これらには日本語の訳語が未だついていない場合もあるのです。そのほか登場人物など、どうしてもカタカナ表記でしか表せないものも多くあります。読み続けていくうちに、ついついカタカナが口から出てくるようになる可能性が高いです。DHBRを読む際には、日本語力の低下に注意しましょう。

【中期症状2】 アメリカ型経営モデルは絶対という勘違いをする
アメリカのモデルは日本企業に影響力を持っています。とはいえ、アメリカのやり方が日本のビジネスに絶対良いとは限らないのです。毒されないで欲しいというのは編集部一同の強い願いでもあります。

【末期症状】 学者を気取るようになる
症状が現れているにもかかわらず気づかずにいると、最後は学者を気取るようになります。しかし、DHBRは学者を養成するための雑誌ではありません。この雑誌は、MBAを取った人やそれに準ずる知識のある人たちが、現実の社会にそぐうよう、その知識を生かすヒントを得るためのものなのです。

読むことで得られる知識が多い反面、読み方によっては思わぬ副作用をもたらすDHBR。これらの症状が現れたときは購読を中止せず、さらに深く読み込んでご自身のビジネスにお役立てくださいね。(江)
posted by ダイヤモンド社 at 11:21| Comment(0) | TrackBack(27) | 記事